Hello worldとは? わかりやすく解説

Hello world

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 15:43 UTC 版)

LEDライトの発光を用いた"Hello, World!"の表示

Hello world(ハロー・ワールド)は、画面に「Hello, world!」やそれに類する文字列を表示するプログラムの通称である。多くのプログラミング言語において非常に単純なプログラムであり、プログラミング言語の入門書で、プログラムを動かすためのプログラミング言語の基本文法の解説例として提示される。

利用目的

ハロー・ワールドは伝統的にプログラミング言語をプログラム初心者に紹介するために使われる。また、ハロー・ワールドはプログラミング言語が正しくインストールされていること、およびプログラミング言語の使用方法を理解するための健全性テストにも使用される。

プログラミング言語C』(第2版)では、初めに「新しいプログラミング言語を学ぶ唯一の道は、それでプログラムを書いてみることである」との考えが示され、プログラムを入力して実行し、出力を確認することを習得すれば、言語の他の要素を学ぶことは容易だと訓示される。そして、「hello, world という単語を印字せよ」との例題が示される。この例題について、まずプログラムのソースコードが示され、次にUNIXにおける典型的なコンパイル・実行方法が例示される。そして、このプログラムの詳細が解説される[1]

大抵のプログラミング言語の入門書では、このプログラムを作ることを最初の例題としており、ほとんどの場合、新しくプログラミング言語を習得する際に最初に作るのがこのプログラムである。そのため、「世界一有名なプログラム」と呼ばれることもある[要出典]

歴史

ブライアン・カーニハンによる"Hello, world"プログラム (1978)

プログラミングできるコンピュータの開発以来、小さなテストプログラムは存在してきたが、テスト文言として「Hello, World!」を使う習慣はブライアン・カーニハンデニス・リッチーによる著書「プログラミング言語C」(1978年)[2]のC言語バージョンから始まったと言われている。同著書のプログラム例はhello, world(大文字なし、感嘆符なし)を標準出力に出力する。この例はブライアン・カーニハンがまとめたベル研究所の内部資料「Programming in C: A Tutorial」(1974年)[3]を継承したものである。

#include <stdio.h>

main( )
{
  printf("hello, world\n");
}

C言語バージョンの以前にはカーニハンの前著「A Tutorial Introduction to the Language B」(1973年)での例があったが、存在が知られている最初のバージョンのプログラムは外部変数を説明するための例だった。プログラムはターミナルに改行を含むhello, worldを出力するものだった。B言語では文字数の長さがASCII文字の4文字までという制限があったため、文言は複数の文字列に分割されていた。前節の例はターミナルにhi!を出力するもので、hello, worldという文言はそれを表す為に複数の文字列を必要とする少し長い挨拶文として紹介された。

main(){
  extrn a,b,c;
  putchar(a); putchar(b); putchar(c); putchar('!*n');
}

a 'hell';
b 'o, w';
c 'orld';

hello, worldの起源はBCPL(1967年)であるとも言われている。この主張はBCPLの発明者ブライアン・カーニハンマーティン・リチャーズアーカイブノートに依るものである。

モダンな言語においてHello Worldは洗練された変化を遂げている。例えば、Go言語は多言語対応プログラムを紹介し[4]Sun JavaSVGで文言を表し[5]XL言語は3Dグラフィックの地球で見せている[6]hello, worldの出力には、PerlPythonRubyのような言語では一行だけを必要とするかもしれないが、一方で低レベルのアセンブリ言語では数十行の命令を必要とする。マーク・ガスディアル英語版とエリオット・ソロウェイは、グラフィックスやサウンドがテキストより簡単に操作できるようになり、「Hello, World!」のテスト文言が過去のものとなる可能性があることを示唆している。

種類

PSP Homebrew実証実験のためのハロー・ワールド

この文言は句読点頭文字の異なる多数の種類が存在している。その種類はコンマ「,」や感嘆符「!」の有無、頭文字の「H」および「W」が大文字かどうかを含む。いくつかの大文字のみサポートするシステム上の言語では「HELLO WORLD」のように異なる形式の実装を強制し、難解プログラミング言語でのハロー・ワールドはわずかに修正された文字列を出力する。「Hello, world!」以外の文言でも良いので、同様の意味で英語圏で用いられるスラング「Howdy」を使って、「Howdy, World!」が用いられることもあり、日本語プログラミング言語では「Hello World」を直訳した「こんにちは世界」が用いられることもある。

利用目的にも異なる種類がある。LISPMLHaskellのような関数型プログラミング言語では、再帰手法を強調する関数型プログラミングの実例として利用されることがある。一方で、オリジナルの例は副作用を伴った純粋関数型言語に違反した入出力の例として見られる。アセンブリ言語C言語VHDLのような組み込みで使われる言語では、文言を出力することが追加のコンポーネントや他機器との連携なしでは難しい、もしくは、その手法が存在しないことの例として用いられる。マイクロコンピュータ (マイコン)・FPGACPLDなどの機器では、制御間隔と機器連携を実験するLEDの発光(Lチカ)が文言出力の代わりに利用される。

DebianUbuntuaptパッケージシステムでハロー・ワールドプログラムを提供している。利用者はapt-get install helloと入力すると依存ソフトウェアと一緒に同プログラムがインストールされる。それ自身には意味はないが、そのプログラムが健全性テストを提供すると同時に、初心者にパッケージのインストール方法を伝えるシンプルな例となる。しかし、開発者にとってはより重要な利便性があり、手作業だったりdebhelperを使ってのdebパッケージの作り方の良い例であり、GNU Helloを使ったバージョンはGNUプログラムの書き方の例となる。

