ミナス油田
読み方: みなすゆでん
【英】: minas oilfield
【英】: minas oilfield
インドネシア・スマトラ島中部、リアウ州パカンバル市北方約 20km(陸上)にあるインドネシア最大かつ東南アジア最大の油田。 太平洋戦争が始まる前に NPPM 社の手で試掘位置の選定が完了していた本地域において、開戦後進駐した日本軍が掘削した試掘井により発見されたが、生産には至らなかった。1950 年代に入りカルテックス社により作業が再開され、1954 年に生産が開始された。 地質区としては中スマトラ盆地(背弧盆地)に属し、集油形態は基盤岩の地塁上に形成された背斜構造、集油面積は約 230km2。油層は第三紀中新世シハパス層群中の数枚の砂岩層で、深さは 600 ~ 750m 。究極可採埋蔵量は約 72 億バレルと見積もられている。原油はパラフィン基でワックス分を多く含み(約 18 %)、流動点は+32.2 ℃と極めて高い。原油比重 34.4°API、イオウ分 0.09 %。 生産された原油は、ドゥリ油田を経てドゥマイ港まで送られる。油層温度が高いため生産時の粘性はさほど高くはないが、送油時の凝固を防ぐためパイプラインには加熱設備が施されている。 産油量は 1974 年がピークで 42 万バレル/日台を記録した後減退し、2000 年以降は 10 万バレル/日前後で推移している模様。これまでに上記究極可採埋蔵量の 60 %が生産済みと仮定すれば、累計生産量は約 43 億バレルと算定される。 主文献『東南アジアの石油産業』(1981)、『世界の大油田』(1984)、『石油地質・探鉱用語集』(1989) (齊藤 隆、2006 年 3 月) |
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