7日に発生した中国・チベット自治区の地震をめぐり、SNSで拡散された子どもががれきに埋まる動画は、AIで作られたフェイク動画だと判明した。
ほかにも偽の動画が拡散されている状況に、中国のSNSでは批判の声が上がっている。
中国の国営メディアは、デマの拡散などは厳しく責任を追及されるとして、注意を呼びかけている。

がれきの下敷きになった子ども…よく見ると手が不自然

下の写真は、中国・チベット自治区で起きた地震により、がれきの下敷きになった子どもだとして、SNSで拡散されたものだ。

「がれきの下敷きになった子ども」としてSNSで拡散された偽動画
「がれきの下敷きになった子ども」としてSNSで拡散された偽動画
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しかし実際には、AIで作られた偽動画だったことがわかり、物議を醸している。

国営メディアによると126人が死亡、負傷者188人、倒壊した家屋は3600棟以上
国営メディアによると126人が死亡、負傷者188人、倒壊した家屋は3600棟以上

7日、チベット自治区で発生したマグニチュード6.8の地震では、国営メディアによると、これまでに126人が死亡し、負傷者は188人。
倒壊した家屋は3600棟以上にのぼり、4万6000人以上が避難を余儀なくされた。

手の部分に違和感が
手の部分に違和感が

こうした中、毛糸の帽子をかぶった子どもが倒壊した建物の下敷きになったとする動画がSNSで拡散され、大きな関心を集めた。

しかし画像をよく見ると、子どもの手の部分が不自然にも感じられる。

11月にAIで生成されたフェイク動画

中国メディアによると、これは、AIで生成されたフェイク動画で、2024年11月に作られたものだったが、地震後、被災地の映像として、拡散されたという。

動画の拡散に、中国のSNSでは批判の声が噴出している。

中国SNSに批判の声が噴出
中国SNSに批判の声が噴出

中国SNSより:
「災害を目の当たりにしてデマを流すなんて極めて悪質だ」
「とてもいい迷惑だ」
「デマだと判明して終わり?責任の追及は?」

こちらの動画もフェイク
こちらの動画もフェイク

このほか、チベット地震の被災地で、救助隊が赤ちゃんを助け出す感動の場面としてSNSに投稿された映像も、AIで作られたとみられるフェイク動画だった。

中国の国営メディアは、デマの拡散など公共の秩序を乱したものは、厳しく責任を追及されるとして、注意を呼びかけている。
(「イット!」1月10日放送より)

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