コンテンツにスキップ

自動オルガン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中央に「デカップ・ダンス・オルガン “ケンペナー”」1938年 、ベルギー王国 デカップ社製(ROKKO森の音ミュージアム

自動オルガン(じどうオルガン)、ないし、機械オルガン(きかいオルガン、英語: mechanical organ)は、音楽家が演奏するのではなく、自動で音楽を演奏するオルガン[1]である。

解説

[編集]

自動オルガンはパイプオルガンの一種ではあるが、ハーモニウムリードオルガン)に用いるものと同様のリードを用いて製造されるものもある[2]1950年代以降、一部の自動オルガンは音を作り出すために電子的技術を取り込んでいるが、全体的には機械仕掛けや空圧システムが用いられている。

もともと、自動オルガンの音楽は、バレルと呼ばれる大きな回転胴に、多数のピンを配置することで保存された[2]。こうした構造の自動演奏楽器は、バレル・オルガンと呼ばれる。このオルガンは、記録できる曲数という意味でも、曲の演奏時間の長さという意味でも、限られたわずかな数のレパートリーしか奏でることはできなかった。

1890年代ブック・ミュージック (book music) が発明された。これによって、演奏する楽曲の時間の長さには制約がなくなった[3]。また、バレル・オルガンよりも楽器の大きさは小さくなり、音楽の操作もずっと簡単になって、より多様な音楽が演奏されるようになった。

一部の自動オルガンでは、(折りたたみ式の)ブック・ミュージックではなく、(巻き取り式の)ミュージック・ロール (music roll) が操作に用いられる。

自動オルガンは、おもにレストランホール、海外ではカルーセルメリーゴーランドなどに使用されている。アメリカメリーゴーランドミュージアムのメリーゴーランドがその例。

ダンスオルガン (Dansorgel) と呼ばれる最大級の自動オルガンの中には、高さ5m、横幅13mほどに及ぶものもある[4]

演奏手順の記録、再生方法は前述の通りにより変化しており、1990年代からは、半導体メモリに記録された記録をMIDIによって操作されるものも製造されるようになっている。

自動オルガンのために作曲されたおもな楽曲

[編集]

モーツァルトの作品

[編集]

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲した主な作品

脚注

[編集]
  1. ^ Ord-Hume, Arthur W. J. G. Claire (1978). Barrel organ: the story of the mechanical organ and its repair. A. S. Barnes. p. 25. https://books.google.co.jp/books?id=ocYXAQAAIAAJ&redir_esc=y&hl=ja 2012年6月12日閲覧。 
  2. ^ a b 自動オルガン”. オルゴールの小さな博物館. 2014年6月12日閲覧。
  3. ^ From Carillon to IBM; The musical roots of information technology, 1. The development of the punched card”. Jan Koster. 2014年6月13日閲覧。
  4. ^ オルガンホール(自動オルガンの部屋)”. 河口湖オルゴールの森. 2014年6月12日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]