「をのこ草子(をのこ草紙)」という文書を知っていますか? 江戸時代にかかれた読み物で、現代でいえば小説みたいなものなのですが、作者が不明で、成立年代もはっきりしません(吉宗の時代に書かれたともいわれています )が、書いてある内容が驚くほど現代日本の世相を言い当てているため、最近注目を浴びている文書です。 本書については、古神道家の友清歓真が昭和5年に一部を引用して書いており、他にも昭和10年に著した中国学者の石山福治の著書にも書かれています。友清歓真は、雑誌の切り抜きを見せられたと伝たえており、少なくとも戦前までに大衆紙に記載されるなど、盛んに流布していたようです。 「今より5代250年を経て、世の様変わり果てなむ。切支丹の法いよいよ盛んになりて、空を飛ぶ人も現はれ、地をくぐる人も出るべし。風雲をかりて雷電を益するものもあらむ。死したるを起こす術もあるべし。」 明治以降、西洋近代文明を受け