西鉄700形電車
西鉄700形電車 | |
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700形電車(2006年1月) | |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 (2M2T) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流1,500V |
編成定員 | 580名(座席232名) |
車両定員 |
制御車 - 140名(座席56名) 中間車 - 150名(座席60名) |
編成重量 | 121.9t |
全長 | 19,500 mm |
全幅 | 2,740 mm |
全高 |
4,060 mm パンタグラフ搭載車4,220 mm |
車体 | 普通鋼 |
主電動機 | 三菱MB-3189-A 135kW |
歯車比 | 83:18 |
編成出力 | 135 × 8 = 1080kW |
制御装置 | 抵抗制御 三菱ABFM-188-15MDH |
制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-D) |
保安装置 | 西鉄型ATS |
西鉄700形電車(にしてつ700けいでんしゃ)とは、西日本鉄道(西鉄)天神大牟田線・太宰府線で使用されていた通勤形電車である。
概要
[編集]大牟田線(当時)用として1972年(昭和47年)11月、2代目600形の最終製造車となる631-681編成と同時に製造された3扉通勤車である。後に登場した5000形に反映される4両固定編成の試作車という意味合いが強く、製造は1本のみという少数車両となった。
編成は1M方式を採用している600形に対し、2両ユニット電動車方式の2M2T方式を採用していた。
2006年(平成18年)5月8日付けで3000形に置き換えられ廃車となった。
構造
[編集]車体・車内設備
[編集]車体外観は600形と基本的には同一であるが、600形は全車が運転台付きで製造されたのに対して、700形では編成中2両を運転台なしの中間車としており、中間車については600形をもとに新たに設計している。
塗装は、製造当初は当時の西鉄一般車両標準のクリーム色とあずき色のツートンカラーであったが、後に5000形と同様、アイスグリーンを基調にボンレッドの帯を巻いたものに変更された。前照灯は600形の後期型と同様に正面貫通扉上に2灯が設置されていたが、1977年(昭和52年)には600形と同様に前照灯・尾灯の形状および設置位置の変更、前面・側面上部への自動方向幕の設置が実施されている(改造内容の詳細は600形の項を参照)。
車内の座席はすべてロングシートとなっている。冷房装置は当初未搭載(準備工事のみ)で落成したが、600形631編成とともに製造後間もない1972年12月に冷房装置が設置され、大牟田線初の冷房付き車両となった[1]。定員は先頭車140人、中間車150人となっている。
600形の後期車と同様、先頭車は新造当初から前面下部にスカートを装着した。
台車・機器
[編集]台車は631編成同様のKW-7(電動車)/KW-8(付随車)となっているが、この台車の採用はこの2編成のみにとどまった。
制御方式は600形と同じく抵抗制御であるが、600形では1つの制御装置で4台(電動車1両分)の主電動機を制御する1C4M方式であったのに対して、700形では1つの制御装置で8台(電動車2両分)の主電動機を制御する1C8M方式とした。この方式は、後に登場する2000形や5000形にも採用されることとなる。
集電装置は西鉄の車両で初の下枠交差式パンタグラフとなった。
形式・編成
[編集]大牟田方からク701 - モ702 - モ703 - ク704の4両編成となっている。形式は制御車がク700, 中間電動車がモ700である。
- ク701:制御車 (Tc1) 、大牟田方先頭車、空気圧縮機(C-1000LA×2基)設置
- モ702:中間電動車 (M1) 、パンタグラフ・主制御器設置
- モ703:中間電動車 (M2) 、電動発電機(CLG-350E×1基、120kVA)設置
- ク704:制御車 (Tc2) 、福岡(天神)/太宰府方先頭車
運用
[編集]600形と共通運用とされた。700形単独での普通運用が多かったが、時に600形と併結して6・7両編成を組み、普通のほか特急・急行にも使用された。5000形の増備が進んだことにより、600形と同様に定期運用がなくなり予備運用とされ、他形式が検査・故障などで運用から外れる際に運用に入るのみとなっていた。
画像ギャラリー
[編集]-
電動車用のKW-7台車
-
モ700の銘板
脚注
[編集]- ^ 山本魚睡・松島克広 『日本の私鉄16 西鉄』 保育社、1982年、pp.40-41