本の雑誌社
本の雑誌社 | |
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正式名称 | 株式会社 本の雑誌社 |
種類 | 株式会社 |
法人番号 | 2011201005033 |
設立日 | 1976年4月(株式会社化は1980年7月) |
本社郵便番号 | 〒101-0051 |
本社所在地 |
東京都千代田区神田神保町1-37 友田三和ビル5F |
外部リンク | http://www.webdoku.jp |
https://twitter.com/Hon_no_Zasshi |
本の雑誌社(ほんのざっししゃ)は、目黒考二、椎名誠、沢野ひとし、木村晋介によって設立された出版社。
事務所(会社)所在地は東京都新宿区四谷(1979年〜)、新宿区信濃町(1980年3月〜、7月に株式会社化)[1]、新宿区新宿五丁目(1983年〜)、新宿区新宿御苑前(1989年〜)、渋谷区笹塚(1993年〜)、東京都千代田区神田神保町(2012年6月〜)[2]。
書評を中心に本と活字にまつわる様々な話題を扱った月刊『本の雑誌』(書籍扱い。当初は季刊。隔月刊をへて月刊化した)を1976年4月より発行している。1980年7月に株式会社となる(発起人は椎名誠、目黒考二、沢野ひとし、社長は目黒考二、会計監査が木村晋介[3])。また、『本の雑誌』の連載コラムの書籍化や、執筆者の書き下ろし本、本に関する独自企画本を刊行している。すべての出版物において、特例を除き書店からの返品を受けない、完全売切制をとっている。
『本の雑誌』について
[編集]沿革
[編集]1976年4月、「書評とブックガイド」を標榜するミニコミ誌(初号印刷部数は500)としてスタートする。椎名のコラムの独特の文体や、従来の書評誌にはなかったエンタテインメント志向、独自視点の特集、新しい連載執筆者の発掘などで好評を得る。1984年に「活字のコラムマガジン」に転針する。
当初は「季刊」と称する不定期刊だったが、1979年5月に隔月刊化、1987年に「特小号」発行、1988年5月号から月刊化した。
創刊号の編集兼発行人は目黒考二。2号より編集人・椎名誠/発行人・目黒考二体制となる。実質的に編集発行人を務めた目黒考二が2001年に退任、二代目発行人に浜本茂が就任した。
2008年12月発売の『本の雑誌』2009年1月号において、経営危機にあることが公表された(椎名誠のコラム『今月のお話』及び浜本茂の編集後記)。
椎名は2011年1月号をもって編集人から退き、浜本が名実ともに編集発行人となった。顧問だった目黒も退任した。
掲載コラム
[編集]各号の特集記事以外の連載(2020年現在)
- 本棚が見たい!(巻頭写真ページ)
- その出版社、凶暴につき 四谷熱血「本づくり」黄金時代(田代靖久)
- マンションポエム東京論(大山顕)
- SF音痴が行くSF古典宇宙の旅(高野秀行)
- 新旧いろいろ面白本(椎名誠)
- 新刊めったくたガイド(北上次郎ほか)
- 続・棒パン日常(穂村弘)
- ミステリー春夏冬中(宇田川拓也)
- アルパカ文庫堂(内田剛)
- 本は人生のおやつです!!(坂上友紀)
- SF新世紀(山岸真)
- マンガ落穂ひろい(田中香織)
- 毎日でも通いたい古本屋さん(小山力也)
- 迷子の読書(べつやくれい)
- マガジン多誌済々(下井草秀)
- 一私小説書きの日乗(西村賢太)
- 生き残れ!燃える作家年代記(鈴木輝一郎)
- 黒い昼食会
- ユーカリの木の蔭で(北村薫)
- 憧れの住む東京へ(岡崎武志)
- 私がロト7に当たるまで(宮田珠己)
- モーター文学のススメ(速水健朗)
- マルジナリアでつかまえて(山本貴光)
- 坪内祐三の読書日記(坪内祐三)
