阪神大震災で火災が発生したJR新長田駅南側周辺(左)。再開発され高層ビルが林立する=神戸市長田区で2024年12月9日、本社ヘリから大西岳彦撮影 神戸市長田区のJR新長田駅を降りて南口から出ると、目の前にはいくつものマンションや商業ビルがそびえる。30年前の1月、この一帯は阪神大震災による火災で焼け野原となった。 復興に向けて、市の中心街・三宮に次ぐ副都心として再生させることを夢見て、市は被災地では最大となる再開発事業を実施した。だが、終わってみたら数百億円の赤字を背負うことに。巨大な復興まちづくりが残した教訓を探った。 「うちは借金だけが膨らんだ」 駅南口から数分歩くと、マンションや商業ビル群の間を貫く天井の高いアーケード街がある。長さは500メートルほどだ。 「ビルばかりが建てられて、空き店舗が増えた。30年たって、うちは借金だけが膨らんだ」。アーケード街の5階建てビルの1階にある日本