メイツ星人
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メイツ星人 | |
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ウルトラシリーズのキャラクター | |
初登場 | 『帰ってきたウルトラマン』第33話 |
演 | 植村謙二郎(初代) |
メイツ星人(メイツせいじん)は、『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンメビウス』に登場する架空の異星人。別名は宇宙調査員。
『帰ってきたウルトラマン』に登場するメイツ星人
[編集]メイツ星人 | |
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別名 | 宇宙調査員 |
身長 | 2.1 m[出典 1] |
体重 | 68 kg[出典 1] |
出身地 | メイツ星[出典 2] |
『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」に登場。
メイツ星から地球の風土や気候の調査にやってきた人間に友好的な宇宙人。地球人の姿になって
- 演:植村謙二郎(金山十郎)
- 頭部マスクは米谷佳晃がデザインしたゼラン星人の流用。米谷は、流用された件については現場処理によるものであり、メイツ星人としてのデザインは存在しないと推測している[8]。
- 本話の内容は関東大震災の際に起きた朝鮮人の虐殺がヒントになっており、脚本を執筆した上原正三は同じく迫害を受けていた琉球人として他人事と思えなかったことを述べている[9]。また、「金山」という姓は在日コリアンに多いものを名乗らせたもので、良は北海道江差出身のアイヌという裏設定があったことを、後年に明かしている[10]。監督を務めた東條昭平は、脚本から返還前における沖縄の人々の心情がひしひしと伝わってきて、それを大切にしようと思ったと述べている[11]。
- 差別・人権問題を扱った本話はウルトラシリーズの中でも陰惨なエピソードとして有名であり、同作の脚本を手がけた上原によると当時は「局内から『これは放送してはいけないんじゃないか』という声もあった」という[12][13]。また、内容の陰惨さからTBS側が納品を拒否し、制作側が編集をやり直したという[14]。予告では良の前を少女が泣きながら走るシーンや、街に出た彼に人々が石を投げるシーンがあるが、前述の理由から本編ではカットされている。
- 金山が住むバラックは、河原に実在していたものをほぼそのまま使用している[15]。
- 脚本では、市民の前に現れる際は宇宙人の姿であった[6]。当初の撮影では、金山は竹槍で刺されて殺害されるという展開であったが、TBS側からの要請を受けて警官が銃を撃つシーンが追加された[16][11]。東條は、金山が殺害される場面について、憎しみの象徴としての残虐性を狙ったことで竹槍による殺害を考えていたと述べている。また、劇中で雨の中のシーンとなったのは東條の意向ではなく、撮影中に偶然雨が降ってきたからである[16]。
- 中学教師でもある評論家の神谷和宏は、後年に生徒たちへの教育の一環として本話を授業で観賞させたうえで感想を書かせており、その様子は2006年放送の報道番組『筑紫哲也 NEWS23』 (TBS) でも取り上げられたという[17]。
メイツ星人ビオ
[編集]メイツ星人ビオ | |
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別名 | 宇宙調査員 |
体長 | 2.1 m[18][19] |
体重 | 68 kg[18][19] |
出身地 | メイツ星[20] |
『ウルトラマンメビウス』第32話「怪獣使いの遺産」に登場。
GUYSのドキュメントMATにデータが記録されているメイツ星人の息子で、地球人と和平を結ぶ使者と偽って円盤に乗って来訪してきた宇宙人。父を殺された恨みから、地球人への深い憎悪を秘めている。
当初はまだ、ウルトラマンメビウス / ミライに「地球とメイツ星の問題に干渉しないで欲しい」と語るなど憎悪を抑えており、平和的解決のための話し合いを行おうとするが、ミライの身を案じて早まったリュウに腕を撃たれたことから、憎悪を再燃させる。かつての父の死に対する賠償として、「地球の大陸の20%をメイツ星に譲渡しなければ攻撃を行う」と一方的に交渉を迫るが受け入れられず、回答を待とうとさえせずに宇宙船とゾアムルチによる攻撃を開始する。やがて、ビオの父と共に生活した良とかつて出会っていたという、コノミの勤めていた保育園の園長による説得や、その教えを受けた子供たちが見せた優しさに思いとどまると、感知済みの憎悪のままに暴れるゾアムルチを倒すことをメビウスに嘆願する。ゾアムルチが倒された後、自分の行動を悔い改めたリュウとミライに見守られながら地球を去る。
- 演:吉田智則(人間態、回想シーンでのビオの父も担当)
- デザイン:酉澤安施
- スーツは当初、おしゃれな若者らしいモヒカン姿としてデザインされたが、造型が難しいためにNGとなった[21]。
- 小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では、地球に来た経緯が異なる。メイツ星でも触れてはならないとされた父の悲劇を忘れさせないために独断で地球に侵入し、父を殺した犯人やその協力者の引き渡しを迫るなど、一方的な交渉を行う。最終的にはゾアムルチを封印して地球に滞在し、CREW GUYSにユーゼアルの情報を提供する。
脚注
[編集]- ^ a b c 白書 1982, p. 173, 「帰ってきたウルトラマン 怪獣リスト」
- ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 107
- ^ a b ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 38, 「帰ってきたウルトラマン 全怪獣」
- ^ a b c 大辞典 2001, p. 323
- ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 51
