樽沢トンネル
樽沢隧道 | |
概要 | |
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路線 | 吾妻線 |
位置 | 群馬県 |
座標 | 北緯36度33分50.2秒 東経138度43分21.2秒 / 北緯36.563944度 東経138.722556度座標: 北緯36度33分50.2秒 東経138度43分21.2秒 / 北緯36.563944度 東経138.722556度 |
現況 | 用途廃止 |
起点 | 群馬県吾妻郡東吾妻町 |
終点 | 同上 |
運用 | |
開通 | 1946年(昭和21年)4月20日 |
閉鎖 | 2014年(平成26年)9月24日 |
所有 |
東日本旅客鉄道(JR東日本) →国土交通省 |
通行対象 | 鉄道車両 |
技術情報 | |
全長 | 7.2 m |
軌道数 | 1(単線) |
軌間 | 1,067 mm |
電化の有無 | 有(直流1,500 V) |
樽沢トンネル(たるさわトンネル)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)吾妻線の岩島駅 - 川原湯温泉駅間の旧線上に存在するトンネルである。山の出っ張りを掘り抜いたもので、全長7.2 mの日本一短い鉄道トンネルとされていた[1]。トンネルを含む廃線跡は、2020年(令和2年)7月中旬より「吾妻峡レールバイクアガッタン」のコースとして、足漕ぎ式トロッコが通過するアトラクション施設として利用されている[2]。
歴史
[編集]戦時中の突貫工事により作られたトンネルであり、1946年(昭和21年)の長野原線(当時)開通時にトンネルも完成。通常この程度の長さの岩場ならば、切り崩すか切り通しとすることが多いが、この岩場ではトンネルが造られた。上毛新聞がJR東日本高崎支社へ行った取材によると、トンネルにした理由として岩盤が固かったためくり抜いたという説や、トンネルの上に立つ一本松の景観が素晴らしかったので残したなどの諸説があるが、いずれも定かではないという[3]。
八ッ場ダムの建設に伴い、吾妻線の岩島駅 - 長野原草津口駅間のうち水没する予定の区間を含む約10.4 kmが付け替えられた。切換工事に伴い、2014年9月24日をもって旧線での営業運転を終了し、10月1日からは新ルートによる営業運転が開始された[4]。旧線上の樽沢トンネルはダムサイトより下流にあるため水没を免れるものの、付け替えに伴い用途廃止となった[1]。なお現行ルートの岩島駅 - 川原湯温泉駅間は、旧線より南側の山中を八ッ場トンネル(全長4,489 m)で通過しているため、車窓から樽沢トンネルを望むことはできない。
本トンネルの廃止後、JRで最も短い鉄道トンネルは西日本旅客鉄道(JR西日本)呉線の川尻トンネル(広島県呉市、全長8.7 m)[5]となった[6]。
2020年(令和2年)7月中旬より、樽沢トンネルを含む廃線跡の区間約1.6 kmを利用し、「吾妻峡レールバイクアガッタン」として足漕ぎ式のトロッコで走ることのできるアトラクションとして供用が開始された。その後ダム近辺まで延長され、往復約55分を要する。[7]。
アクセス
[編集]吾妻線岩島駅から国道145号(旧道)に沿って約4 km西に進んだところに位置する。ただし2014年11月18日より付近の国道は車両通行止めとなっており[8]、トンネルまでの約1 kmは歩行者のみ通行可能となっている。このため、車両でアクセスする場合、対岸にある十二沢パーキングに車両を停め、徒歩で猿橋を渡ってアクセスするルートをとることになる。
脚注
[編集]- ^ a b さらば「日本一短い鉄道トンネル」…ダム建設 読売新聞(YOMIURI ONLINE)、2014年9月18日
- ^ “町の再生 振興策で加速 八ッ場ダム完成、観光施設の開業相次ぐ”. 東京新聞 (2020年9月1日). 2020年9月1日閲覧。
- ^ 2014年9月20日付、『上毛新聞』1面に掲載の特集記事による。
- ^ 八ツ場ダム建設で水没するJR吾妻線 - 写真特集 Asahi Shimbun Digital[and]、2014年7月10日
- ^ JR東日本管内のトンネルでは、五能線の仙北岩トンネル(青森県西津軽郡深浦町、全長9.5 m)が最短となる。
- ^ 井上怜 (2014年9月21日). “「日本一短い鉄道トンネル」引退へ 群馬のJR吾妻線”. 朝日新聞デジタル 2014年9月21日閲覧。
- ^ “吾妻峡レールバイク アガッタン 営業案内”. 吾妻峡レールバイク アガッタン(東吾妻町自転車型トロッコ). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “国道145号の一部区間供用廃止について(2014年11月14日登録)”. 長野原町. 2018年12月閲覧。
関連項目
[編集]- 青函トンネル - 日本国内最長の鉄道トンネル。