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マツバウンラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マツバウンラン
Linaria canadensis
Linaria canadensis
(2007年4月27日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: キンギョソウ連 Antirrhineae
: マツバウンラン属 Nuttallanthus
: マツバウンラン N. canadensis
学名
Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton (1988)[1]
シノニム
英名
Canada toadflax, oldfield toadflax

マツバウンラン(松葉海蘭、学名: Nuttallanthus canadensis)は、オオバコ科[注 1]マツバウンラン属一年草または二年草。葉の形が松葉、花がウンラン (Linaria japonica) に似ていることからこの名がついた[3]

形態・生態

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1年生ないし2年生の草本[4]。全体に無毛[4]は細くて束生し、高さは20 - 60センチメートル (cm) になる[4]。根元から数本の小枝を横に伸ばす[4]は根本付近のものは3 - 4枚ほど輪生し、直立茎のものはまばらに互生する[4]葉身は幅1 - 2ミリメートル (mm) で細長く、やや厚みがある[4]

花期は初夏(4 - 6月)[4]。茎の先端に2 - 4 mmの花柄がついて穂状につき、紫色のを咲かせる[4]は長さ2.5 mmで、深く5裂する[4]花冠は横向きで、萼片の間から長い尾状のを後方に突き出す[4]。花冠の先は5裂し、上の2裂片は反り上がり、下方の3列片は前方に出るが、そのうちの真ん中の列片だけが途中から折れ返る[4]果実蒴果)は径3 mmの球形で、種子は0.4 mmほどの大きさである[4]

分布

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北アメリカ原産[4]日本国内では、中井源によって1941年(昭和16年)に初めて向島にて発見され、和名が名付けられた[4]。その後本州四国及び九州に帰化し、日当りの良い場所に生える。近畿地方を中心に瀬戸内海沿岸にかけて広がりを見せている[4]

下位分類

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変種オオマツバウンラン (N. canadensis var. texana) がある。マツバウンランに比べて花が大きく、中央の白斑がないのが特徴。

脚注

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注釈

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  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではオオバコ科(Plantaginaceae)に分類されるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)に分類される[1]

出典

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Nuttallanthus canadensis マツバウンラン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Linaria canadensis (L.) Dum.Cours. マツバウンラン(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  3. ^ 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本 : handy & color illustrated book : 収録数550種超!』秀和システム、2006年。ISBN 4-7980-1485-0 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 長田武正 1976, p. 106.

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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