和製喧嘩友達
和製喧嘩友達 | |
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Fighting Friends | |
タイトル | |
監督 | 小津安二郎 |
脚本 | 野田高梧 |
出演者 |
渡辺篤 吉谷久雄 浪花友子 |
撮影 | 茂原英雄 |
製作会社 | 松竹蒲田撮影所 |
配給 | 松竹キネマ |
公開 |
1929年7月5日 2001年10月13日 (ポルデノーネ無声映画祭) |
上映時間 | 77分(現存14分) |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『和製喧嘩友達』(わせいけんかともだち)は、1929年(昭和4年)7月5日公開の日本映画である。松竹キネマ製作・配給。監督は小津安二郎。モノクロ、スタンダード、サイレント、77分。
リチャード・ウォレスが1927年(昭和2年)に発表した喜劇映画『喧嘩友達』を下敷きに、「コンビ喜劇を巧みに和製化」したものである[1]。初回興行は浅草の帝国館で、併映作品は伊藤大輔監督・市川右太衛門主演の『一殺多生剱』[2]。
本作は長年にわたって現存しない作品とされていたが、1997年(平成9年)に新潟県の宇賀山正昭家からパテベビー用の9.5mmフィルムによる短縮編集版(14分尺)が発見された。宇賀山は東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈し、同センターにより35mmフィルムに復元する作業が行われた。2001年(平成13年)には、同プリントが第20回ポルデノーネ無声映画祭で上映された[3]。小津安二郎生誕100年を迎えた2003年(平成15年)にはデジタル復元が行われ、同年12月25日に松竹が発売した『小津安二郎 DVD-BOX 第四集』の「特典ディスク」に収録された。本作の脚本は、同年4月に発行された『小津安二郎全集 上』(新書館)に収録されている[4]。
あらすじ
[編集]留吉(渡辺篤)と芳造(吉谷久雄)は、親しい仕事仲間、貧しいゆえに2人でルームシェアをしているトラック運転手である。あるとき偶然、身寄りのない娘・お美津(浪花友子)と出逢う。住むところのないお美津が2人の長屋に転がり込み、お美津はかいがいしく家事をしてくれるが、2人の男の間では、恋の鞘当てが始まる。やがて、留吉・芳造の長屋の近くに住む学生・岡村(結城一朗)と、お美津が相思相愛であったのだ、という現実を、留吉・芳造は知ることとなる。お美津と岡村をさわやかに見送る留吉・芳造であった。
スタッフ
[編集]キャスト
[編集]ギャラリー
[編集]-
お美津(浪花友子)をめぐってついに喧嘩。左・吉谷久雄、右・渡辺篤
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左から浪花友子、結城一朗、吉谷久雄、渡辺篤
脚注
[編集]- ^ 発掘された映画たち1999「和製喧嘩友達」、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月5日閲覧
- ^ 一殺多生剣、日本映画データベース、2013年2月5日閲覧
- ^ WASEI KENKA TOMODACHI、 ポルデノーネ無声映画祭 、2013年2月5日閲覧
- ^ 小津安二郎全集 上、国立国会図書館、2013年2月5日閲覧
参考文献
[編集]- 『日本映画俳優全集・男優編』、キネマ旬報社、1979年10月23日
- 『芸能人物事典 明治大正昭和』、日外アソシエーツ、1998年11月 ISBN 4816915133
- 『小津安二郎全集 上』、小津安二郎、編井上和男、新書館、2003年4月
- 「『和製喧嘩友達』のデジタル復元」、常石史子、『NFCニューズレター』52号(2003年12-2004年1月号)所収、東京国立近代美術館フィルムセンター、2003年12月