心筋
心筋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/03 14:58 UTC 版)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2013年11月) |
Cardiac muscle | |
---|---|
概要 | |
表記・識別 | |
ラテン語 | Textus muscularis striatus cardiacus |
MeSH | D009206 |
TA | A12.1.06.001 |
FMA | 9462 |
解剖学用語 |
心筋(しんきん、英語: cardiac muscle、heart muscle 、myocardium)は、心臓を構成する筋肉のことをいう。
心筋は、骨格筋と同じ横紋筋であるが、骨格筋は随意筋で多核の細胞でできているのに対して、心筋は単核の細胞も存在し、不随意筋である。成人のヒトでは70%が単核、30%が2核である。マウスの成体の場合、80%以上が2核となっている。また、ゼブラフィッシュは99%以上単核である。[1]このように、生物の種によって細胞質分裂を伴わない核分裂、核内倍化の起こりやすさの違いによって、構成は異なっている。
心筋細胞の細胞膜は、一定間隔で自発的に脱分極し、自律的に収縮・弛緩を繰り返す。膜電位の変化を伝える横管系はZ線近傍で陥入し、筋形質小胞体の一つの終末槽と二つ組を形成している。
細胞質には、ミトコンドリアやグリコーゲン顆粒が豊富で、これは自律的に常に収縮、弛緩を繰り返す心臓のエネルギー供給に役立っている。
横紋構造を取る筋原線維束が発達した心筋細胞(作業心筋)に加え、特殊化した心筋細胞も存在する。心房には血圧と血流の制御に関連し、血管平滑筋を弛緩させる活性を持つ心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と呼ばれるペプチドホルモンを合成、分泌する心房筋内分泌細胞(ANP産生細胞)が存在する。また、心臓の収縮と弛緩のリズムを同期させるために、電気的興奮(膜電位の脱分極性変化)の伝導を担う特殊に分化した特殊心筋がある。
心筋細胞は介在板により結ばれ、心筋線維を形成する。心筋線維は静止時には細胞外に対して-50~-90mVの膜電位を有する。骨格筋の絶対不応期は1~3msecなのに対して、心筋の絶対不応期は200msecと長い。
-
心筋の渦を巻く構造は、心臓機能を効果的にする
心筋の顕微解剖
上記の通り心筋は横紋筋であるので光学顕微鏡下でも横紋を認める。低倍率では網状構造がよく見える。まれに細胞辺縁に黄褐色の顆粒構造を認めるが、これは心筋が安定組織であるために生成され排泄されない老廃物、いわゆるリポフスチン顆粒である。
脚注
- ^ “Polyploid cardiomyocytes: implications for heart regeneration”. journals.biologists.com. 2022年8月29日閲覧。
関連項目
心筋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:23 UTC 版)
心筋は骨格筋とはわずかに異なる。安静時は、心筋では主要なエネルギー源として脂肪酸が好んで利用される。活動が増加し心拍数が増加するにつれ、心筋はより高率でグルコースの酸化を開始する。 心筋でのGLUT1(英語版)とGLUT4のmRNAレベルの分析によって、心筋ではGLUT1がより大きな役割を果たしていることが示された。しかし、グルコース輸送の主要なトランスポーターは、心筋においてもやはりGLUT4であると考えられている。 他の組織と同様、GLUT4はインスリンシグナルにも応答し、細胞膜へ輸送されてグルコースの細胞内への促進拡散を行う。
※この「心筋」の解説は、「GLUT4」の解説の一部です。
「心筋」を含む「GLUT4」の記事については、「GLUT4」の概要を参照ください。
「心筋」の例文・使い方・用例・文例
- 心筋細胞の機能
- 彼は拡張型心筋症と診断された。
- 心筋サルコイドーシス
- 彼は心筋梗塞のカテーテル手術をうけた。
- 彼は心筋梗塞を発症しました。
- 彼は心筋梗塞で亡くなったそうですね。
- 日本では心臓病を患う人が多いようですが、リビアでも心筋梗塞になる人が最近とても増えています。
- 睡眠不足で、心筋梗塞リスクが上昇。
- 心筋梗塞.
- 肥大した心筋繊維
- (通常は細動除去器から加えられる電気ショックによって)心筋の細動を止めることによる治療
- 心筋の、または、心筋に関する
- 高血圧、狭心症、不整脈、および急性心筋梗塞を治療する際に使用されるベータブロッカー(商号ロプレッサー)
- 心筋への血流を妨げる血栓を破壊する薬の一種
- 心臓のインパルスを房室結節から心室へ伝達し、それらを収縮させる変形心筋束
- 右房の隔壁に位置する特殊な心筋の結節
- プルキニエ網の部分である特殊心筋繊維細胞
- 心臓の左室の壁上の限局性の拡張または突起(心筋梗塞後に起こる)
- 心臓筋肉(心筋)の疾患(通常、原因不明のもの)
- 心筋が強すぎて、それが弛緩しきれないで心臓に血液が満たされないために心筋が心拍能力を減らす障害
- >> 「心筋」を含む用語の索引
- 心筋のページへのリンク