「短期記憶」のことを考えたのは、ある生徒を文で話せるようにしようと取り組んだ時だ。二語文程度は何とか話せる生徒だったが、語いは少なく、文字も読めなかった。私が話した文を、後に続いて繰り返すトレーニングをしていたが、なかなかうまくはいかなかった。絵カードを見せて「ドラえもんとのび太が握手している」といっても、「握手している」ぐらいしか繰り返すことができなかった。話す練習は継続したが(→こちら)、文の前半の部分を忘れてしまう傾向があることから、短期記憶(ワーキングメモリー)が弱いことも原因ではないかと勝手に考えてみた。しかし、短期記憶を伸ばす方法を、私はまったく知らなかったので、素人の浅知恵で自己流で勝手にゲームのようなものを考えてみた。 4枚のカードを用意した。神経衰弱風のカード当てゲームである。休み時間のたびにゲーム感覚で何度もやった。名刺サイズのこんなカードだ。 やり方は、こうだ。 まず