朝日新聞社のニュースサイト、朝日新聞デジタルの「ことばマガジン」:朝日新聞社による、さまざまな角度からことばや漢字について考えるサイトです。新聞紙面のことばの海を「最初の読者」としてチェックする校閲センターが、読者の皆さんに「ことばの世界」をお届けします。最新先頭記事の見出しは「(ことばの広場)「蕎麦」なぜ「そば」? 角張った実 千年の時を刻み」「(ことばの広場)「無職」に居心地の悪さ 状況は様々 時代とのズレ」「(ことばの広場)紙面で現役「内助の功」 「夫婦とは」潜む意識を自問」です。
開拓使のシンボルはなぜ五稜星になったの?知られざる北辰旗の歴史 2020/05/25 北海道を学ぶ 札幌市, 歴史, 石狩管内, 行政, 道央圏23803view サッポロビール博物館、札幌開拓使麦酒醸造所、札幌市時計台、北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)、豊平館、清華亭、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園の博物館本館。 明治初期に建築されたいくつかの歴史的建造物には決まって、あるマークが刻まれています。それが「★」のマークです。これは、開拓使がシンボルマークとした赤い星、「五稜星」がルーツです。シンプルながら印象的なそのデザインは、今でも北海道のあちこちに残されており、さらには北海道の道旗・道章のデザインのもとになりました。 なぜ五稜星になったのでしょうか。本稿では、五稜星マークの誕生の経緯、幻の七稜星の話、そして現在の北海道旗デザインに至る歴史を振り返ります。 札幌のデザイ
2007年から2009年にかけてジンバブエ・ドルが狂ったようなインフレを起こし、最後は100兆ジンバブエ・ドルまで発行されたのは記憶に新しいと思います。 この件は結構ネタ的に語られることが多かったですが、実際銀行に預金をしていたであろう庶民はたまったもんじゃありません。預金にあった1000万円が、ある日1円まで値下がりしてたみたいな話ですからね。庶民もバカじゃないので、金やドルに変えて持っておくとかそれなりの自衛策はやるんでしょうが、経済や市場は大ダメージを受け庶民生活にも影響があるのは必然でしょう。 今回はかつてハイパーインフレを起こした6の通貨から、どのようなタイミングで起こるものかを学んでいきたいと思います。 1. ハンガリー・ペンゲー(1945-1946)史上起こったハイパーインフレの中でダントツのインフレ率でギネスにも載っているのが、1946年のハンガリー・ペンゲー。 そのインフ
日本古典籍と生成AIを組み合わせ、過去の文化と現代の人々との距離を縮めるAIを開発します。 [もっと詳しく..] つくしサーチ つくしサーチ(試行版) つくしサーチは、日本古典籍データセットを対象としたテキスト検索サービスです。生成AIチャットを体験するには、つくしサーチから検索するか、日本古典籍データセットの個別ページから、IIIF Tsukushi Viewerのリンクをたどってください。 生成AIチャット 日本古典籍との生成AIチャット(試行版) IIIF Tsukushi Viewerの生成AIチャット機能は、「AIを使いながら日本古典籍を読む」を実現するものです。古典籍の閲覧に用いられてきたIIIF (International Image Interoperability Framework)の世界に、大規模言語モデル(LLM)や大規模マルチモーダルモデル(LMM)などの生成A
カール大帝とフランク王国と言えば、高校の世界史でも大きく扱われるし、800年の「カールの戴冠」はセンター試験にも登場します。 メロヴィング朝のカール・マルテルがイスラム軍を打ち破った732年の「トゥール・ポワティエの戦い」や、前王のピピン3世が行った「ピピンの寄進」もめちゃくちゃ有名です。 これだけ後のヨーロッパに大きな影響を与えた事柄をが起こったフランク王国ですが、日本ではあまりこの時代は人気がないというか、あまり知名度がない気がします。 Work by cyberprout後世に与えた影響の大きさもそうですが、西はブルターニュ・東はパンノニアまで制覇した軍事力、東方世界との関係の深さはかなり面白く、歴史好きは是非知っておいたほうが楽しいと思います。 1. カロリング朝の成立カール大帝の系譜で有名な人物は、祖父カール・マルテル、父ピピン3世ですが、記録上最も古く遡れるピピン一族の者は、現
