[ Steem report Vol.10 ] Steem blockchainのベースとなるGrapheneについて
Blockchainと聞いて真っ先に思いつくのは
Bitcoin ベース
Ethereum ベース
の2つからなるBlockchainだという方がほとんではないでしょうか?
その他にも、Waves、Stellar、NEO、NEM など多くのベースとなるプロジェクトがありますが、Steemはというと
Graphene ベース
で作られたBlockchainになります。
あまり聞いたことがないという方が多いかもしれませんが、調べてみるとその歴史は古く、2015年にBitSharesという分散型金融プラットフォームで採用されたのが始まりで、Ethereumと並びBlockchain黎明期から使われてきたベース技術なんです。
今回は、このGrapheneとはどんなものかについて解説していきたいと思います。
1. Grapheneとは?
GrapheneとはBitShares、Steem、EOSと様々なブロックチェーンプロジェクトの開発者で知られるDaniel Larimerが立ち上げたCryptonomex社によって開発されたオープンソースのソフトウェアです。
最大の特徴は、毎秒1,000トランザクションの処理を可能にし、ブロックチェーンのスケーリング問題を解決する技術です。また、Grapheneソースは幾度もバージョンアップを重ねており、各プロジェクトに適応したさまざまなバリエーションが存在しています。(BitSharesではGraphene 2.0、SteemではChainBase といったリブランドを採用)
・開発元:Cryptonomex
・言語:C/C++
・Github:graphene
・Documentation:Graphene Technical Documentation
BitShares、Steem のトランザクション処理の違い
-BitShares:毎秒100,000トランザクション
金融プラットフォームとするBitSharesではVISAとMasterCardを組み合わせた場合よりも毎秒多くのトランザクションの処理を可能にしています。
https://bitshares.org/technology/industrial-performance-and-scalability/
-Steem:毎秒10,000トランザクション
サーバー容量と通信プロトコルの比較的単純な改善によって容易に毎秒10,000トランザクション以上に拡張
※Steem Whitepaper
2. SteemでGrapheneを採用する理由?
SteemはSteemit、DLive、Dtubeといったトランザクションが膨大に発生するAppが動くことを前提にしているため、BitcoinやEthereumと比べて秀でたトランザクション処理が可能なGrapheneとの相性がいいといえます。
※Blockchain別トランザクション処理比較※
・Bitcoin:毎秒5,8トランザクション
・Ethereum:毎秒21.7トランザクション
Steemで発生した直近のトランザクション数
https://steemdb.com/
今時点で毎秒16.123トランザクションのため、Steem上のAppがさらに増えて現状のおよそ600倍のトランザクションになっても耐えられるような計算になりますね。
トランザクションが可視化できるサードパーティ
Steemit Pond
https://steemit.com/steemit/@mynameisbrian/steemit-pond-a-real-time-visualization-of-steemit-activity-with-a-twist
3. Graphene上のプロジェクト
主要プロジェクト
BitShares:分散型金融プラットフォーム
Steem:ソーシャルメディアプラットフォーム
Golos:Steemからフォークしたロシア圏内向けのSteem
PeerPlays:eSportsトーナメントと賭博プラットフォーム
Decent:コンテンツ配信プラットフォーム
Muse:グローバル著作権データベースプラットフォーム
EOS:分散型アプリケーションプラットフォーム
SteemDBからSteem以外のプロジェクトのトランザクション状況を見ることができます。
GrapheneエコシステムMap
https://steemit.com/bitshares/@pnc/graphene-ecosystem-mapping
※Graphene Ecosystem Mapping(@pnc)
4. 2018 Global Graphene Developer Conference
Graphene系エンジニアが集まるカンファレンスも開催されているようです。今回のイベントでは、Steemから@xanoxtも参加されていたようですね。
https://www.bagevent.com/event/1297890
5. 今後のblocchainエコシステム
まだまだ発展途上のblocchain分野において、今後様々なサービスがblocchainに置き換わっていったとき、
- Bitcoin エコシステム
- Ethereum エコシステム
- Graphene エコシステム
といった風に、blocchainの特性を生かしたエコシステムがそれぞれ出来上がっていくかもしれませんね。
□ INDEX
[ Steem report Vol.1 ] STEEM / Steemit / Steem 意外と知らない3つの違いって?
[ Steem report Vol.2 ] 意外と知らない Steem Blockchain の仕組みについて
[ Steem report Vol.3 ] Steem の報酬設計とコミュニティに与える影響ついて
[ Steem report Vol.4 ] インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計について
[ Steem report Vol.5 ] Steemの「投票」システムについて
[ Steem report Vol.6 ] Steem経済圏を活性化させる3つのトーキング設計と活用の仕組み
[ Steem report Vol.7 ] スケーリング問題を解決するSteemのDPOSについて
[ Steem report Vol.8 ] Steemのアカウント管理の仕組みについて
[ Steem report Vol.9 ] July 4th is steem's birthday!
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その他ご質問事項がありましたらTwitterでDMください
https://twitter.com/moromaro6
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とても勉強になります😊
ありがとうございます!
こちらこそ!いつも有益なデータ参考にしてます〜
DPOSのプロジェクトがオンチェーンスケーリングの際に使うブロックチェーンデータベース技術、という感じですかね。
DPOSとか関係なく使う場合もあるのですかね?
まさに、あくまでオンチェーンでの話になります。というか今のところまともなセカンドレイヤーが実装していない以上、スケーリングを解決するにはGrapheneベースのBlockchian一択ですね。今のところはですが、、
GrapheneはDpos前提のものですね。DanはブロックチェーンでDACを実現しようとしていて、その理想形がDposと考えてるようです。そこで鍵になるのが投票システムというわけです。
ありがとうございます!
やはりGrapheneはDPoSとセットですね。
しかしDPoSの投票システムの中央集権性をどう分散に持っていけるかがテーマですね。
DPoS×Graphene:スケーリング→分散
Ethereum:分散→スケーリング
逆のアプローチでそれぞれどうなるのか?面白いテーマです。
知っておくべきことを分かりやすく教えて頂きありがとうございます!とても勉強なりました^ ^
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hi @moromaro san, I notice that you are an active user in the JP community of steemit and I am very interested in knowing more about how you guys are doing there so if it's alright with you, can you let me know some way to contact you in private? like telegram?
thanks, deanliu from taiwan