「国鉄C56形蒸気機関車160号機」の版間の差分
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
56行目: | 56行目: | ||
* [[1989年]]([[平成]]元年)[[2月11日|2月11]] - [[2月12日|12日]]:[[七尾線]][[金沢駅]] - [[穴水駅]]「'''SLときめき号'''」 |
* [[1989年]]([[平成]]元年)[[2月11日|2月11]] - [[2月12日|12日]]:[[七尾線]][[金沢駅]] - [[穴水駅]]「'''SLときめき号'''」 |
||
** C57 1も牽引機に加わり、重連で運転された。 |
** C57 1も牽引機に加わり、重連で運転された。 |
||
* 1989年(平成元年)[[4月2日|4月2]] - [[4月16日|16日]]:小浜線敦賀駅 - 小浜駅 |
* 1989年(平成元年)[[4月2日|4月2]] - [[4月16日|16日]]:小浜線敦賀駅 - 小浜駅「'''SL味わいふれあい越前若狭号'''」 |
||
* 1989年(平成元年)[[4月29日]] - [[5月1日]]:[[吉備線]][[岡山駅]] - [[総社駅]] - [[倉敷駅]]「'''SL吉備路号'''」 |
|||
* 1989年(平成元年)[[5月19日|5月19]] - [[5月28日|28日]]:[[土讃線]][[多度津駅]] - [[琴平駅]]「'''SLどっきん号'''」 |
* 1989年(平成元年)[[5月19日|5月19]] - [[5月28日|28日]]:[[土讃線]][[多度津駅]] - [[琴平駅]]「'''SLどっきん号'''」 |
||
* 1989年(平成元年)[[11月]]:[[予土線]][[宇和島駅]] - [[土佐大正駅]]「'''SLしまんと号'''」 |
* 1989年(平成元年)[[11月]]:[[予土線]][[宇和島駅]] - [[土佐大正駅]]「'''SLしまんと号'''」 |
||
93行目: | 94行目: | ||
* [[2016年]](平成28年)[[5月9日]] - [[5月13日]]:[[京都鉄道博物館]]内展示運転:'''SLスチーム号''' |
* [[2016年]](平成28年)[[5月9日]] - [[5月13日]]:[[京都鉄道博物館]]内展示運転:'''SLスチーム号''' |
||
** 牽引担当であったC62 2がコンプレッサー故障のため、代理牽引となった。 |
** 牽引担当であったC62 2がコンプレッサー故障のため、代理牽引となった。 |
||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
2016年9月10日 (土) 15:31時点における版
C56 160は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の京都鉄道博物館(旧梅小路蒸気機関車館)にて動態保存されている蒸気機関車で、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が製造したC56形蒸気機関車の1両である。SL北びわこ号の牽引機関車でもある。同じ梅小路運転区に所属するC57 1とともに、現在まで一度も廃車(車籍抹消)にならずに車籍を有し続けているSL動態保存車両である。
経歴
現役時代から動態保存機へ
1939年(昭和14年)4月20日、川崎車輌兵庫工場にて、C56形のラストナンバー機(製造番号 2099)として完成。戦前は津山機関区、戦後鹿児島機関区から横浜機関区を経て、1964年(昭和39年)に上諏訪機関区と移り、その後は小海線・飯山線・七尾線で活躍した経歴を持つ。上諏訪機関区所属時には、入換用として虎模様のペイントをされて活躍していた時期もある。
1972年(昭和47年)七尾機関区から梅小路運転区へ異動し、他から転属して来た蒸気機関車の搬入に使用されるなどしたが[1]、梅小路蒸気機関車館開館後は特に目立った動きはなかった。
動態保存機としての活躍
国鉄時代ならびにJR時代初期は全国からの貸出依頼が多く、各地を走行した。
1980年(昭和55年)11月22日には、函館本線小樽駅 - 札幌駅間で「北海道100周年記念号」の牽引機として抜擢されて以降は、走れる路線を選ばないとの特性から全国各地での出張運転に供されるようになった。
JRとなって全国各地で蒸気機関車が復活した後は、1995年(平成7年)8月19日に運転を開始した北陸本線米原駅 - 木ノ本駅間の「SL北びわこ号」をメインに、山口線新山口駅 - 津和野駅間の「SLやまぐち号」でC57 1との重連運転、C57 1牽引不能時の代理牽引機関車など、JR西日本管内にて使用されるほか、JR東日本や四国、樽見鉄道など他社での運転実績がある。四国の路線を中心に、脱線事故のおそれがあるとされているバック運転(逆機)も数多く行ってきたが、無事故の運転を行っている。