いいよね! 西日本の美術館・博物館! 関西というくくりからは外れちゃうけど、ワイは以下が好き。 SSR:滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)琵琶湖の「生活の場」としての人文的側面と古代湖としての自然的側面を両方堪能させてくれる超贅沢な博物館。琵琶湖湖畔で営まれた長い年月にわたる人々の暮らしを堪能したあとに、古代湖という環境で育まれた多種多様な固有種が展示されていて、歴史も生物も好きなワイは大歓喜だった。ビワコオオナマズとかイワトコナマズとかホンモロコとかワタカとかニゴロブナとかの琵琶湖固有種、どれもここで初めて見たし、水槽での遊泳の展示だけじゃなくて固有種を使った郷土料理についての展示もあるのがもう文理融合って感じで素晴らしいのよ。さらにさらに古代湖繋がりで世界各地の古代湖の生き物が展示されていて水族館としても楽しめる最高の施設。マラウィ湖の色とりどりの熱帯魚キレイ~~~~~バイカルアザラ
ロシアを仮想敵国として軍備を増強 1970年から1980年代にかけて、フィンランドの国防予算は6倍に膨れ上がり、空軍、海軍の刷新を中心に、国防力の整備が進められた。 冷戦後の軍縮の流れも、フィンランドには波及しなかった。国防費の対GDP比は、ウクライナ全面侵攻前の2021年にすでに1.85%に達していた。ウクライナ侵攻後にはさらに、国防費を2023年からの4年間で約22億ドル増額すると決定した。 北欧の雄と目されるスウェーデンに比べてフィンランドは、人口もGDPも約半分に過ぎない。だが、その国力に比して強大な軍事力を維持整備してきた。 これに対して、冷戦が終結してからのスウェーデンの国防政策は、国防費の削減、多くの基地の閉鎖など、フィンランドとは異なる側面を持っていた。ゴットランド島も非武装化された。軍隊の運用についても、冷戦期の総合防衛から、危機管理、国際的貢献へと位置付けを変えた。 象
共同体というものは概して、自分たちの「トップのあるべき姿の文脈」を独自に持っています。 それは血縁だったり思想や宗教的連続性だったりするのですが、これをちゃんと持っとかないと絶対に納得しない奴が出てくる。揉めて共同体がまとまらない。下手すりゃ内乱にもなる。 なので「こういう理由でオレがトップなのである。分かったね」と言う必要があります。 日本の天皇も含め、正当性などは結局は神話でしかないのですが。 今回は最も歴史が古い国の一つである、イランの支配正当性についてまとめます。 1. 王者に付帯される「クワルナフ」Photo by Photo Ginolerhino 2002イランの王は必ず「クワルナフ」というものを宿しているとされます。 クワルナフは日本語に訳すと「光輪」みたいな意味なのですが、時には目に見える形で現れるし、目に見えない場合もある。上記の写真だと、2人の人物が互いに持つ「輪っか
なぜ古代世界には「去勢」の風習があったのか? 去勢された者はどんな存在と見られていたのか? 古代ローマ世界での場合を中心に、イスラエル紙「ハアレツ」の考古学記者が深掘りする。 世界で初めて故意になされた雄の去勢が何だったかは、永久に不明のままだろう。現代の歴史家たちは、去勢は畜産から始まったと示唆している。それは、望ましくない繁殖を減らし、より穏やかで、より肥えた牛や豚を生み出すためだったというのだ。 人間の男性の去勢はどうやら、罰の一種として最初に導入されたようだ。古代の史料は、誰が最初にそれを始めたのかを明快に語っている。これほど倒錯したことを思いつけるのは、女しかいないだろうと──。 ギリシャの歴史家ヘラニコス(前5世紀末に著述活動)は、アケメネス朝ペルシア(前550〜前330年)の王妃アトッサ(在位前520〜前486年)が最初の宦官を生み出したとしている。古代ローマ後期、ローマの住
