井上道義
井上 道義 | |
---|---|
ファイル:Michiyoshiinoue.jpg | |
基本情報 | |
生誕 | 1946年12月23日(77歳)[1] |
出身地 | 日本・東京都[1] |
学歴 | 桐朋学園大学[1] |
ジャンル | クラシック |
職業 | 指揮者 |
担当楽器 | 指揮 |
活動期間 | 1971年 - |
公式サイト | 井上道義 オフィシャルサイト |
井上 道義(いのうえ みちよし、1946年12月23日[1] - )は、日本の指揮者・ピアニスト・作曲家。2007年1月から2018年3月までオーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督、2014年4月から2017年3月まで大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を、それぞれ務めた。2024年に引退予定[2]。
略歴
[編集]東京生まれ[1]。実の父はアメリカ人であり、育ての父が亡くなった数年後の45歳のとき母に問うたところ、アメリカ人であることを知った。父母ともに子供が外国人との間に生まれた子であったことを周囲に隠していたという[3][4]。父はアメリカ合衆国生まれで、祖父は広島県からの移民[5]。
成城学園出身[6]。ピアノを室井摩耶子、山岡優子に学ぶ[7][8]。また、バレエを益田隆に学び[要出典]、服部智恵子・島田廣にも師事した[8]。桐朋学園大学で、指揮を齋藤秀雄に学ぶ[1]。レパートリーは幅広く、古典はもちろん、他の指揮者があまり取り上げない類の近現代の音楽も、積極的に演奏会プログラムに入れている[9]。
コルンゴルトの歌劇「死の都」をコンサートオペラ形式で日本初演を行った[10][11]。 2007年1月よりオーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督、ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドバイザーに就任。ラ・フォル・ジュルネ金沢を含む多くの実験的企画を敢行した。北陸朝日放送で334週にわたり音楽番組「アン・ディー・ムジーク」の監修、を行って地方へのクラシック音楽の日常化に努めた。2014年より大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を3年間務めた。その間、バーンスタインのミサ、舞台再演等で数多くの受賞があった。マーラーやショスタコーヴィチの交響曲の指揮者として評価を得ている[12]。2007年11月から12月にかけて日比谷公会堂にてショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会を行った。新日本フィル時代から数多くのオペラの演出上演も行っているが、近年ではバルトークの「青髭公の城」の名演出が話題となり、マスカーニのオペラ「イリス」[13]で、2009年三菱UFJ信託銀行文化財団賞を受賞。近年ではオーケストラ作品の作曲活動も行っている。これまでにシカゴ響や、ミュンヘン・フィル、フランス国立管など世界的オーケストラを指揮している。
2014年4月から咽頭がん治療のため、活動休止を告知[14]したが、10月に復帰会見をし、現在多忙な演奏活動を行っている[15]。
2024年9月から現役最後となる歌劇「ラ・ボエーム」が全国7都市(東京、名取、京都、兵庫、熊本、金沢、川崎)で上演されている[16]。
略歴
[編集]- 1971年 ラ・スカラ主催グィード・カンテッリ指揮者コンクール優勝。
- 1977年 - 1982年 ニュージーランド国立交響楽団首席客演指揮者。
- 1983年 - 1988年 新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督。
- 1990年 大阪ザ・シンフォニーホール国際音楽賞クリスタル賞を受賞。
- 1990年 - 1998年 京都市交響楽団音楽監督兼常任指揮者。
- 1991年 第9回中島健蔵音楽賞を受賞。
- 1998年 フランス政府より芸術文化勲章「シェヴァリエ」を受賞。
- 1999年 - 2000年 マーラーの交響曲全曲演奏会を新日本フィルハーモニー交響楽団と行った。
- 2000年 - 2003年 新日本フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者。
- 2007年 オーケストラ・アンサンブル金沢ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドヴァイザー音楽監督に就任。
- 2007年 日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト を東京・日比谷公会堂にて開催。
- 2009年 指揮を担当した東京芸術劇場「イリス」のプロダクション[13]が、三菱UFJ信託銀行音楽賞奨励賞 を受賞。
- 2010年 平成22年京都市文化功労賞、および社団法人企業メセナ協議会 音もてなし賞を受賞。
- 2011年 日本人として初めて、朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団の定期演奏会に客演。
- 2013年 3月再び北朝鮮に渡り、日本人ソリスト2人と共にベートーベンの交響曲第9番の同国初演を行う[17]。
- 2014年 4月 大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者への就任披露公演[18]。就任披露演奏会直後、咽頭がんの療養に入るが同年10月に復帰。
- 2015年 全国共同制作オペラ「フィガロの結婚」(野田秀樹演出)を総監督として指揮し、10都市6オーケストラ14公演の巡回公演を行う[19][20]。
- 2016年 第24回「渡邉暁雄音楽基金」特別賞、東燃ゼネラル音楽賞を受賞。
