三陸北縦貫道路
三陸北縦貫道路(さんりくきたじゅうかんどうろ)は、岩手県の宮古市から久慈市に至る総延長約60 km(キロメートル)[1]の地域高規格道路(国道45号バイパス)である。三陸縦貫自動車道、八戸久慈自動車道と共に「三陸沿岸道路」を構成する。一般道における案内看板の表記は三陸北縦貫道路から三陸道に順次更新されている。略称は三陸北道路(さんりくきたどうろ)。
地域高規格道路 (無料) | |
---|---|
E45 三陸北縦貫道路 | |
地図 | |
路線延長 | 59.9 km |
開通年 | 2006年(平成18年) - 2021年(令和3年) |
起点 | 岩手県宮古市 |
主な 経由都市 |
岩手県下閉伊郡岩泉町、同郡田野畑村、 同郡普代村、同県九戸郡野田村 |
終点 | 岩手県久慈市 |
接続する 主な道路 (記法) |
E45 八戸久慈自動車道
E45 三陸縦貫自動車道 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
2014年(平成26年)時点では、下閉伊郡岩泉町から同郡田野畑村までの岩泉道路 (6.2 km)、同郡田野畑村の尾肝要道路 (4.5 km)、同郡普代村の普代道路 (4.2 km) が開通していた。残る区間は、2011年(平成23年)の東日本大震災を受けて、復興道路として2011年(平成23年)度に事業化され、「復興道路」として優先整備が進められ[2]、2021年(令和3年)12月18日に全線開通した[3]。
全線が自動車専用道路として整備されており[4][5]、ほかの高速道路同様に緑色の標識が設置されている。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、三陸縦貫自動車道、八戸久慈自動車道とともに「E45」が割り振られている[6]。
インターチェンジなど
編集事業名
編集田老岩泉道路
編集田老岩泉道路(たろういわいずみどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県宮古市(田老北IC)から同県下閉伊郡岩泉町(岩泉龍泉洞IC)に至る総延長6.0 kmの国道45号の自動車専用道路である。2011年(平成23年)度に事業化され、2013年(平成25年)3月27日に工事着手した[7]。2018年(平成30年)3月21日開通[8][9]。
全線に中央分離帯が設けられ、最高速度80 km/hで走行できる。
岩泉道路
編集岩泉道路(いわいずみどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県下閉伊郡岩泉町(岩泉龍泉洞IC)から同県同郡田野畑村に至る総延長6.2 kmの国道45号の自動車専用道路である[10]。現道にある急勾配・急カーブを緩和する目的で整備された。2010年(平成22年)11月28日全線開通[11][12]。2013年(平成25年)11月1日にそれまでの中野バイパス(なかのバイパス)から名称変更された[13]。
なお、完成2車線[14]であるが、正規の中央分離帯は設置されていないため、暫定2車線の道路と同様に最高速度は70 km/hに制限されている。
- 起点:岩手県下閉伊郡岩泉町小本
- 終点:岩手県下閉伊郡田野畑村大芦
- 延長:6.2 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線
- 道路幅員:12.0 m
- 設計速度:80 km/h
- 最高速度:70 km/h
田野畑道路
編集田野畑道路(たのはたどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県下閉伊郡田野畑村内の総延長6.0 kmの国道45号の自動車専用道路である。2011年(平成23年)度に事業化され、2013年(平成25年)11月7日に工事着手した[13]。2021年(令和3年)7月10日に開通した[15]。
全線に中央分離帯が設置されている。
- 起点:岩手県下閉伊郡田野畑村大芦
- 終点:岩手県下閉伊郡田野畑村田野畑
- 延長:6.0 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線
- 道路幅員:13.5 m
- 設計速度:80 km/h
尾肝要道路
編集尾肝要道路(おかんようどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県下閉伊郡田野畑村内の総延長4.5 kmの国道45号の自動車専用道路である。尾肝要トンネル (2,736 m) を建設し、現ルートにある最大の峠である閉伊坂峠の隘路を解消する。2006年(平成18年)度に事業化され、2014年(平成26年)3月2日に開通した[16]。
- 起点:岩手県下閉伊郡田野畑村田野畑
- 終点:岩手県下閉伊郡田野畑村尾肝要
- 延長:4.5 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線[17]
- 道路幅員:12.0 m
- 設計速度:80 km/h
- 最高速度:70 km/h
尾肝要普代道路
編集尾肝要普代道路(おかんようふだいどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県下閉伊郡田野畑村から同県同郡普代村に至る総延長8.0 kmの国道45号の自動車専用道路である。2011年(平成23年)度に新規事業化され、2013年(平成25年)11月18日に工事着手した[18]。2020年(令和2年)12月19日に開通[19]。
全線に中央分離帯が設置されている。
- 起点:岩手県下閉伊郡田野畑村尾肝要
- 終点:岩手県下閉伊郡普代村第11地割
- 延長:8.0 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線
- 道路幅員:13.5 m
- 設計速度:80 km/h
普代道路
編集普代道路(ふだいどうろ)は、岩手県下閉伊郡普代村内の総延長4.2 kmの国道45号の自動車専用道路である。開通発表以前は普代バイパス(ふだいバイパス)という名称であった。2013年(平成25年)10月13日に全線開通[20]。
- 起点:岩手県下閉伊郡普代村第11地割
- 終点:岩手県下閉伊郡普代村第16地割
- 延長:4.2 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線[21]
- 道路幅員:12.0 m
- 設計速度:80 km/h
- 最高速度:70 km/h
野田久慈道路
編集野田久慈道路(のだくじどうろ)は、三陸北縦貫道路の岩手県下閉伊郡普代村から同県久慈市(久慈IC)に至る総延長25.0 kmの国道45号の自動車専用道路である。2011年(平成23年)度に事業化され、2013年(平成25年)6月27日に工事着手した[22]。2021年(令和3年)12月18日に全線開通[3]。
全線に中央分離帯が設置されている。
- 起点:岩手県下閉伊郡普代村第16地割
- 終点:岩手県久慈市新井田
- 延長:25.0 km
- 道路規格:第1種第3級
