自動車の変速機の多段化がまたひとつ進もうとしている。 ホンダは何と10段ものギヤを持つトルコンステップATを準備中である。これまで最も多段化が進んでいたのはダイムラー(ベンツ)の縦置き9段とZFの横置き9段で、共にデビューは2013年のことだった。少し前まで4段程度のオートマはたくさんあった。しかし今や5段、6段では多段とは感じない。7段あたりからようやく多段ミッションという印象にさま変わりしているのだ。 「ギヤの段数なんてそんなに多くなくて良いんじゃないの?」と思う方も多いだろう。正直、数字だけ聞いていると無意味な競争に聞こえるのは確かだ。しかし、実はこの多段化はエンジニアリング的に大きな意味があるのだ。特に昨今流行の小排気量ターボとの組み合わせによって低燃費を実現しようと思えば多段化は必須とも言える。今回はその理由と存在意義について考えてみたい。 トランスミッションのコペルニクス的転換
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