- 2016年 7月 首席指揮者として大阪フィルハーモニー交響楽団の第500回定期演奏会の指揮者を務める。演奏曲目等の詳細は大阪フィルハーモニー交響楽団の年譜(2016年)を参照。
- 2017年 3月 大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を退任。
- 2018年 3月 オーケストラ・アンサンブル金沢ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドヴァイザー音楽監督を退任[21]。
- 2018年 9月 日本ベトナム修交45周年コンサートをホーチミンとハノイでNHK交響楽団と行った。
- 2023年 第54回サントリー音楽賞を受賞。
- 2024年 9月~11月 歌劇「ラ・ボエーム」を全国7都市(東京、名取、京都、兵庫、熊本、金沢、川崎)で上演[16]。
- 2024年 11月30日 首席指揮者を務め、約250回(井上道義公式サイトによる)に及ぶ演奏会を重ねた大阪フィルハーモニー交響楽団との最後の演奏会となる「井上道義ザ・ファイナル・カウントダウン vol.5(最終回)」をザ・シンフォニーホールにて開催。終演後会場はスタンディングオベーションで長きにわたった井上と大フィルとの共演を讃えた。
家族
[編集]妻はホールMUSICASA主宰[22]の黒田珠世[23]。義父はコクヨ創業者一族で同社常勤監査役を務めた黒田敏之助で、同社創業者黒田善太郎の次男。
関連書籍
[編集]『降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集』(2023年2月/三修社)ISBN 978-4384068016
CM
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f PROFILE 井上道義オフィシャルサイト - Michiyoshi Inoue Official Site 2013年9月
- ^ “2024年末に引退します。”. www.asahi.com. www.asahi.com (2023年1月10日). 2023年1月11日閲覧。
- ^ 「どれを聴く?」迷ったら→井上道義・ショスタコーヴィチ交響曲 コメント 2007年11月 井上道義オフィシャルサイト
- ^ 2001年3月13日、『徹子の部屋』出演時の当人の発言による。
- ^ 「30代で『実父は米国人』と知らされた指揮者 井上道義」『私の戦後70年』北海道新聞社、2015年 ISBN 978-4-89453-803-0, 204-209頁。
- ^ 成城学園初等学校 学校紹介 OB・OG紹介
- ^ 「(語る 人生の贈りもの)井上道義3「指揮者になる」消去法で決めた」『朝日新聞』2022年11月17日。オリジナルの2022年11月21日時点におけるアーカイブ。2024年1月20日閲覧。
- ^ a b “井上道義が語る〜鎌倉、ブルックナーvol.1”. spice (2016年3月9日). 2023年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月20日閲覧。
- ^ 指揮者・井上道義インタビュー 「敷居の高さはね、クラシック音楽にはやっぱりあるんですよ。でも入りにくさっていうのは、奥深さにも通じることです」 チケットぴあ
- ^ “20世紀の傑作オペラ「死の都」の日本初演 びわ湖ホールと新国立劇場が激突”. 日本経済新聞. (2014年2月10日) 2017年2月5日閲覧。
- ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
- ^ “ロシア伝統の響き 井上道義が指揮/19日高松”. 四国新聞. (2013年4月18日). オリジナルの2013年4月19日時点におけるアーカイブ。 2023年12月12日閲覧。
- ^ a b 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
- ^ 【大切なお知らせ】指揮者 井上道義の病状について 2014/04/30 KAJIMOTO
- ^ “指揮者の井上道義さんが復帰会見 がんを治療、活動再開”. 朝日新聞デジタル. (2014年10月3日). オリジナルの2014年11月3日時点におけるアーカイブ。 2023年12月12日閲覧。
- ^ a b “井上道義が現役最後に取り組むオペラ《ラ・ボエーム》が秋に全国7都市で公演”. ontomo-mag.com. 2024年9月26日閲覧。
- ^ 平壌の人民劇場で「第9」初演 日朝が共演 2013/03/08 17:56 共同通信
- ^ 井上道義×大阪フィル! 熱狂沸きあがる首席指揮者就任披露公演のライヴ録音が登場 CDジャーナル 11月17日(月)16時22分配信
- ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
- ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
- ^ OEK:音楽監督の井上氏、退任へ 来年3月、後任は未定 /石川毎日新聞
- ^ 伊東乾 左手で弾くピアノとTwitter(ツイッター)の出会い――舘野泉の挑戦と、魂を伝えるメディアの新たな可能性 2010年3月2日 日経ビジネスオンライン
- ^ 道義より近況報告 *2014年6月7日 井上道義オフィシャルサイト
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 指揮者 井上道義 オフィシャルウェブサイト
- 所属事務所のプロフィール
- オーケストラ・アンサンブル金沢 - 公式サイト
- 大阪フィルハーモニー交響楽団 - 公式サイト
- 交響曲 第7番 イシカワ パラフレーズ - 石川新情報書府
先代 - ※ |
大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者 2014–2017 |
次代 (未定) |