1995年8月19日の運転開始当初から2003年(平成15年)8月までは木ノ本駅 - 米原駅間にて、SL北びわこ号を逆機で牽引していたが、特急列車や貨物列車、さらに琵琶湖線からの新快速列車の新規乗り入れなどによってダイヤ上の制限がかけられたことから中止され、回送列車となった。ただし、定期検査明けの試運転では、木ノ本駅 - 米原駅間で逆機で運転される。
2006年(平成18年)、「梅小路の蒸気機関車群と関連施設」として、準鉄道記念物に指定された。
なお、現在の同機の汽笛は、汽笛の鳴りが悪くなったために、2000年代に入ってからは、当機が山口線へ入線される前までにかつて動態保存されていたC58 1のものと交換され使用している。
「SL北びわこ号」や「SLやまぐち号」の牽引運転以外の時期には、梅小路蒸気機関車館にて整備や試運転が行われている。
今後の去就
本機は、C57 1と同じく製造当初から車籍を保持し続けて活躍を続けてきたが、「SLやまぐち号」でのC57 1が85km/h(最高速度100km/h)と余裕を持った運用をしていたのに対し、C56 160は常に最高速度である75km/hでの過酷な運用(DD51形またはDE10形の補機はあったが)を何度も行ってきたことにより、ボイラーや足回りの老朽化が非常に早く進行してしまった。主だった故障の発生はあまり起きてはいないが、C57 1以上に深刻な状態に脅かされ、JR西日本の頭を悩ませた。
そこでJR西日本は、2017年(平成29年)を目処に、梅小路蒸気機関車館にて「SLスチーム号」として構内運転程度にて動態保存されているD51 200を本線で運用できるように大規模な修理を施し復活させ、「SL北びわこ号」および「SLやまぐち号」(C57 1の代理牽引)の牽引機関車をD51 200に置き換えることを2014年(平成26年)10月17日に発表した[2]。上記以外での臨時列車での牽引機会については不明であるが、今日の実績上からD51 200の本線復帰をもって運用終了とされる可能性があり、今後の当機の動向が注目される。
ただし、貨物用のD51形はカタログ上こそ最高速度85km/hとされているが、実際の速度特性はC56形と大差ない(元々D50形の大マイナーチェンジ車に過ぎない)上、大型機ゆえに同様のトラブルが起きると余計に修理コストがかさむ結果も想定され、即C56 160の車籍抹消につながるかも不透明である[3]。
運転記録
「SLやまぐち号」と「SL北びわこ号」以外の臨時列車としての運転記録は以下のとおりである。 客車は基本的に12系客車を牽引する。
- 1980年(昭和55年)11月22 - 30日:函館本線小樽駅 - 札幌駅
- 北海道鉄道開業100周年を記念して運転された。旧型客車牽引。
- 1981年(昭和56年)8月25 - 31日:小浜線敦賀駅 - 小浜駅「SLわかさ号」
- 福井県置県100周年を記念して運転された。
- 1985年(昭和60年)4月28日 - 5月11日:水郡線水戸駅 - 常陸大子駅「SL奥久慈号」
- 1986年(昭和61年)4月29日、5月3 - 5日:東海道本線・武豊線名古屋駅 - 武豊駅「SL一世紀号」
- 武豊線開通100周年を記念して運転された(愛知の鉄道100年フェアの行事の一環)。
- 1986年(昭和61年)4月30日 - 5月2日:東海道本線名古屋駅 - 木曽川駅「SL一世紀号」
- 愛知の鉄道100年フェア開催を記念して運転された。
- 1986年(昭和61年)8月1 - 7日:桜井線奈良駅 - 王寺駅「SL大和路号」
- キャンペーン「あなたとなら大和路」の一環として運転された。
- 1987年(昭和62年)7月18 - 8月2日と9月12 - 23日:東北本線仙台駅 - 仙台臨海鉄道仙台西港線東北博覧会前(臨時駅)「SL東北100年号」[4]
- '87未来の東北博覧会開催を記念して運転された[4]。
- 1987年(昭和62年)8月24 - 25日:成田線成田駅 - 内房線木更津駅「SL毎日号」
- 1988年(昭和63年)2月11 - 14日:七尾線金沢駅 - 和倉温泉駅「SLときめき号」
- 1988年(昭和63年)6月24 - 26日:中央本線辰野駅 - 塩尻駅「SLホタル号」
- 旧型客車牽引。逆機時急勾配のためDE10形を最後尾に連結。
- 1989年(平成元年)2月11 - 12日:七尾線金沢駅 - 穴水駅「SLときめき号」
- C57 1も牽引機に加わり、重連で運転された。
- 1989年(平成元年)4月2 - 16日:小浜線敦賀駅 - 小浜駅「SL味わいふれあい越前若狭号」
- 1989年(平成元年)4月29日 - 5月1日:吉備線岡山駅 - 総社駅 - 倉敷駅「SL吉備路号」
- 1989年(平成元年)5月19 - 28日:土讃線多度津駅 - 琴平駅「SLどっきん号」
- 1989年(平成元年)11月:予土線宇和島駅 - 土佐大正駅「SLしまんと号」
- 50系客車4両牽引