- 連続的SF話(鏡明)
- 南の話(青山南)
- そばですよ(平松洋子)
- 鬼花――鬼刑事・花篤好美(中場利一)
- 三角窓口
- 書籍化までy光年(円城塔)
- 東京ロシアンルーレット(江部拓弥)
- 行間の広い本棚(石川美南)
- サイコドクターの日曜日(風野春樹)
- ホリイのゆるーく調査(堀井憲一郎)
- 神保町物語外伝(沢野ひとし)
『本の雑誌』以外の出版物
[編集]「別冊本の雑誌」
[編集]本の雑誌に掲載された文章をまとめたものや、独自の企画など。
- ブックカタログ1000 さあ新しい書物探検の夜明けだ夜明けだ 1982.2
- 読み物作家100人集 1982.6
- ブックカタログ1000 PART2 1982.12
- 恋愛小説読本 ブックガイド&エッセイ 1983.6
- ブックカタログ1000 PART3 1981.12
- 活字中毒者読本 1984
- 「本の雑誌」傑作選 1988.8
- 「本屋さん」読本 1989.6
- 三角窓口傑作選 1991 1991.2
- 活字探偵団 1994.10
- 「本の雑誌」傑作選 風雲篇 1995.11
- 「三角窓口」傑作選 1997 1997.3
- 図書館読本 2000.1
- 新恋愛小説読本 2001.2
- SF本の雑誌 2009.7
- 古本の雑誌 2012.10
- 本屋の雑誌 2014.5
- 本の雑誌おじさん三人組が行く! 2017.3
- 古典名作本の雑誌 2017.8
- 10代のための読書地図 2021.7
- 本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎 2023.9
- 神保町 本の雑誌 2023.11
「本の雑誌増刊」
[編集]- おすすめ文庫王国 - 1999年から2019年まで毎年12月に出版されている。ただし、2011年度版は2010年に2010-2011として出版された。
- 本屋大賞 - 2004年以降、毎年4月に出版されている。
「本の雑誌編集部」編の本
[編集]- 特集・本の雑誌1 出版業界篇 1995.11 角川文庫
- 特集・本の雑誌2 ブックガイド篇 1995.11 角川文庫
- 特集・本の雑誌3 活字の愉しみ篇 1995.11 角川文庫
- 匿名座談会 業界人が初めて語った舞台裏 1998.2
- 編集稼業の女たち 1998.9
- 新・匿名座談会 2000.10
- 活字探偵団 増補版 2000.1 角川文庫 別冊本の雑誌「活字探偵団」の増補版
- 本の業界 真空とびひざ蹴り 2001.6
- 日本読書株式会社 2001.9
- 注文の多い活字相談 新日本読書株式会社 2002.9
- よりぬき読書相談室 2003.7
- よりぬき読書相談室 特盛すこぶる本編 2004.6
- 作家の読書道 2005.10
- よりぬき読書相談室 どすこい幕の内編 2006.7
- 作家の読書道2 2007.8
- よりぬき読書相談室 みだれ打ち快答編 2007.9
- よりぬき読書相談室 疾風怒濤完結編 2008.10
- 作家の読書道3 2010.5
- 完全復刻版「本の雑誌」創刊号〜10号BOXセット 2015.5
- この作家この10冊 2015.8
- ベスト10本の雑誌 2017.5
- 絶景本棚 中村規写真 2018.2
- ニッポンの本屋 2018.5
- 旅する本の雑誌 2018.7
- 下戸の夜 2019.6
- 働くわたし 2019.8
- この作家この10冊 PART2 2019.10
- 手のひら1 問いからはじまる 2020.03
- つくるたべるよむ 2020.03
- 絶景本棚2 中村規写真 2020.08
- 手のひら2 問いからはじまる 2020.12