- ^ a b c キャラクター大全 2015, pp. 82–83, 「EPISODE-33 怪獣使いと少年」
- ^ UPM vol.04 2020, p. 23, 「怪獣、侵略宇宙人、怪人、怪生物」
- ^ 米谷佳晃『華麗なる円谷特撮デザインの世界 ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス 1971〜1973』講談社、2014年4月14日、41頁。ISBN 978-4-06-364953-6。
- ^ キャラクター大全 2015, p. 138, 「帰ってきたウルトラマン証言集2 上原正三」.
- ^ “対照的な2人のウルトラマン 沖縄出身の脚本家・上原正三さんが挑んだタブー”. 沖縄タイムス+ (沖縄タイムス社). (2016年3月27日) 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b 「スーパー戦隊制作の裏舞台 東條昭平」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1988 超獣戦隊ライブマン』講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年4月10日、33頁。ISBN 978-4-06-509615-4。
- ^ 『TV Bros』(東京ニュース通信社)平成15年3月1日号12ページ
- ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 上原正三」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1975 秘密戦隊ゴレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年3月24日、31頁。ISBN 978-4-06-509616-1。
- ^ キャラクター大全 2015, p. 131, 「新たなるウルトラマンの創造 6・名作、問題作の数々」.
- ^ アーカイブ・ドキュメント 2007, p. 79, 「ウルトラマンメビウス白書 八木毅」
- ^ a b 大全 2003, p. 297, 「第5章 戦いの記録 監督・チーフ助監督 東條昭平」
- ^ 木谷誠 (2015年5月3日). “中学の授業で『ウルトラマン』 生徒たちはそのテーマをいかに考察したのか?”. ダ・ヴィンチWeb. KADOKAWA. 2024年11月19日閲覧。
- ^ a b “hicbc.com:ウルトラマンメビウス 怪獣図鑑”. CBC. 2020年11月8日閲覧。
- ^ a b UPM vol.05 2020, p. 23, 「宇宙怪獣、怪獣、高次元捕食体、宇宙人」
- ^ 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 338
- ^ アーカイブ・ドキュメント 2007, p. 61.
出典(リンク)
[編集]参考文献
[編集]- ファンタスティックコレクション(朝日ソノラマ)
- 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日。雑誌コード:67897-80。
- 宇宙船編集部 編『ウルトラマンメビウス アーカイブ・ドキュメント』円谷プロダクション 監修、朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクションNo.∞〉、2007年6月30日。ISBN 978-4-257-03745-3。
- てれびくんデラックス愛蔵版シリーズ(小学館)
- 『ウルトラ怪獣大全集』小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984年9月10日。ISBN 4-09-101411-9。
- 『ウルトラマンメビウス超全集』小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2007年5月22日。ISBN 978-4-09-105113-4。
- 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8。
- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
- 白石雅彦、荻野友大 編『帰ってきたウルトラマン大全』双葉社、2003年1月15日。ISBN 978-4-575-29494-1。
- 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』円谷プロダクション監修、小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2。
- 講談社 編『キャラクター大全 帰ってきたウルトラマン パーフェクトファイル』講談社〈キャラクター大全〉、2015年10月15日。ISBN 978-4-06-219562-1。
- 講談社シリーズMOOK ウルトラ特撮 PERFECT MOOK(講談社)
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.04《帰ってきたウルトラマン》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2020年8月25日。ISBN 978-4-06-519974-9。
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.05《ウルトラマンメビウス》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2020年9月10日。ISBN 978-4-06-520800-7。
- 「最大問題作「怪獣使いと少年」 琉球人・上原正三の怒り」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2010年1月18日。2022年11月15日閲覧。