昨年10月のResort Ownerのレコ発 のためにロケーター移動用のmax for liveデバイスを自作し、このたび正式にリリースした。 アレンジメントビュー使用時にセットリストを設定でき、ボタン1つで「次の曲」にジャンプできるというもの。
使い方は次のような感じ。
- アスタリスク(*)から始まるロケーターが移動対象になる。
- セットリストはテキストボックスに入力する。これはロケーター名と一致させる必要がある。つまりアスタリスクから始まる。
- セットリストにおいて、ロケータ名と一致しない行はコメントとして無視される。
- Popupボタンを押すことでSetHavenが最前面で開き続ける。
モチベーション
Ableton liveはライブ演奏に最適なセッションビューというモードがある。しかしどちらかというと歌モノを作っている自分にとってはセッションビューが慣れず、ライブ演奏時にもほぼアレンジメントビューを使っている。
(余談だがこのtofubeats氏の動画のおかげでそこそこ複雑なライブセットをアレンジメントビューで組むことができた。素晴らしすぎ)
Ableton Liveのロケーター機能は非常に 貧弱 シンプルで、Live自体がそこまで力を入れていないように感じる。
ロケーターを曲の頭出しとして使う時に困るのが、曲順入れ替えにくい問題だ。
コピペを駆使して人力で入れ替えることはできるが、曲順を試行錯誤したいとき不便である。また、演奏中に使う以上、ボタン1つでミスなく次の曲を指すロケーターに飛びたい。 *1
これ系のプラグインは実際いくつかあるのだが、自分がやりたいことをシンプルに実現するものがなかったため今回自作した。競合比較は以下。
AbleSet
セットリスト並び替え、歌詞やコードのカンペ、iosなどにも同期、なんでもござれのすごそうなやつ。149$に尻込みしてしまい購入に至らず。機能過多な感は否めず。
使用アーティストにデペッシュモードとかいるけどほんとう?
Taz シリーズ
1万くらいで購入。結果としてバグりまくっており全く使えないという結末に……
Backing Tracks
ミツビシさんに教えてもらったやつ。置いてあるmidi noteによって再生が止まるかどうかとか設定できて機能充実してる。セットリストの並び替えが思ったような操作性でなく難しい。
というのをコンパクトに解決したSetHavenですよ
- セットリストの表現がただのテキストなのでコピペが容易
- Popupボタンで最前面に固定表示でき実際のライブ用途にも🙆
- 「進む」「戻る」しか機能がないシンプルさ
ぜひ使ってみてください。
余談 : 開発困った点
Maxが独特すぎる
メッセージを投げ合うようにパッチをつなげていくスタイル、正直最後まで良くわからなかった...
エディタ
ロジック部分を書くのが発狂しそうだったので一部JavaScriptで実装。途中まで任意のエディタで編集する方法がわからず、prettierなどももちろん無い環境でグローバル変数ゴリゴリ入ったコードを編集していくのに苦労した。
バージョン管理問題
助けてほしい。gitがなくてしんどかった。コードをミスって無限ループを作ってしまってデバイスウィンドウ立ち上がらなくなったときは詰んだかと思った。 gitのdiffみやすくする君 なども存在しているっぽいが、そもそもファイルの保存場所が暗黙的で管理がしにくい問題がある。定期的に雰囲気でファイルコピペしてなんとかやっていた。
*1:個人的なこだわりとしては、特定の小節に来たら勝手にジャンプするというよりも曲間の雰囲気も合わせてすこし幅を持たせて任意のタイミングでジャンプしたかった