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ヘアニネ・アニェス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘアニネ・アニェス
Jeanine Áñez

(2020年)

任期 2019年11月12日2020年11月8日
副大統領 なし

任期 2019年11月12日 – 同日中に退任

ボリビアの旗 ボリビア多民族国
上院第2副議長
任期 2019年1月18日 – 2019年11月12日
上院議長 アドリアナ・サルバティエラ英語版
任期 2015年1月19日2016年1月20日
上院議長 ホセ・アルベルト・ゴンザレス

出生 (1967-08-13) 1967年8月13日(57歳)
ベニ県サンホアキン英語版, ボリビアの旗 ボリビア
政党 社会民主運動英語版
出身校 ホセ・バリビアン・ベニ自治大学
配偶者 タベオ・リベラ(元夫)
ヘクトル・エルナンド・ヒンカピエ(現夫)
子女 カロリーナ・リベラ英語版(長女)
署名

ヘアニネ・アニェス・チャベススペイン語: Jeanine Áñez Chávez [ɟʝaˈnine ˈaɲes ˈt͡ʃaβes] ( 音声ファイル), 1967年8月13日 - )は、ボリビアの女性政治家、弁護士、元ラジオパーソナリティ。同国上院議長、上院副議長、暫定大統領を歴任した。

幼少期から弁護士になるまで

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故郷のサンホアキン英語版で7人兄弟の末子として誕生。両親は教師であったものの、家は貧しく、電気や水も使用できる時間が少なかったという。しかし、アニェスは幼少期は美しい自然に囲まれながら自由だったと語っている[1]

トリニダのホセ・バリビアン自治大学で弁護士試験を受けるために法律の学位を取得[2]。アニェスは政界進出を果たす前はラジオパーソナリティを務めていた。2011年、ラジオパーソナリティでの経験を生かし、上院議員に当選したことで政界進出を果たす。

暫定大統領就任まで

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2019年10月に行われた大統領選で再選されたエボ・モラレス大統領が不正問題で辞任。同時に副大統領と上院議長も辞任したため、上院副議長であったヘアニネ・アニェスが憲法で規定する継承順位第一位となり、上院議長に就任後、同年11月12日に暫定大統領に就任した[3]

暫定大統領として

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2019年12月30日、メキシコスペイン外交官5人をペルソナ・ノン・グラータに指定して国外追放とした。メキシコ大使館に逃げ込んだモラレスの側近に、スペインの外交官が接近しようとしたことに対する処分[4]

2020年に入りボリビア国内でも新型コロナウイルスの感染が拡大したため、3月22日には国民に対し2週間にわたり24時間自宅待機することを呼び掛けた[5]。また、ウイルス関連では、同年5月20日、人工呼吸器の購入をめぐる汚職容疑で保健相を更迭した[6]。7月9日には自らが新型コロナウイルスに感染したことを公表[7]。8月27日に職務復帰が発表された[8]

当初、大統領選挙の仕切り直しは5月に予定され、アニェスのほか前大統領派の野党候補が立候補を予定していた。アニェスに対しては強権的な政治手法や人工呼吸器の汚職問題に批判が集まっていたが、選挙はコロナウイルスの影響で2度に渡り延期され、後に10月18日の実施となった[9]。自身の支持率が低迷したことから、モラレス系候補を当選させないよう票の分散を防ぐため、9月17日に大統領選挙への立候補を取りやめると発表した[10]。2020年11月8日にモラレス派のルイス・アルセが大統領に就任したことに伴い、大統領代行を退任。

2021年3月13日、2019年のモラレス退陣について、暫定政権の閣僚らとともに「クーデター」に関与した疑いをかけられて逮捕された[11]。8月20日、政府所在地ラパス郊外などで2019年11月に反政府デモ隊20人が治安部隊に殺害された事件で、ジェノサイドの罪などで起訴された[12]。21日、アニェスは収監中の刑務所内で自殺未遂騒ぎを起こした。政府高官は、容体は「安定している」と語った。アニェスの家族は「深刻なうつ状態だ」と主張している[13]

脚注

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  1. ^ Corz, Carlos (2020年6月13日). “Áñez cumple 53 años arropada por ministros y presionada por la ley de elecciones” (スペイン語). La Razón (La Paz). オリジナルの2022年1月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220131031301/https://www.la-razon.com/nacional/2020/06/13/anez-cumple-53-anos-arropada-por-ministros-y-presionada-por-la-ley-de-elecciones/ 2024年9月27日閲覧. "Áñez nació el 13 de junio de 1967 en San Joaquín, en el departamento de Beni." 
  2. ^ “Bolivia: quién es Jeanine Áñez Chávez, la mujer que quedó al mando de la transición” (スペイン語). El Cronista (Buenos Aires). (2019年11月10日). オリジナルの2022年1月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220131032438/https://www.cronista.com/internacionales/Bolivia-quien-es-Jeanine-Anez-Chavez-la-mujer-que-quedo-al-mando-de-la-transicion-20191110-0019.html 2024年9月28日閲覧。 
  3. ^ ボリビアのアニェス上院副議長、暫定大統領就任を宣言”. AFP (2019年11月13日). 2020年6月2日閲覧。
  4. ^ ボリビア、メキシコ大使とスペイン外交官らに国外退去命じる”. AFP (2020年3月31日). 2020年6月2日閲覧。
  5. ^ 全国で2週間の隔離措置、1日24時間の在宅要請”. CNN (2020年3月22日). 2020年6月2日閲覧。
  6. ^ ボリビア保健相、人工呼吸器購入めぐる汚職容疑で逮捕”. AFP (2020年5月21日). 2020年6月2日閲覧。
  7. ^ Trigo, Maria Silvia; Kurmanaev, Anatoly (2020年7月9日). “Bolivia President, Jeanine Añez, Tests Positive for Coronavirus” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2020/07/09/world/americas/bolivia-president-jeanine-anez-coronavirus.html 2020年7月10日閲覧。 
  8. ^ ボリビア暫定大統領、職務復帰 新型コロナを克服”. 日本経済新聞 (2020年7月29日). 2020年8月26日閲覧。
  9. ^ ボリビア、大統領選再延期 コロナ拡大で”. 日本経済新聞 (2020年7月24日). 2020年8月26日閲覧。
  10. ^ 暫定大統領、立候補取りやめ 左派復権阻止で―ボリビア”. 時事通信 (2020年9月18日). 2020年9月22日閲覧。
  11. ^ “前暫定大統領を逮捕 「クーデター」関与容疑―ボリビア”. 時事ドットコム (時事通信社). (2021年3月13日). https://web.archive.org/web/20210313132052/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031300534&g=int 2021年3月13日閲覧。 
  12. ^ 「虐殺」で前暫定大統領を起訴 反政府デモ隊20人死亡―ボリビア 時事ドットコム 2021年8月21日配信 2021年8月21日閲覧
  13. ^ “元暫定大統領、自殺未遂 収監中「うつ状態」に―ボリビア”. 時事ドットコム (時事通信社). (2021年8月23日). https://web.archive.org/web/20210823120743/https://www.jiji.com/sp/article?k=2021082300818&g=int 2021年8月23日閲覧。 
公職
先代
エボ・モラレス
ボリビアの旗 ボリビア多民族国大統領
大統領代行
2019年 - 2020年
次代
ルイス・アルセ