前島郁雄
前島郁雄(まえじま いくお、1929年(昭和4年)1月11日[1] - 2020年(令和2年)3月9日[2])は、日本の地理学者・気候学者。旧・東京都立大学名誉教授[1]。社団法人東京地学協会名誉会員、公益社団法人日本地理学会名誉会員。
略歴
編集長野県小諸市で出生[1]。青森県青森市出身。旧制弘前高等学校理科甲類を経て[1]、1951年に旧制東京大学理学部地理学科を卒業、1956年に東京大学理学部大学院修了[1]。その後1966年に"Natural Seasons and Weather Singularities in Japan" 「日本の自然季節と天候特異日」により理学博士の学位を取得[1]。
1956年より早稲田大学教育学部助手となり、1958年より講師、1962年より助教授[1]。1963年より旧・東京都立大学理学部にて助教授となり、1977年より教授、1989年より理学部長、大学院理学研究科長を務めた[1]。1991年より日本大学文理学部・大学院理工学研究科教授となり、1999年に定年退職した[1]。
研究
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自然季節区分
編集天候特異日に着目して、日本の自然季節区分を行った[3]。
日本の気候区分
編集Maejima (1967)にて、降水量の急激な増減に着目して、日本の気候区分の分類を行った[4]。降水の原因と降水量が多い季節に着目した成因的気候区分であり[5]、降水量が最大となる季節が梅雨、秋霖、冬のどれに該当するかに対応して降水区を設定し、梅雨の発現状況の明瞭さ、秋霖の発現時期も踏まえて、日本を9気候区に分類した[4]。
歴史時代の気候復元
編集古文書を用いて、歴史時代の気候の復元を行った[3]。
脚注
編集参考文献
編集- Maejima, I. (1967). “Natural Seasons and Weather Singularities in Japan”. Geographical Reports Tokyo Metropolitan University 2: 77-103 .
- 小元久仁夫「前島郁雄教授の業績と自然地理学への貢献」(PDF)『日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要』第34巻、1999年、1-7頁。
- 仁科淳司『やさしい気候学』(第3版)古今書院、2014年。ISBN 978-4-7722-8506-3。
- 松本淳 著「日本の気候区分」、小池一之・山下脩二・岩田修二・漆原和子・小泉武栄・田瀬則雄・松倉公憲・松本淳・山川修治 編『自然地理学事典』朝倉書店、2017年、138-139頁。ISBN 978-4-254-16353-7。
- 岡秀一「前島郁雄先生のご逝去を悼む」『地理学評論』第93巻第4号、2020年、331-332頁、doi:10.4157/grj.93.331。