- 車線数:完成2車線
- 道路幅員:13.5 m
- 設計速度:80 km/h
歴史
編集- 2000年(平成12年)度 : 普代バイパス(当時) 着工。
- 2006年(平成18年)2月11日 : 中野バイパス(当時)・鵜の巣断崖IC - 田野畑村大芦間 (1.5 km) 開通。
- 2006年(平成18年)度 : 尾肝要道路 事業化。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)11月21日 : 全路線を復興道路 (三陸沿岸道路) の一部とし、未着手区間を三陸沿岸道路として一括事業化。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)3月2日 : 尾肝要道路・田野畑村田野畑 - 同村尾肝要間 (4.5 km) 開通[16]。
- 2018年(平成30年)3月21日 : 田老岩泉道路・田老北IC - 岩泉龍泉洞IC間 (6.0 km) 開通により三陸自動車道と接続[8]。
- 2020年(令和2年)12月19日 : 尾肝要普代道路・田野畑北IC - 普代村第11地割 (8.0 km) 開通[19]。
- 2021年(令和3年)
交通量
編集脚注
編集- ^ “岩手県の高規格幹線道路・地域高規格道路の整備状況”. 岩手県. 2019年5月30日閲覧。
- ^ “三陸の高速、全線整備 364キロ「復興道路に」”. 岩手日報 (岩手日報社). (2011年7月1日). オリジナルの2011年7月7日時点におけるアーカイブ。 2013年3月4日閲覧。
- ^ a b c “三陸沿岸道路(仙台〜八戸)約359km 全線開通! 三陸沿岸道路「普代〜久慈」間が 令和3年12月18日(土)15時00分に開通” (PDF). 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所・岩手県・久慈市・野田村・普代村 (2021年11月19日). 2021年11月19日閲覧。
- ^ “平成25年度事業概要”. 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所. 2013年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月19日閲覧。
- ^ “復興道路・三陸沿岸道路(宮城県内)”. 国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所. 2018年8月15日閲覧。
- ^ “高速道路ナンバリング一覧”. 国土交通省. 2020年11月20日閲覧。
- ^ 『三陸沿岸道路 田老〜岩泉『起工式』を開催 〜3月27日(水)10:30〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2013年3月21日 。2013年11月1日閲覧。
- ^ a b 『三陸沿岸道路 田老第2IC(仮)〜岩泉龍泉洞IC間 が平成30年3月21日(水)に開通します。』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2018年1月30日 。2018年1月30日閲覧。
- ^ “三陸沿岸道「異例のスピード開通」=太田国交相”. Yahoo!ニュース (時事通信社). (2014年4月25日). オリジナルの2014年4月25日時点におけるアーカイブ。 2014年4月25日閲覧。
- ^ “中野バイパス”. 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所. 2013年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月19日閲覧。
- ^ a b 『三陸北縦貫道路 中野バイパス (自動車専用道路)11月28日(日)に全線開通します 〜インター名称は岩泉龍泉洞IC、鵜の巣断崖IC、田野畑南ICに決定しました〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所 岩手県 岩泉町 田野畑村、2010年11月4日 。2010年11月4日閲覧。
- ^ “三陸北縦貫道路「中野バイパス」28日に開通”. いわいずみブログ. 岩泉町 (2010年11月8日). 2013年3月4日閲覧。
- ^ a b 『三陸沿岸道路 田野畑道路『起工式』を開催 〜11月7日(木)11:00〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2013年11月1日 。2013年11月1日閲覧。
- ^ “中野バイパスが開通して” (PDF). 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所. 2018年8月15日閲覧。
- ^ a b “復興道路が延伸! 三陸沿岸道路「田野畑南〜尾肝要」間が令和3年7月10日(土)16時00分に開通” (PDF). 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所・岩手県・田野畑村 (2021年6月23日). 2021年6月23日閲覧。
- ^ a b 『三陸沿岸道路 尾肝要道路が3月2日(日)に開通します〜国道45号「最大の峠区間」が解消されます〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2014年1月30日 。2014年1月31日閲覧。
- ^ 『事後評価結果(平成30年度)』(PDF)(プレスリリース)国土交通省 東北地方整備局 道路計画第一課 。2019年4月24日閲覧。
- ^ 『三陸沿岸道路 尾肝要普代道路『起工式』を開催』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2013年11月13日 。2013年11月13日閲覧。
- ^ a b “田野畑村〜普代村間の交通難所を回避! 三陸沿岸道路「田野畑北IC〜普代」間が令和2年12月19日(土)15時30分に開通” (PDF). 国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所・岩手県・田野畑村・普代村 (2020年10月27日). 2020年10月27日閲覧。
- ^ a b 『三陸沿岸道路 普代道路(普代バイパス)〜10月13日(日)全線開通!〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2013年9月17日 。2013年9月18日閲覧。
- ^ 『再評価結果(平成20年度事業継続箇所)』(PDF)(プレスリリース)国土交通省 道路局 国道・防災課 。2019年4月24日閲覧。
- ^ 『三陸沿岸道路 普代〜久慈『起工式』を開催 〜6月27日(木)11:00〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局 三陸国道事務所、2013年6月20日 。2013年11月1日閲覧。