- 社史・本の雑誌1 本の雑誌風雲録 2021.06
- 『本の雑誌』創刊45周年を記念して、目黒考二「本の雑誌風雲録」と椎名誠「本の雑誌血風録」を収録。また、表紙一覧や和田誠・装丁劇場をカラーで掲載し、45年目の特別寄稿や社員鼎談、写真館、年譜等も併載する。
- 社史・本の雑誌2 付録の本の雑誌 2021.06
- カラーグラフ 表紙の本の雑誌/和田誠・装丁劇場/本の雑誌の45年/本の雑誌写真館/再録・節目の本の雑誌 など
- 本屋、ひらく 2023.5
関係者と助っ人
[編集]『本の雑誌』の創刊は、椎名、目黒の他に、当時『漫画アクション』編集者の本多健治(のちに双葉社取締役)もかかわっていた。また、最初に採用された社員は木原ひろみ(のちの群ようこ)一人だった。
初期の『本の雑誌』は、契約書店への直接持ち込みにより配本されていた。目黒によって組織された学生たちの配本部隊は、アルバイトではなく「助っ人」と呼ばれた。
のちのマガジンハウス編集者で、女優本上まなみの夫である沢田康彦も助っ人出身。また、お笑い演芸専門誌『カジノフォーリー』の編集長を務めた、竹本幹男も助っ人出身。
助っ人出身者は他に、白夜書房営業部藤脇邦夫、写真家の上原ゼンジ、翻訳家の那波かおり、岩本正恵、絵本作家の本下いづみ、ジャズ評論家の富澤えいち、書評家の吉田伸子、イラストレーターの福井若恵、小学館の編集者の徳山雅記(ステレオグラム本を多数刊行。現「ドラえもんルーム」担当)、編集者・ライターの河上進(南陀楼綾繁)、落語家の柳家喬之助などがいる。上原と吉田はのち、本の雑誌社の社員になった。
当時の助っ人にアルバイト代は出ず、見返りは、出前をとって空腹を満たすことであった[1]。
その他の関係者
[編集]実話の漫画化
[編集]椎名誠と目黒考二が中心となって『本の雑誌』を立ち上げる経緯を描く漫画『黒と誠』(カミムラ晋作著)が、2022年7月から双葉社のWeb文芸マガジン「カラフル」で連載開始された。 双葉社には、『漫画アクション』編集部の本多健治が、かつて『本の雑誌』の創刊に関わっていたこと、『黒と誠』の企画を担当した編集者が、学生時代に本の雑誌社の助っ人だったという縁がある。[5]。
参考文献
[編集]- 目黒考二『本の雑誌風雲録』本の雑誌社 1985.5 - 本の雑誌の創刊までと、初期の「助っ人部隊」との交流の記録。
- 群ようこ『別人「群ようこ」のできるまで』文藝春秋 1985.12 - 群ようこが「本の雑誌社」に勤務して、エッセイストになるまでの記録。
- 椎名誠『本の雑誌血風録』朝日新聞社 1997.5 - サラリーマンだった椎名等が『本の雑誌』を創刊するまでを描く。
- 椎名誠『新宿熱風どかどか団』朝日新聞社 1998.9 -『本の雑誌』創刊から、椎名他のメンバーがメジャーになっていく様を描く。
- 本の雑誌編集部編『社史・本の雑誌 創刊45周年記念』2021.6
出典
[編集]- ^ a b 目黒考二『本の雑誌風雲録』
- ^ 2016年3月24日(木)新宿地下街マップ
- ^ 椎名誠『新宿遊牧民』(講談社文庫)P.66
- ^ “吉永小百合、国枝慎吾らに菊池寛賞”. スポーツ報知 (2015年10月14日). 2015年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月14日閲覧。
- ^ https://twitter.com/kamimurake/status/1547511153382699009
関連項目
[編集]- 青木まりこ現象 - 41号(1985年)《いま書店界を震撼させる「青木まりこ現象」の謎と真実を追う》初出。
- SFクズ論争 - 1997年3月号の特集「この10年のSFはみんなクズだ!」が発端となった。