歴代79作目の「人生ゲームFIRE」。
出典:タカラトミー
- タカラトミーは、歴代79作目の「人生ゲームFIRE」を10月19日から発売する。
- この新商品は「経済的自立・早期退職」のFIREと情熱の炎(FIRE)がテーマだという。
- 既存の人生ゲームにはなかった為替や地価の要素も取り入れ、今まで以上に深く投資や金融について触れられる内容となっている。
FIREムーブメントの認知は、ますます高まっているようだ。
タカラトミーは10月19日、「人生ゲーム」の歴代79作目となる新商品「人生ゲームFIRE」を発売する。全国の玩具店や玩具売場、ネットショップおよび同社公式通販サイトなどで販売予定だ。
昨今の「人生ゲーム」といえば、世相を切り取る風刺の効いたタイトルがよく話題となる。インフルエンサーとなってお金代わりの”フォロワー”を集める「人生ゲーム+令和版」(2019年)やブラック企業・増税・ネット炎上というキーワードを盛り込んだ「人生ゲーム獄辛(ごくから)」(2014年)などだ。
新たな「人生ゲームFIRE」では、Money Insiderでもよくトピックとして取り上げる「経済的自立・早期退職」のFIREと情熱の炎(FIRE)がテーマ。既存の人生ゲームにはなかった為替や地価の要素も取り入れ、いままで以上に深く投資や金融について触れられる内容となっている。
商品パッケージ。
出典:タカラトミー
「FIREルーレット」で投資に燃える?
ゲームの内容は、玩具メーカーならではの遊び心が詰まっている。
「人生ゲームFIRE」には、通常のルーレットに加え、2つ目のルーレットとなる小さな「FIREルーレット」を設置。これは投資関連のイベントが発生する「投資に燃えマス」に止まった際に回すもので、結果次第で明暗が大きく分かれるという。
投資関連のイベントが発生する「投資に燃えマス」と「FIREルーレット」。
出典:タカラトミー
投資に燃えマスには、「円高?円安?為替が変動!FIREルーレットをまわす。強火:300万円もらう。弱火:600万円はらう。」や「温泉出ないかな?庭をひたすら掘ってみた。FIREルーレットをまわす。強火:60万円もらう。弱火:120万円はらう。」などが用意されている。
我々のよく知っているFIREの基本は、インデックスファンドへの投資で淡々と資産を殖やしていくものだ。だが、このゲームのプレイヤーはFX(外為取引)や温泉開発といったより投機的なチャレンジを好んでいるようである。
独自の”FP”がゲームの勝利に貢献
さらに、この人生ゲーム独自の持ち味として、「FIREポイントカード」(通称:FP)という要素も追加されている。これは「推しの全国ツアーが決定!遠征のため1回休み」「仕事に燃えて業績アップ!200 万円もらう」などの”情熱が燃え上がる”マスに止まるとをもらえるものだ。
このFPはランクアップ・転職・FIREルーレットの回し直しなど、ゲームを有利にすることに役立つ。それ以外にも、最終的な所持数によって進めるゴールが決定するものだ。ちなみに進めるゴールは全部で3種類ある。
FPとはあくまで「FIREポイント」のこと。
出典:タカラトミー
実際のFIREにおいて役立つ”FP”とは、「ファイナンシャルプランナー」のことだったはず。もしかしたら、このゲームにおけるFPは、その暗喩なのかもしれない。
3つあるゴールは、いかなるものか
また、この「人生ゲームFIRE」では、使われる紙幣に初めて「円」が導入される。歴代の「人生ゲーム」では1968年の誕生以来、「ドル」が利用されてきたが、今回は現実世界での新紙幣発行にちなんで、このような対応が取られた。
加えて、職業カードには実際の新紙幣の肖像に選ばれた3名の偉人にまつわる「農業家(渋沢栄一)」「教師(津田梅子)」「細菌学者(北里柴三郎)」も採用している。なお、農業家は後ほど実業家に転身する形になっているという。
ちなみに商品パッケージには、「人生ヒリヒリ!夢アツアツ!」というキャッチコピーが記されている。正直なところ、それはFIREムーブメントの理想とはかけ離れた印象もないわけではない。だが、子どもたちの認知を獲得するにはこのくらいの誇張が必要なのだろう。
いずれにせよ、3つ用意されているという、このゲームのゴールがいかなるものになるのか楽しみだ。
※本記事は、2024年6月24日初出の記事に一部修正を加え、再掲したものです。