今回見つかった顎骨。エチオピアのアファール地域におけるヒト属の最初のメンバーが、かつて考えられていたよりも50万年前に存在していたことになる。(PHOTOGRAPH BY KAYE REED) ヒト属の起源を知る重大な手掛かりとなる2つの化石が、3月4日付『Science』誌と同日付『Nature』誌にそれぞれ発表された。 どちらも下顎骨の化石で、一方はエチオピアで2013年1月に発掘されたばかりの化石、もう一方は半世紀前に発見された重要な標本をCGで復元したものである。これらの化石は、我々が属するヒト属(ホモ属)が猿人(アウストラロピテクス)からいかに進化したかについて、新たな証拠を与えてくれる。 ヒト属の起源50万年さかのぼる エチオピアで発掘された化石は、東アフリカでのヒト属の出現を、これまでよりも50万年近くさかのぼらせ、280万年前とするものである。これは、アウストラロピテクス・