宇和島運転区
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宇和島運転区(うわじまうんてんく)は、愛媛県宇和島市錦町の宇和島駅構内にある四国旅客鉄道(JR四国)の運転士が所属する組織である。2022年3月ダイヤ改正までは車掌も所属していたが、ダイヤ改正に伴い車掌業務は松山運転所に移管された[1]。
国鉄時代には車両配置があったが、現在はない。略号は「四ウワ」(四国総局の「四」に宇和島を示す「ウワ」)であった。
四国で唯一、扇形庫が現存する(後述)。
歴史
[編集]- 1914年(大正3年)10月18日 - 宇和島鉄道の機関庫として創設。
- 1933年(昭和8年)8月1日 - 宇和島鉄道が国有化され、軽便車両の承継と併せて官設鉄道の宇和島機関庫となる。
- 1936年(昭和11年)9月 - 宇和島機関区に改称。
- 1941年(昭和16年)3月 - 新線建設および改軌工事用にC12形蒸気機関車が配置される。
- 1970年(昭和45年)3月 - 内子線貨物無煙化により蒸気機関車の運用が終了。
- 1984年(昭和59年)月日不明 - 宇和島運転区に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、四国旅客鉄道に継承。
- 2022年(令和4年)3月12日 - 車掌業務を松山運転所へ移管。
扇型庫の存廃問題
[編集]宇和島運転区の扇形庫は1941年に建設され、転車台(1937年設置)と共に当時運用されていたC12形蒸気機関車などの運用拠点として使用されていた。無煙化後使用機会は大きく減少し、現在ではイベント列車などが使用する程度である。このためJR四国は、扇形庫と転車台について使命を終えたとし、土地の売却のために解体するとしている。これに対し、愛媛県などで建造物の保存と活用に取り組む有志らの団体が、JR四国から転車台と扇型庫を含む売却予定の土地を借り受け、アトリエなどとして再活用する計画を打ち出しているが、資金不足で実現できるかどうか不明である[2][3]。
JR四国と一般社団法人「床下土風」(京都市)の間で定期借地契約を結ぶ協議が行われたが、2022年6月末までの契約締結には至らなかった[4]。そのため台風の季節を前に飛散防止工事が行われ、屋根や外壁を撤去し骨組みのみが残されることになった[4]。
出典
[編集]- ^ JR四国労組ニュース No.10 - 四国旅客鉄道労働組合(2021年11月10日)、2022年5月25日閲覧
- ^ 宇和島駅近くの「扇形庫」が消滅の危機 再活用に向けたプロジェクトが進行中 - 鉄道コム(2022年5月24日)、2022年5月25日閲覧
- ^ 取り壊し危機の鉄道遺産、地域交流の場に再生へ 四国唯一の扇形機関庫 - TRAICY(2022年5月30日)、2022年5月30日閲覧
- ^ a b “宇和島のJR扇形車庫、台風に備え工事始まる 屋根や外壁撤去”. 愛媛新聞. 2022年8月27日閲覧。