本殿の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:56 UTC 版)
神社は、古くはヤシロ(社)といい、このヤシロとは本来は「屋代」の意味で、神を祭る仮小屋や祭壇を指した。ヤシロのシロは、穢れを付着させるための身代わりとされるカタシロ(形代)などのシロと同意である。 神の依代である神籬は、最も小さなヤシロといえる。また、広い意味では祭壇や、忌竹や注連縄などで俗界と区切られて聖域とされた祭場全体も含めて、ヤシロ、つまり、一時的な神の仮住まいといいうる。 神の仮住まいに過ぎなかったヤシロは、寺院において仏像を祀る仏教の影響から、御神体を常祭する「神社」へと変貌していった。神社において、最も重要な御神体の鎮座する内陣を備えた建物が「本殿」とされ、御神体を拝むための「拝殿」や、神域を区切る鳥居などの設備が整備されていった。なお、本来の姿から変貌を遂げていった後も、多くの神社では、御神霊と因縁のある霊域(磐座など)で祭りが行われている。 神社建築の成立に影響を与えたと考えられるのが神宮寺の建立である。神宮寺は神社に建てられた寺院のことで、神仏習合の初期段階で登場した。神宮寺の建立により、神社は仏教建築の直接の影響を受けたが、隣接するためにかえって神社建築と寺院建築の差異を求めるようになったと考えられる。
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