M-4Sとは? わかりやすく解説

M-4Sロケット

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/26 02:52 UTC 版)

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M-4Sロケット
M-4Sロケット
機能 人工衛星打ち上げ
製造 東京大学宇宙航空研究所
日産自動車
開発国 日本
大きさ
全高 23.6メートル (77 ft)
直径 1.41メートル (4 ft 8 in)
質量 43,600キログラム (96,100 lb)
段数 4段
積載量
低軌道への
ペイロード
180キログラム (400 lb)
関連するロケット
シリーズ ミュー
派生型 M-3C
打ち上げ実績
状態 引退済
射場 内之浦宇宙空間観測所
総打ち上げ回数 4
成功 3
失敗 1
初打ち上げ 1970年9月25日
最終打ち上げ 1972年8月19日
特筆すべきペイロード たんせい
1 段目
全長 23.557m
直径 1.41m
グロス重量 43710kg
推力
比推力 219秒
燃料
ブースター
No ブースター 2
全長 5.794m
直径 0.31m
グロス重量 4166kg
推力
比推力 219秒
燃料

M-4Sロケット(ミュー4エスロケット)は、東京大学宇宙航空研究所(以下、東大)が日産自動車宇宙航空事業部(以下、日産)と共同開発、日産が製造、東大が運用した4段式固体燃料ロケットである。内之浦宇宙空間観測所から4基打ち上げられ、3基が成功。M-4Sの実機大予備試験機であるM-1,M-3Dについてもこの項で記述する。

技術的特徴

L-4Sロケットの技術を元に開発された。全段が誘導装置を持たない固体燃料ロケットから構成され、無誘導方式(重力ターン方式#無誘導重力ターン)による衛星軌道投入を行う。打ち上げランチャーとの関係上、第2段目に尾翼を装着出来ず、打ち上げ後、第2段後端部に傘状に開くフレアによって姿勢安定を行う。また第一段目の尾翼も、ロケット本体との相対面積はL-4Sのそれより小さい。このためL-4Sより飛行安定性は低下しているが、推力の余裕による軌道設計の最適化により、衛星軌道投入確率は確保できている。M-4Sの各号機は、基本的に、すべての衛星が近地点700km付近、遠地点2500~4500km付近(遠地点は、衛星重量により大きく変化する)を「目標軌道」として打ち上げられた(この軌道の場合、風に流されたとしても衛星軌道が成立する可能性が最も高く、95%を越える)。投入した衛星の重量が、全てカタログ上の低軌道打ち上げ能力の半分以下であるのは、この為である。

初号機は1970年(昭和45年)9月25日に打ち上げられたが、衛星の軌道投入に失敗。2号機から4号機は1971年(昭和46年)2月から1972年(昭和47年)8月にかけ打ち上げられた。

仕様

カッコ内は参考としてL-4Sのもの。

  • 全長:23.6m(16.5m)
  • 直径:1.41m(0.735m)
  • 重量:43.6t(9.4t)
  • 低軌道打ち上げ能力:180kg(26kg)

打ち上げ実績

名称 打上げ日時
(JST)
成否 積荷 重量(kg) 目標軌道
近-遠地点
軌道傾斜角
衛星の軌道
近-遠地点
軌道傾斜角
備考
1号機 1970年9月25日 失敗 科学衛星(MS-F1) 機体のスピン過大によって第4段点火以降のシーケンスが実行できず軌道投入に失敗
2号機 1971年2月16日 成功 たんせい(MS-T1) 63 近620km
遠4,338km
傾斜角31.2°
近989km
遠1,109km
傾斜角30°
試験衛星
3号機 1971年9月28日 成功 しんせい(MS-F2) 66 近707km
遠3,156km
傾斜角31.2°
近874km
遠1,871km
傾斜角32°
日本初の科学衛星
4号機 1972年8月19日 成功[1] でんぱ(REXS) 75 近710km
遠2,657km
傾斜角31.2°
近240km
遠6,570km
傾斜角31°
電波探査衛星
ランチャー設定角度と実際の角度に、約2°の誤差があったのが軌道誤差の主因

予備試験機

M-4Sの開発の為に2機の予備試験機によるシステム全体の飛翔試験が行われた。

M-1

1966年10月31日打ち上げ。第1段モータM-10,補助ブースター及びそれらの周辺システムの予備試験機。上段はダミー。高度50kmに到達した。

仕様
  • 全長:21.9m
  • 直径;1.41m
  • 重量:40t
  • 構成:SB-310 + M-10 + M-20D + M-30D + M-40D

M-3D

1969年8月17日打ち上げ。第2段モータM-20,第4段モータM-40及びそれらの周辺システムの予備試験機。第3段はダミー。高度160kmに到達した。

仕様
  • 全長:23.6m
  • 直径;1.41m
  • 重量:40t
  • 構成:SB-310 + M-10 + M-20 + M-30D + M-40

出典

外部リンク


M-4S

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ミューロケット」の記事における「M-4S」の解説

詳細は「M-4Sロケット」を参照 ミューロケットシリーズ第1世代4段無誘導衛星打ち上げロケット低軌道に180kgのペイロード打ち上げることが可能である。1970年から1972年の間に4機が打ち上げられ1971年以降の3機が成功した

※この「M-4S」の解説は、「ミューロケット」の解説の一部です。
「M-4S」を含む「ミューロケット」の記事については、「ミューロケット」の概要を参照ください。

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