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シタツンガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シタツンガ
シタツンガ
シタツンガ(オス) Tragelaphus spekii
保全状況評価
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[1]
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
亜科 : ウシ亜科 Bovinae
: ネジツノレイヨウ族
Strepciserotini
: ブッシュバック属 Tragelaphus
: シタツンガ T. spekii
学名
Tragelaphus spekii
Sclater, 1863
和名
シタツンガ
英名
Sitatunga, Marshbuck

シタツンガ学名Tragelaphus spekii)は、ウシ目(偶蹄目)ウシ科ブッシュバック属に分類される偶蹄類。

分布

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アンゴラウガンダガボンカメルーンガンビアギニアギニアビサウケニアコンゴ共和国コンゴ民主共和国ザンビアスーダンセネガル赤道ギニアタンザニアチャド中央アフリカ共和国ナイジェリアナミビアブルキナファソブルンジベナンボツワナモザンビークルワンダ

形態

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体長140-170cm。肩高75-125cm。体重50-125kg。メスよりもオスの方が大型になる。背面には6-10本の横縞が入る。

蹄は長く幅がある。これにより面積が大きくなり体重を分散させることで、泥の上でも体が沈むことなく移動することができる。

オスの体毛は灰褐色で、メスの体毛はオスよりも明るい褐色。オスは太いやや湾曲した角を持つ。

分類

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亜種は諸説あるが、今泉(1988)に従う。なお、和名は今泉に、英名はJosé(2016)従う。

T. s. gratus ガボンシタツンガ Western Sitatunga

 中部アフリカ赤道以北周辺と一部ガンビア周辺に生息する。白斑は個体差が大きい。後脚が長く猫背に見える。角は1〜2回捻れる。

T. s. spekeii ニアンザシタツンガ East African Sitatunga

 南スーダン〜タンザニアに生息する。オスは灰褐色、メスは鮮やかな赤褐色である。蹄が長く、角は半〜1回捻れる。

T. s. sylvestris ヌコシシタツンガ Nkosi Island Sitatunga

 ニアンザシタツンガに近い亜種で、ヴィクトリア湖セセ諸島英語版ヌコシ島に生息する。食物が制限されているためか、体と角が小さい。

T. s. selousi ザンベジシタツンガ Zambezi Sitatunga

 コンゴ南部からコンゴ民主共和国中央部、ザンビアタンガニーカ湖南端、ナミビアボツワナ北部などの湿地環境に生息する。オスは茶色がかった灰色、メスは濃い褐色。斑点はオスがなく、メスはあっても微か。角は1~1.5回捻れる。

生態

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湿地ヨシ原等に生息する。夜行性。群れは形成せず、単独もしくはペアで生活する。危険を感じると走って逃げたり水中に飛びこむ。水中では鼻先だけを水面に出して、外敵が立ち去るまでやり過ごす。

食性は植物食で、アシスゲ等)等を食べる。

繁殖形態は胎生で、1回に1頭の幼獣を産む。

画像

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脚注

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  1. ^ IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Tragelaphus spekii. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.

参考文献

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  • 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、103頁。
  • 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、108-113頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館、2002年、96頁。
  • 今泉吉典 「ブッシュバック亜科の分類」『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1988年、19-21頁。
  • José R. Castelló (2016). "BOVIDS of the World Antelopes, Gazelles, Cattle, Goats, Sheep, and Relatives". PRINCETON UNIVERSITY PRESS PRINCETON AND OXFORD. pp. 572-577