みさと天文台
みさと天文台 | |
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みさと天文台 | |
施設情報 | |
正式名称 | 紀美野町星の動物園 |
愛称 | 星の動物園 |
専門分野 | 天文学 |
館長 | 山内千里(2021年時点)[1] |
事業主体 | 紀美野町 |
管理運営 | 紀美野町 |
開館 | 1995年(平成7年)7月7日 |
所在地 |
〒640-1366 日本和歌山県海草郡紀美野町松ヶ峯180[2] |
位置 | 北緯34度8分40.3秒 東経135度24分22.1秒 / 北緯34.144528度 東経135.406139度座標: 北緯34度8分40.3秒 東経135度24分22.1秒 / 北緯34.144528度 東経135.406139度 |
アクセス | 阪和自動車道海南東ICから国道370号高野山方面へ |
外部リンク | www.obs.jp/ |
プロジェクト:GLAM |
みさと天文台(みさとてんもんだい)は、和歌山県海草郡紀美野町にある天文台である。条例上の正式名称は、紀美野町星の動物園(きみのちょうほしのどうぶつえん)である[3]。
概要
[編集]標高430メートル地点に[4]、1995年7月7日にオープンした。口径105cmのカセグレン式望遠鏡は、オープンした当時は公開望遠鏡としては日本一の口径を誇っていた。世界で初めて望遠鏡の映像をインターネットを利用して世界中に配信できるシステムを備えた公開天文台でもある。インターネットが普及していなかった当時としては珍しかった。
天文台として星空ツアーやプラネタリウム、全天周映画を提供するほか、周辺の森林を利用した森林浴やバードウォッチングも行える。星の動物園は総合案内所「月の館」、天文台「星の塔」、プラネタリウム棟「宙の学び舎」、芝生公園「空の庭」、8mパラボラアンテナや星の動物園バンガローなどで構成される[5]。
2021年7月7日のリニューアルオープンでは、屋内型プラネタリウム棟「宙の学舎」(そらのまなびや)を設けて以前より投影面積や解像度をグレードアップしたほか、星の塔ベランダでプロジェクションマッピングによる夜空への投影も可能にした。望遠鏡がある天体観測ドーム内側には全天周プロジェクターを、屋外には差し渡し45メートルの展望デッキを整備したほか、「星の動物園バンガロー」を改修した[6]。
近畿大学附属和歌山高等学校・中学校のスーパー共同利用施設。友の会というファンクラブがあり、機関誌『Mpc(メガパーセク)』発行やグッズの開発・販売も実施している[2]。星空が見えるカフェイベントや結婚式も開催している[4]。
アクセス
[編集](1)阪和自動車道海南・海南東ICから車で(国道370号線利用)
(2)JR海南駅からタクシーで(料金5,000円程度)
(3)JR海南駅からバスで(大十バス『登山口』バス停下車)
大十バス『登山口』からタクシーで
年表
[編集]- 1987年- 環境庁が行った「星空の町コンテスト」で、当時の美里町は日本有数の星のきれいな町に選定された[7]
- 1995年- 7月7日開館[5]。初代台長は尾久土正己。
- 2003年- 5月1日NASAを中心に全米で催されたイベント「Space Day 2003」にて火星のインターネット中継を実施[8]
- 2005年- 3月27日みさと天文台研究員であった豊増伸治が第一回小柴昌俊科学教育賞の優秀賞を受賞[9]
- 2015年- 開館20周年と紀美野町誕生10周年を記念したイベント「星ふるさとの結婚式」を開催[10]
- 2017年- 4月28日近大附属和歌山高等学校・中学校と高等学校・中学校の教育連携 「スーパー共同利用制度に関する協定書」を締結[11]
- 2021年- 7月7日みさと天文台Verson2.0として、リニューアルオープン[12]
- 要予約
- 休館日 - 月火(祝日の場合は翌日)、年末年始
星空ツアー
[編集]- 時間:1回目 19:30~20:30 2回目20:30~21:30(金土のみ) ※6月7月は30分遅く開始
- 料金:大人:1,500円、小中高生:200円
- 時間:14:30~15:00 ※6月7月は30分遅く開始
- 料金:大人:500円、小中高生:100円
3Dシアター宇宙の旅
