冬季対策設備とは? わかりやすく解説

冬季対策設備

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:45 UTC 版)

上越新幹線」の記事における「冬季対策設備」の解説

冬期間の越後湯沢駅スプリンクラー融雪され、線路上の積雪排除されるいずれも下りホームから東京方を撮影東海道新幹線開業4か月目で雪害影響により列車定時運行ができなくなった。そのため、寒冷豪雪地帯通過する東北・上越新幹線では10年1度積雪量に対して正常に運行することを目的に「新幹線雪害対策委員会」が設立され、その成果実際雪害対策反映された。東北・上越新幹線では10年上かけ沿線気象調査技術開発が行われ、沿線状況合わせた雪害対策取られた。東海道新幹線では盛土54%、全区間バラスト軌道であったが、上越新幹線では高架橋49%、トンネル39%であり、軌道スラブ軌道90%、バラスト軌道10%となっている。さらに、上越新幹線沿線では比較気温高く雪質が重いことや、降雪量平年で最高3 mにもおよび、列車走行する時に排雪する高架下貯める式では対応不可能であると想定された。これらの事情踏まえて上越新幹線では散水消雪方式採用決定された。1972年昭和47年)の方針決定から1977年昭和52年)にかけて新潟県南魚沼郡大和町(現・南魚沼市)に消雪試験場として九日町高架橋延長971 m)を建設し、6冬にわたる開発試験が行われた(上越新幹線 挑むJRTT鉄道・運輸機構】を参照)。散水消雪設備上毛高原駅 - 新潟車両基地間の157 kmのうち明かり区間79 km設置されている。水源河川水トンネル湧水で、加熱装置によって約10加熱されスプリンクラーによって散水される。散水量は降水量換算するバラスト軌道区間72 mm/h、スラブ軌道区間42 mm/hとなっている。を融かした高架橋設けられ排水溝勾配沿って流れ消雪基地回収され再利用される。 また、トンネル間の短い明かり区間にはスノーシェルター設けることで高架橋への積雪防止している。 なお、上毛高原駅 - 新潟駅の各駅では雪害対策のためホーム全体屋根覆われているが、特に豪雪地帯である越後湯沢駅浦佐駅長岡駅の3駅では屋根上に散水して消雪する方式とっている。

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冬季対策設備

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:04 UTC 版)

東北新幹線」の記事における「冬季対策設備」の解説

東海道新幹線開業4か月目で雪害影響により列車定時運行ができなくなった。そのため、寒冷豪雪地帯通過する東北・上越新幹線では10年1度積雪量に対して正常に運行することを目的に「新幹線雪害対策委員会」が設立され、その成果実際雪害対策反映された。東北・上越新幹線では10年上かけ沿線気象調査技術開発が行われ、沿線状況合わせた雪害対策取られた。東北新幹線沿線上越新幹線比べて降雪量少ないものの、12月から3月平均気温0 ℃未満であることから、年最大積雪深が30 cm以上となる一ノ関駅 - 盛岡駅間に貯高架橋採用された。貯高架橋は、高架橋軌道面かさ上げすることで生じた空間に、新幹線車両スノープラウによって排雪された線路上のをためることが可能な構造になっている。貯高架橋盛岡駅 - 八戸駅間でも採用されている。七戸十和田駅付近では予想される最大積雪深が貯能力上回るため、貯量を拡大したポケット式貯高架橋高架橋内の降雪を減らすため雪覆い設けた覆式貯高架橋新幹線として初め採用された。 積雪量が多いがバラスト軌道である北上駅付近および第2北上川橋梁付近延長3.0 kmは、貯能力不足するため、散水消雪設備設けられている。また、東京起点630.44 km以北七戸十和田駅 - 新青森駅間)のトンネル間の明かり区間13 kmにも散水消雪設備設けられている。この区間寒冷多雪地帯であるため、上越新幹線実績のあるスプリンクラーによる散水消雪方式採用検討され2000年から2002年にかけて長さ60 mのモデル高架橋設置した七戸消雪試験場試験行った後、2008年度青森市内船岡消雪試験場として300 m本線高架橋建設し散水消雪試験が行われた。試験得られ結果をもとに、七戸十和田駅 - 新青森駅間で散水消雪システム導入された。 新幹線では高速列車走行するため、列車風によって舞い上がり台車等に着雪する。その後気温の高い地域などで落下し地上設備損傷させることがある。そのため12月1日から3月31日までの冬期間にバラストスクリーンを常時設置し落雪によるバラスト飛散防止している。また、400 km/h営業列車からの落雪でも破損しない新型East-i地点検知地上子開発したまた、建設当時雪害想定されていなかった大宮 - 仙台間では、降雪積雪状況によっては徐行を行うことで地上設備破損防止する分岐器においてはによる転換不良防止するための対策なされており、車両からの持ち込みを防ぐために気温規定値を下回る作動する融雪マットヒーター、落雪防護マクラギレール温めて除去する電気温風式融雪機直接加熱電気融雪機可動部挟まったなどを高圧温水除去する温水噴射融雪装置設置されている。

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冬季対策設備

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:38 UTC 版)