脚注

  1. ^ 『プログラミング言語C 第2版』(訳書訂正版)「第1章 やさしい入門」
  2. ^ Kernighan, Brian W.; Ritchie, Dennis M. (1978). The C Programming Language (1st ed.). Englewood Cliffs, NJ: Prentice Hall. ISBN 0-13-110163-3 
  3. ^ Programming in C: A Tutorial”. 28 November 2016閲覧。
  4. ^ A Tutorial for the Go Programming Language. Archived July 26, 2010, at the Wayback Machine. The Go Programming Language. Retrieved July 26, 2011.
  5. ^ Jolif, Christophe (January 2003). “Bringing SVG Power to Java Applications”. Sun Developer Network 
  6. ^ de Dinechin, Christophe (July 24, 2010). “Hello world!”. Grenouille Bouillie. 2018年2月4日閲覧。

外部リンク


Hello,world!/コロニー

(Hello world から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 00:12 UTC 版)

「Hello,world!/コロニー」
BUMP OF CHICKENシングル
初出アルバム『Butterflies
A面 Hello,world!
コロニー
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル J-POP
時間
レーベル トイズファクトリー
作詞・作曲 藤原基央
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • オリコン
    • 週間2位
    • デイリー1位
    • 2015年4月度月間3位
    • 2015年5月度月間21位
    • 2015年度上半期15位
    • 2015年度年間28位
  • Billboard JAPAN
    • 週間1位Hot 100
    • 週間1位(Top Singles Sales)
    • 週間1位(Hot Animation・3週連続)
    • 2015年度年間17位(M1、Hot 100)
    • 2015年度年間11位(Top Singles Seals)
    • 2015年度年間3位(Hot Animation)
  • 週間1位サウンドスキャン
BUMP OF CHICKEN シングル 年表
  • Hello,world!/コロニー
  • (2015年)
ミュージックビデオ
「Hello,world!」 - YouTube
「コロニー」 - YouTube
テンプレートを表示

Hello,world!/コロニー」(ハローワールド!/コロニー)は、BUMP OF CHICKENの24枚目のシングル2015年4月22日トイズファクトリーから発売された。

概要

パレード」以来約5ヶ月ぶり、またCDシングルとしては「firefly」以来約2年7ヶ月ぶりのリリースとなる。通算5枚目の両A面シングル

「コロニー」のスタジオライブ映像が収録された初回限定盤(曲順が入れ替えられ「コロニー/Hello,world!」となる)、「Hello,world!」のスタジオライブ映像が収録された期間限定盤(2015年4月~6月の限定生産)および通常盤の3種類の形態で発売された。期間限定盤はBUMP OF CHICKENのCD商品として初めてのデジパック仕様となっており、『血界戦線』のイラストを使用した16Pのブックレットがセットされている。

また、初回限定盤と期間限定盤、通常盤の初回生産分には、本作のリリース記念ライブのチケット購入応募券が封入されている。

本シングル以降、配信限定シングルのリリースが中心となっていたため、「話がしたいよ/シリウス/Spica」がリリースされるまで、約3年半の間、CDシングルがリリースされなかった。

収録曲

  • 全曲作詞・作曲:藤原基央 編曲:BUMP OF CHICKEN
  1. Hello,world! (4:15)
    テレビアニメ『血界戦線』のオープニングテーマとして書き下ろされた。アニメ放送開始に合わせオープニングサイズが2015年4月5日より配信限定でリリースされ(シングルテイクとは別バージョン)、さらにフルバージョンも4月29日に配信リリースされた。BPMは211でBUMP OF CHICKENのシングルの中では最速級である。MV東市篤憲番場秀一による共作となっている[1]
  2. コロニー (5:14)
    映画『寄生獣 完結編』の主題歌として書き下ろされた。ピアノをメインとしたバラードである。2014年3月に藤原が肺気胸を起こし入院した際の実体験が歌詞の一部となっている[2]。MVは前作「パレード」に引き続き山崎貴八木竜一による共作。

隠しトラックは、初回限定盤のDVD・期間限定盤のDVDにそれぞれショートムービーが、通常盤のCDに「オマール」(作詞・作曲:BUMP OF CHICKEN)が収録されている。初回限定盤・期間限定盤のCDには収録されておらず、BUMP OF CHICKENのシングルのCD面に隠しトラックが収録されないのは「Smile」以来2例目となった。

チャート成績

4月21日付のオリコンデイリーランキングでは78558枚を売り上げて2位にランクイン。翌22日付では1位に浮上し、2日間で10万枚を突破した。5月4日付のオリコン週間ランキングでは初動150,417枚を売り上げて初登場2位にランクインした。前作「firefly」の初動7.9万枚を約7.1万枚も上回る大ヒットとなった。今作で22作連続TOP5入りを記録。 累計枚数は20.9万枚で、シングルでは3年半ぶりに20万枚を突破した。

サウンドスキャンの週間ランキングでも1位を獲得した[3]。さらにビルボードにおいてもHOT 100・Hot Singles Sales・Hot Animationの三部門全てで1位を獲得した[4][5]

カバー

脚注

出典

外部リンク


Hello world

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 22:03 UTC 版)

F Sharp」の記事における「Hello world」の解説

(* これはコメント *)// 1行コメント。(* Hello world プログラム *)printfn "Hello World!"

※この「Hello world」の解説は、「F Sharp」の解説の一部です。
「Hello world」を含む「F Sharp」の記事については、「F Sharp」の概要を参照ください。

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