コンテンツにスキップ

レヴォリューションNO.3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レヴォリューションNo.3』は、2001年10月に講談社より発行された金城一紀による日本の小説青春小説。ゾンビーズ・シリーズ第一作目の作品。

「レヴォリューションNo.3」 は「小説現代」1998年5月号に掲載され、その年の小説現代新人賞を受賞した。続編の「ラン・ボーイズ・ラン」 が同誌の98年12月号に掲載されたのち、出版時に「異教徒たちの踊り」が書き下ろしとして、収録された。

続編には、「フライ,ダディ,フライ」「SPEED」そして本書の「レヴォリューションNo.3」の前日譚にあたる作品「レヴォリューションNo.0」がある。

秋重学による漫画版が「ヤングサンデー」にて連載された。後に秋重学は「フライ,ダディ,フライ」の漫画版も担当している。

レヴォリューションNo.3
著者 金城一紀
装幀・装画 加藤伸吉
発行日 2001年10月1日
発行元 講談社
ジャンル 青春小説
日本
言語 日本語
形態
ページ数 277
コード ISBN 4-06-210783-X
ウィキポータル 文学

あらすじ

[編集]

「レヴォリューションNo.3」

[編集]

「君たち、世界を変えてみたくはないか?」 生物の授業中、先生から、突然に発せられた言葉に感化されたオチコボレ男子高生徒が、優れた遺伝子を残そうと、お嬢様学校に通う女子高生とカップルを成立させるため、あの手この手で難攻不落の学園祭への潜入を試みる……

「ラン・ボーイズ・ラン」

[編集]

リーダーであったヒロシのお墓参りと、知り合いになった女子高生との卒業旅行を兼ねて、沖縄へ渡航する計画するが、メンバーのお金を管理させていた山下が、何者かの襲撃に遭い、メンバーがバイトで貯めた大切なお金を奪われてしまう……

「異教徒たちの踊り」

[編集]

ストーカー行為に悩む美人女子大生のボディーガードをゾンビーズが請け負うが、そのストーカーは意外な人物だった……

登場人物

[編集]

ゾンビーズの主要メンバー

[編集]

朴 舜臣 - ケンカが滅法強い問題児だが、読書家で成績も良い。一部教員からは、その個性を愛されている。在日朝鮮人。

板良敷ヒロシ - ゾンビーズのリーダー的存在。

南方 - 本書におけるストーリー・テラー

萱野 - 家庭の事情で普段はバイトに忙しい。しかし聖和女学院の学園祭当日だけはバイトを休む。

山下 - 史上最弱のヒキを持つ男。失敗談多し。

佐藤・アギナルド・健 - 通称 アギー 4カ国の血を引くハンサム。幅広い知識と顔で、情報屋、よろず相談などを請け負う。普段は同級生とは群れたりしない。

高校関係者

[編集]

米倉 - 通称Dr.モロー 生物教師 彼の発言に感化されたことにより、ゾンビーズと呼ばれる生徒の高校生活は、活気づいてゆく。

猿島 - 通称マンキー 体育教師 体罰を振るうなど、生徒から人望が無い。

その他の登場人物

[編集]

吉村恭子 - 女子大生。ストーカー被害に悩み、ゾンビーズのメンバー・井上の姉に相談する。「異教徒たちの踊り」に登場。

ランボーさん - 日雇い労働の元締め。ゾンビーズの連中に割のいい仕事を紹介してくれる。日系二世の元・ベトナム帰還兵。

登場する施設・学校

[編集]

ゾンビーズの通う男子校 校名は作中で明らかにはなっていない。

ムード・インディゴ ゾンビーズの溜まり場のジャズ喫茶。マスターはゾンビーズの理解者だが、彼等にジャズ知識が無い事を嘆いている。

聖和女学院 秘密の花園と称されるお嬢様学校。ゾンビーズの通う男子校の生徒は、やむを得ない場合を除き、女学院の生徒の半径5m以内に近づいてはならないという、アメリカのストーカー規制法のような不文律がある。

脚注

[編集]

関連項目

[編集]
  • トレイシー・ローズ - ゾンビーズの通う学校では誰もが知る女優。
  • 親ガチャ - 子供は親を選べない(親の経済状況や家庭環境によって人生が決定される)ことを揶揄するネットスラング。本作はそこから、いかに”努力で人生を変えるか?”が、物語のテーマとなっている。
  • (2003年) - 金城一紀の『対話篇』に収録されている短編が原作の映画作品。ゾンビーズシリーズと一部登場人物がリンクしている。
  • 青春アドベンチャー - 本作のラジオドラマ化作品が、『レヴォリューションNo.3』のタイトルで2003年3月31日から4月11日NHK-FM放送「青春アドベンチャー」枠にて放送された(全10話)[1]

脚注

[編集]