北陸新幹線」の記事における「冬季対策設備」の解説

北陸新幹線経由する上信越北陸地方日本でも有数豪雪地帯であり、冬季においても安定輸送維持するための対策が施す必要がある1985年昭和60年12月高崎 - 小松間の認可申請が行われると、北陸新幹線雪害対策検討開始された。既設新幹線においては比較降雪量少な東北新幹線盛岡以南では貯方式が、降雪量が多い上越新幹線では散水消雪方式採用されていた。しかし、散水消雪方式導入には多額の費用が必要である。在来線行われている機械除雪安価であるが、人家近接する場所や道路との交差箇所での雪捨て場の確保問題がある。整備新幹線においては建設費低減求められており、沿線気候条件適した様々な技術開発する必要があった。 1986年度に、北陸新幹線建設主体であった鉄道公団は、北陸新幹線沿線雪質および量に対応した量の多い貯高架橋実物大試験行ったモデル高架橋北陸新幹線沿線富山市に近い富山県大沢野町舟倉地先設置された。積雪120 cm170 cm試験設備設けられ新幹線スノープラウによる排雪再現した実験が行われた。 さらに、鉄道公団新日本製鐵新たな対策方法として、温水流れパイプ設置したパネルによって融かす消雪パネル開発行った。そして1987年度から1989年度まで飯山市消雪試験場試験実施したその後、「運輸省案」に基づき長野 - 軽井沢間を優先して着工する方針示されたことで、北陸新幹線向けの試験はいったん終了したが、同時期に高速化決定した北越北線一部区間において、鉄道として初め消雪パネル導入することが決定したハード面での対策としては沿線積雪状況周辺地形踏まえて区間ごとに様々な対策取られている。飯山駅 - 金沢駅間では雪害対策のためホーム全体屋根覆われている。 JR東日本管内のうち比較積雪量少な長野までの区間では高架橋軌道下の路盤コンクリート高くし、線路両脇貯める方式採用している。降雪量の多い区間ではスプリンクラーによる散水消雪方式採用されている。飯山エリアでは、東北新幹線実績があり、厳冬期に早期散水が可能となるよう予め送水本管内に温水循環させておく「循環方式」を採用している。一方上越エリアでは、上越新幹線実績があり、散水終了後送水本管内の水抜きを行うことで凍結防止する水抜き方式」を採用している。また、新規導入設備としてトンネル緩衝口端部より5 m幅で散水するトンネル雪庇散水や、下り線側の保守斜路への散水消雪設備導入された。 JR西日本管内では、沿線水源確保できる場合スプリンクラーによる散水消雪採用し困難な場合には高架橋軌道下の路盤コンクリート高くし、線路両脇貯める方式採用している。比較降雪量の多い区間では、高架橋内の降雪を減らすため雪覆い設けた覆式貯高架橋採用されている。貯可能な量を超える積雪予想される糸魚川 - 富山間の黒部地区では、夜間にロータリーモーターカーで高架下投下できる側方開床式貯高架橋採用されている。しかし、道路などがあり高下への投困難な区間では、高架橋拡幅して貯量を増やした閉床式貯高架橋拡幅型)、拡幅困難な場合高架橋のケーブルダクト上に加温した不凍液循環させる温水パネル設置して融雪するなど、周辺環境合わせた対策行っている。また、トンネル間の短い明かり区間にはスノーシェルター設けることで高架橋への積雪防止している。 ソフト面での対策としては、台車からの落雪により地上設備破損することを防ぐため、東京方面直通する列車に対して糸魚川駅上りホームにおいて落とし作業行っている。落とし作業要否については前日降雪予報経験によって判断されていたが、実際に着雪量が少ないため作業不要である事例生じていた。そこでJR西日本人工知能 (AI) を用いて沿線気象状況などから着雪量の推定行い落とし作業要否判断支援するツール導入検討した着雪推定モデル作成にあたってはオープンコンペティション方式活用したそのうち上位3件のモデルをもとに落とし作業要否判断支援するツール開発し実際業務導入している。さらに、画像分析AIによって営業列車着雪量を測定することで、毎年冬に着雪推定モデルの再学習が可能となり、さらなる精度向上が期待される。なお、金沢駅および白山総合車両所でも落とし作業行っている。 上越妙高 - 富山間、富山 - 金沢間のうち、気象条件によって夜間架線雪氷付着する可能性がある区間について、雪氷除去するために始発列車前に110 km/h以下の回送列車払い列車)を運行している。また、北陸新幹線では列車本数少なく激し降雪場合列車間合いにおいて運転中基準積雪量レール面上31 cm)に達すると予想される場合排雪列車として臨時回送列車設定する開業後、実際に4本の排雪列車運転し運転中止を回避している。 2018年1月から2月にかけての大雪平成30年豪雪)により、北陸地方では交通網大きな影響生じた1月下旬大雪による道路通行止め影響で、係員新高岡 - 金沢間の除雪基地にたどり着けない事態発生した。この時は他の区間から除雪車手配することができたが、夜間の除雪作業できないこと翌日新幹線運行大きな影響を及ぼす。そこで、同様の事態が再び起きた場合備えて回送列車用いて除雪基地付近まで係員移動させる案が検討され同年2月上旬には実際に行われた。 さらに、開業以来実施されことはないが、高架橋外への投困難な富山 - 金沢間において上下線で運転中止となるほどの降雪生じた場合単線運転を行うことが可能になっている。単線運転時には下り線を投スペースとして除雪車による除雪行った後、上り線のみを使用する保安装置については通常のDS-ATCではなく代用RS-ATC使用し最高速度110 km/h以下で運転することになる。 建設中金沢駅 - 敦賀駅間では、石川県能美郡川北町福井県あわら市伊井の2か所に除雪基地設けられ冬季基地内に格納した除雪車必要に応じて出動する予定となっている。

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