奈良市にある平城京の跡地から、ちょうど1300年前の聖武天皇即位の儀式を記した記録・木簡が発見されました。 奈良市の平城宮跡の穴から見つかったのは、奈良時代に書かれた木簡、約1000点です。奈良文化財研究所が、去年10月から穴の発掘を始め、木簡を発見。土を洗い流していたところ、「大嘗分」と書かれた木簡が複数見つかりました。 「大嘗祭」とは、天皇の皇位継承にまつわる儀式で、いまの天皇陛下ご即位の際も執り行われました。国や民の安寧や農作物が豊かに実るよう祈る儀式ですが「秘儀」として、その全貌は皇室の外には明かされていません。 今回見つかった木簡は、今からちょうど1300年前、724年に聖武天皇が即位した際の「大嘗祭」に関する記録です。木簡には、聖武天皇の「大嘗祭」の為に運ばれた品々、「炭」や「魚」などの文字が確認できました。 今回の発見は、1300年前も今と同じく「大嘗祭」が執り行われていた考
歴ログは「はてなブログ」での活動を停止します 「はてなブログ」にある「歴ログ-世界史専門ブログ」は2024年3月をもって完全に活動を停止し、noteにコンテンツを移行していきます。 また、noteでは新たな領域のコンテンツ発信を行なっていくつもりです。 歴ログの歩み 「歴ログ-世界史専門ブログ-」は、2014年8月、「はてなブログ」でスタートしました。 当時はネット上にテキストで気軽に読める世界史のサイトは数少なく、エンタメとアカデミックを混ぜたコンテンツには需要があるのではという狙いがありました。 マネタイズだけではなく、社会課題的な目的もあります。私は元バックパッカーなんですが、若い人が海外に関心を持たなくなって内向きになっているなと危機感を感じていました。もっと海外への関心を持ってもらいたいという思いが強くありました。それは今でも根強くあって、10年間発信を続けられた原動力の一つです
世界中の人を虜にする甘いドーナツの誘惑 ドーナツの消費量は世界で増加傾向にあります。 世界のドーナツ市場は2021年で157億8000万ドル(2兆3354億円)に達し、2028年にかけて年間3.4%で成長すると見込まれています。 日本では、かつてはミスタードーナツがどこでもありましたが店舗数が減り、その代わりにコンビニやスーパーで気軽に買えるようになりました。 今回はドーナツの歴史を紐解いていきます。 1. アメリカ人とドーナツ ドーナツの本場・本家はアメリカです。 2020年のアメリカのドーナツ消費者数は2億1002万人。国民の約64%がドーナツを食っていることになります。また、2022年のアメリカのドーナツ市場の規模は75億ドル(1兆1100万円)だそうで、冒頭の数字に照らし合わせると、世界の市場規模の約半分がアメリカにある計算です。 アメリカ人の3分の1以上(37%)が毎月少なくとも
2024年2月5日、フィンランドの老舗ガラスメーカーイッタラが新しく生まれ変わることを発表したのですが、これがフィンランド中で大きな議論を巻き起こしています。 わたしも思うところがたくさんあったので、いったい今何が起きているのか整理して、なるべく中立的な目線からブログを書いてみようと思いました。 まず何が新しくなったのかは、大きく分けて3つと言えると思います。 ロゴ カラー コンセプト 加えて、ittala Facebookより引用 Finnish Design Shopより引用 最もわかりやすいのが、そのロゴ。 1956年にティモ・サルパネヴァがデザインしたこのあまりに有名なロゴ(左)は、吹きガラス職人が使う吹き竿と、竿の先の熟せられたガラスの玉をイメージしたものです。 およそ70年
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