女将・従業員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:56 UTC 版)
女将 室蘭の幕西遊郭にある遊郭及び置屋「富士楼(ふじろう)」の女将。気性が激しく厳しい性格の女性。名前は「お滝」。 気丈で才色のある武子に期待を寄せ、時に非道な手段ながらも手塩にかけて人気芸妓に育てるが、やがて彼女に裏切られ富士楼を追い出される。その後は、流れついた漁村で網を引いて暮らしていた。 戦後、進駐軍相手に芸を披露して糊口をしのいでいたところ武子と再会。彼女に引き取られ富士楼に戻る。 昭和33年、前年から施行された売春防止法で幕西遊郭の廃止が決まった頃、病を患い、武子に看取られ息を引き取った。 下田(しもだ) 松恵達を「富士楼」まで連れてきた女衒。若くして遊郭で働くこととなった彼女たちを気遣い、室蘭の町を案内したり食事を用意するが、富士楼の女将にそのような情をかけることは、これからの過酷な生活を送る娘たちのためにならないと咎められる。 富士楼までの道中地球岬に立ち寄り、死にたくなったらここに来るよう4人に告げる。 直吉(なおきち) 富士楼の番頭。梅に対して条件の良い客を回すなど気にかける。 次第に梅へ想いを寄せるようになり、梅が中島と密かに交際している事を知ると、唇を奪おうとするが「自分の体で一番きれいな場所だ」とはねつけられた。 梅が「富士楼」へ連れ戻されてすぐの頃、若い軍人に刺され重傷を負う。 退院してすぐ、梅のいる隠し部屋へと行き、大河内からの身請け話があることを梅に伝える。その際、彼女から「おらをもう一度幕西一の女郎にしたててみろ それ以外でおらとお前は一緒に生きてはいけない」と彼の気持ちに応えられない事を告げられた。 彼女が大河内と結婚した際には「あれだけの女郎はもういない」と号泣する。 昭和9年、梅が大河内家へ嫁ぐ直前に幕西遊郭を去り、札幌へ発つ事を男衆仲間に告げた。 お善(およし) 「富士楼」の下働き。 長年、女将の下で働いており武子の出産時にも立ち会っていたが、後に彼女が「富士楼」を乗っ取ると武子側についた。 茜(あかね) 他店に転売された道子に代わって「富士楼」に入って来た下働きの女性。気立ても良いが要領も良い。 口が軽いのが玉に瑕だが、梅と聡一の仲を密かに応援している。 道子の身を案じた梅に頼まれて、道子の元に差し入れをしたりしている。道子の窮状を涙ながらに梅に伝えた。後に「富士楼」の副番頭の男性(後述)と結婚。 隆太(りゅうた) 「富士楼」の副番頭。茜が下働きの頃から交際していて、自身がこつこつ貯めた給金で茜を身請けし結婚。 直吉が軍人に刺された一件で、彼が手当てを受けている最中に隠し部屋へと向かい梅に直吉の事件を伝える。 その上で、「直吉と一緒になれ」と梅を諭した。
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