オリバー・ウィリアムソン
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新制度派経済学 | |
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生誕 |
1932年9月27日 ウィスコンシン州, スペリオル |
死没 | 2020年5月21日(87歳没)カリフォルニア州, バークレー |
国籍 | アメリカ合衆国 |
研究機関 |
(機関) カリフォルニア大学バークレー校 イェール大学 ペンシルヴァニア大学 |
研究分野 | ミクロ経済学 |
母校 |
カーネギーメロン大学 (Ph.D. 1963年) スタンフォード大学 (M.B.A. 1960年) マサチューセッツ工科大学(MIT) (B.S. 1955年) |
影響を 受けた人物 |
チェスター・バーナード ロナルド・コース Richard Cyert イアン・ロデリック・マクニール ハーバート・サイモン |
影響を 与えた人物 | ポール・ジョスコウ |
受賞 |
ジョン・フォン・ノイマン賞 (1999年) ノーベル経済学賞 (2009年) |
情報 - IDEAS/RePEc |
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オリヴァー・イートン・ウィリアムソン(Oliver Eaton Williamson、1932年9月27日 - 2020年5月21日[1])は、ウィスコンシン州スペリオル生まれのアメリカ合衆国の経済学者である。
取引費用経済学の権威であり、2009年、(エリノア・オストロムとともに)ノーベル経済学賞を受賞した。
経歴
[編集]- 1932年 ウィスコンシン州スペリオルに生まれる。
- 1955年 マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローンスクール・オブ・マネジメントを卒業する(S.B.)。
- 1960年 スタンフォード大学よりMBAを取得する。
- 1963年 カーネギーメロン大学よりPh.D.を取得する。
- 1963年~1965年 カリフォルニア大学バークレー校の助教授となる。
- 1965年~1968年 ペンシルヴァニア大学の准教授となる。
- 1968年~1983年 ペンシルヴァニア大学の教授となる(1977年~1983年 Charles and William L. Day Professor of Economics and Social Scienceとなる)。
- 1983年~1988年 エール大学の教授(Gordon B. Tweedy Professor of Economics of Law and Organization)となる。
- 1988年~2004年 カリフォルニア大学バークレー校の経営管理学の教授(Professor of the Graduate School and Edgar F. Kaiser Professor of Business, Economics and Law)となる。
- 2004年~2020年 カリフォルニア大学バークレー校の大学院の名誉教授(Professor Emeritus of the Graduate School, Economics and law)およびハース・スクール・オブ・ビジネスの名誉教授(the Edgar F. Kaiser Professor Emeritus of Businass)である。
- 2020年 カリフォルニア州バークレーで死去。87歳没。
栄誉・受賞
[編集]- 1977年~1978年 グッゲンハイムのフェローシップを得る。
- 1977年~1978年 行動科学高等研究センターのフェロー。
- 1994年 米国科学アカデミーの会員と選ばれる。
- 1999年 ジョン・フォン・ノイマン賞を受賞する。
- 2006年 トムソン・ロイター引用栄誉賞を受賞する。
- 2009年 (エリノア・オストロムとともに)ノーベル経済学賞を受賞する。
貢献
[編集]- これまで新古典派経済学では完全合理的に効用を最大化する人間が仮定されてきたが、ウィリアムソンは人間は限定合理的であり、機会主義的な性格をもつものと仮定した。
- そして、このような人間が市場で知らない人々と取引する場合、相互に駆け引きが起こり、多大な取引上の無駄が発生することになる。この取引上の無駄のことを「取引コスト」と呼ぶ。オリバー・ウィリアムソンは、ロナルド・コースとともに取引費用に関する分析を行ってきた。
- 取引コストを節約するために組織が形成され、取引コスト節約原理にもとづいてさまざまな組織のデザインも説明できる。また、取引コストが発生するために個別合理性と全体合理性が一致しないことも生じるが、一致させるためには多くの利害関係者と交渉取引する必要があり、膨大な取引コストが発生するので一致しないと説明できる。
- ウィリアムソンは1980年代から1990年代に、公的と私的の境界について議論した。彼は、市場と非市場の意思決定の同等と相違、管理、およびサービス提供に対して注意を引いた。
著書
[編集]単著
[編集]- The Economics of Discretionary Behavior: Managerial Objectives in a Theory of the Firm, (Prentice-Hall, 1964).
- Corporate Control and Business Behavior: An Inquiry into the Effects of Organization Form on Enterprise Behavior, (Prentice Hall, 1970).
- Markets and Hierarchies, Analysis and Antitrust Implications: A Study in the Economics of Internal Organization, (Free Press, 1975).ISBN 0-02-935360-2
- The Economic Institutions of Capitalism: Firms, Markets, Relational Contracting, (Free Press, 1985).ISBN 0-02-934821-8
- Economic Organization: Firms, Markets, and Policy Control, (New York University Press, 1986).
- Antitrust Economics: Mergers, Contracting, and Strategic Behavior, (Blackwell, 1987).
- The Mechanisms of Governance, (Oxford University Press, 1996).ISBN 0-19-513260-2
編著
[編集]- Antitrust Law and Economics, (Dame Publications, 1980).
- The International Library of Critical Writings in Economics, vol. 9: Industrial Organization, (E. Elgar, 1990).
- Organization Theory: from Chester Barnard to the Present and Beyond, (Oxford University Press, 1990, expanded ed., 1995).
共編著
[編集]- Prices: Issues in Theory, Practice and Public Policy, co-edited with Almarin Phillips, (University of Pennsylvania Press, 1967).
- The Firm as a Nexus of Treaties, co-edited with Masahiko Aoki and Bo Gustafsson, (Sage, 1990).
- The Nature of the Firm: Origins, Evolution, and Development, co-edited with Sidney G. Winter, (Oxford University Press, 1991).ISBN 0-19-508356-3
- Transaction Cost Economics, 2 vols., co-edited with Scott E. Masten, (E. Elgar, 1995).
- The Economics of Transaction Costs, co-edited with Scott E. Masten, (E. Elgar, 1999).
主要論文
[編集]- Oliver E. Williamson (1981). “The Economics of Organization: The Transaction Cost Approach”. The American Journal of Sociology 87 (3): 548–577. doi:10.2307/2778934 2012年1月11日閲覧。.
- Oliver E. Williamson (2002). “The Theory of the Firm as Governance Structure: From Choice to Contract”. Journal of Economic Perspectives 16 (3): 171–195. doi:10.1257/089533002760278776 2009年6月6日閲覧。.
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “The Passing of Oliver Williamson” (英語). sioe.org. (2020年5月23日) 2020年5月23日閲覧。