- 1990年(平成2年)3月26 - 31日、宮津線宮津駅 - 西舞鶴駅「ありがとう宮津線・SL丹後路号」
- 12系客車5両牽引
- 西舞鶴駅発宮津駅行きは逆機
- 1991年(平成3年)7月20 - 26日:越美北線福井駅 - 越前大野駅「SL奥越メルヘン号」
- 1994年(平成6年)7月24日:伯備線総社駅 - 新見駅「SL備中路若鮎号」
- 1994年(平成6年)12月9日 - 13日:高山本線高山駅 - 飛騨古川駅「SL飛騨路号」
- JR東海における唯一のSL復活運転。1日2往復で12系5両牽引の運転だが、13日の1往復目のみ旧型客車2両を牽引。
- 1996年(平成8年)11月23 - 26日:大糸線松本駅 -信濃大町駅「SLあづみ野号」
- 真岡鐵道の蒸気機関車整備により、JR東日本への貸出は現時点ではこれが最後。
- 1997年(平成9年)12月6 - 9日:予土線宇和島駅 - 土佐大正駅「SL牛鬼号」
- 1998年(平成10年)4月10 - 12日:多度津駅 - 茶屋町駅「海走SL瀬戸大橋号」
- 瀬戸大橋開通10周年を記念して運転された。
- 2000年(平成12年)11月21, 23, 25日:松山駅 - 宇和島駅「SL坂の上の雲号」
- 鉄道唱歌誕生100周年および宇和島城築城400周年を記念して運転された。
- 2000年(平成12年)11月22, 24, 26日:宇和島駅 - 松山駅「SL花神号」
- 「SL坂の上の雲号」と同じく、鉄道唱歌誕生100周年および宇和島城築城400周年を記念して運転された。
- 2001年(平成13年)11月23 - 25日:土讃線高知駅 - 土佐山田駅「SL土佐龍馬号」
- 高知城築城400年を記念して運転された。客車はマイテ49 2と、アイランドエクスプレス四国IIを牽引。
- 2002年(平成14年)5月18, 19日:徳島線徳島駅 - 阿波川島駅「SL阿波四国三郎号」
- 徳島線全通88周年を記念して運転された。
- 2002年(平成14年)9月14 - 16日:氷見線「SLシーサイド号」
- 氷見線全通90周年を記念して運転された。
- 2002年(平成14年)11月1 - 4日:「SL山陰路」[5]
- 2005年(平成17年)10月28 - 30日:予讃線高松駅 - 多度津駅:SL急行「讃岐路義経号」
- 2006年(平成18年)11月23 - 26日:土讃線高知駅 - 須崎駅:SL急行「土佐二十四万石博 一豊&千代号」
- 大河ドラマ『功名が辻』の放送やイベント「土佐二十四万石博」に合わせて運転された。
- 2013年(平成25年)2月16 - 17日:あおなみ線名古屋駅 - 名古屋貨物ターミナル駅:「SLあおなみ号」
- 2015年(平成27年)5月11日、5月28日 - 6月16日:梅小路蒸気機関車館内展示運転:SLスチーム号
- 通常牽引を担当するD51 200が2014年10月に本線復帰が発表されて以降、8630が2015年2月に担当後、C61 2が2015年4月に担当後、整備のためそれぞれ担当から離脱したため、SL北びわこ号牽引の後に、SLスチーム号の牽引を担当した。なお、過去にもSLスチーム号の牽引を担当した実績がある。
- 2016年(平成28年)5月9日 - 5月13日:京都鉄道博物館内展示運転:SLスチーム号
- 牽引担当であったC62 2がコンプレッサー故障のため、代理牽引となった。
脚注
- ^ 鉄道ファン編集部「梅小路蒸気機関車館が開館」p.22 - p.24 鉄道ファンNo.140 (1972年12月)。
- ^ 持続的なSL動態保存の体制の整備について
- ^ これまでファンサービスの観点から行ってこなかったが、C56形の負担を減らすのであればディーゼル機関車の方がノッチ上げして出力を上げればよいだけの話で、逆にディーゼル機関車の負担を考えると(蒸気機関車「よりは」新しいとは言っても、DD51形、DE10形とも動態保存機の捻出を念頭に入れていい経年である)軽いC56形の方が有利でもある。
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第21巻第12号、鉄道ジャーナル社、1987年10月、93頁。
- ^ a b 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、21頁。
- ^ "「SL山陰路」運行及び記念事業の実施について" (pdf) (Press release). 島根県地域振興部交通対策課. 30 October 2002. 2012年9月5日閲覧。
- ^ “名古屋のSL実験走行 観覧場所を設置”. CHUNICHI WEB (中日新聞社). (2013年2月15日) 2013年2月19日閲覧。
関連項目
- 動態保存中の蒸気機関車
- 国鉄C57形蒸気機関車1号機
- 国鉄C58形蒸気機関車1号機
- 国鉄C56形蒸気機関車44号機
- 国鉄D51形蒸気機関車200号機
- 梅小路蒸気機関車館(京都鉄道博物館)
- SL北びわこ号