[編集]- 時間:15:30~16:00 ※6月7月は30分遅く開始
- プラネタリウムや全天周映画予約者のみ参加可能
- 時間:16:30~17:00 ※6月7月は30分遅く開始
- 料金:大人:500円、小中高生:100円
歴史
[編集]1987年(昭和62年)、環境庁が行った「星空の町コンテスト」で、当時の美里町は日本有数の星のきれいな町に選定された[7]。これを契機として美里町では星を観光資源とすべく天文台の建設に乗り出し[7]、1995年(平成7年)7月7日に開設された[5]。天文台の設立には上田篤が関与した[5]。研究者も数人所属し、研究機関としての機能も有した[5]。美里町は「何もない町」であったが、天文台の開設により多くの人が訪れるようになり、周辺の町でも天文台を造ろうとする動きが見られた[5]。初代天文台長に就任した尾久土正己は望遠鏡の口径日本一というハードではいずれ他の施設に抜かれてしまうと考え、ソフト面での強化を図るべく、当時としては珍しかったインターネットを使った情報発信を積極的に行い、天文台のみならず、美里町全体の情報化の推進に貢献した[7]。
参考文献
[編集]- 日本展示学会 展示学講座実行委員会 編/監修:川添登『地域博物館への提言 討論・地域文化と博物館』(ぎょうせい、2001年5月25日)p.239 ISBN 4-324-06497-0
- 美里から世界へインターネット天文台 尾久土正己(岩波書店、1999年10月25日)[14]
脚注
[編集]- ^ 和歌山・紀美野の「みさと天文台」リニューアル 産経新聞ニュース(2021年7月6日)2021年9月6日閲覧
- ^ a b みさと天文台公式サイト(2021年9月6日閲覧)
- ^ “紀美野町星の動物園条例”. 平成18年1月1日 紀美野町条例第81号. 2016年4月14日閲覧。
- ^ a b 【おもてなし魅せどころ】みさと天文台(和歌山県紀美野町)展望デッキで「宇宙」体感『日経MJ』2021年8月30日(観光・インバウンド面)
- ^ a b c d e f 日本展示学会 展示学講座実行委員会 編(2001):120ページ
- ^ 令和3年7月7日より紀美野町みさと天文台がリニューアルオープン!和歌山県海草振興局地域産業部企画振興課(2021年7月2日)2021年9月6日閲覧
- ^ a b c d “天文台が過疎の町を情報化、星空がもたらした和歌山県美里町の変身”. Kansai Window. 関西地域振興財団 (1997年7月22日). 2016年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月15日閲覧。
- ^ “Space Day 2003 ― インターネットで火星を見よう”. www.astroarts.co.jp. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “asahi.com: 小柴昌俊科学教育賞に和歌山・みさと天文台の豊増さん - サイエンス”. www.asahi.com. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “わかやま新報 » Blog Archive » 【AR】星ふるさとの結婚式 七夕の天文台で”. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “みさと天文台×近大附属和歌山高等学校・中学校 全国初!公開天文台と高等学校・中学校の教育連携 「スーパー共同利用制度に関する協定書」を締結 | NEWS RELEASE | 附属学校”. 近畿大学. 2022年5月26日閲覧。
- ^ “みさと天文台で 宙リズム”. LIVING和歌山 (2021年6月30日). 2022年5月26日閲覧。
- ^ “みさと天文台”. www.obs.jp. 2022年5月21日閲覧。
- ^ Intānetto tenmondai : Misato kara sekai e. Masami Okyūdo, 正己 尾久土. 岩波書店. (1999). ISBN 4-00-002798-0. OCLC 675480966
関連項目
[編集]外部リンク
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