東レ「うちは昭和のサラリーマン」上司ガチャ&360度評価ナシ
有休残業セクハラパワハラ品質不正…ガバナンス欠如な滋賀の田舎企業
ガバナンス関連のESGデータ |
東レのガバナンスについて、ある関西の事業所で有名なエピソードがある。「子会社の社長が、その会社の女性社員に、『USJ行こう』としつこく誘って、それがセクハラだとして証拠付きでホットラインに内部通報された――という話があって、その社長は全くお咎めナシ、女性社員のほうは会社を辞めざるを得なくなった、という事件があったそうです」(中堅社員)
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役員がパワハラ体質
コンプラ17件、ハラスメント49件、その他23件…と内部通報件数は公開しているが(2023年3月期)、その後の対応状況が不明では、意味がない。
「通報があっても会社が解決のために対応しませんから、コンプライアンスが機能していません。そもそも、役員自身にパワハラ常習者が多いですから。十数人の部下を病院送りにした有名な役員も知っています。クラッシャー上司が多い会社です」(同)
原因は、今どき、「360度評価すら導入されていないから」という不作為、やる気のなさにあるという。この規模の大企業では、珍しい。あの無法地帯だった電通や、品質不正とパワハラ自殺が続出した三菱電機ですら、過去5年のうちに再発防止策として導入済みだからだ(実際に機能しているかは要検証)。
大手商社やメガバンクも大半が導入済み。いまや、360度評価ナシ=「パワハラ・セクハラ容認企業の証」ともいえる時代で、昭和のまま放置では、経営陣に不作為の罪が問われかねない。このあたり、滋賀の田舎企業臭が漂う。
「360度評価がないなかで、部長とその上の部門長の人事評価で課長のボーナス額も決まりますから、上の言いなりになる構造があります。上ばかり見ていて、歯止めが何もない。無茶な仕事を振って、残業代はつけさせない上司とか、実際にいます。それでホットラインに通報があっても、『注意』で終わらせ、降格や異動にはなりません。パワハラやセクハラで降格になった、という話は、聞いたことがないですから。ウチは『昭和のサラリーマン』なんです。24時間働けますか、と」(同)
実際、どういうことが起きているのか。
「私が知っている課長が、上司によるパワハラでうつ病状態になってしまいました。リモートワークをしたら、『あなたは在宅で勤務していると思えません』と一方的に言われて詰められたり、
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ESGデータのS(社会関連)。有休消化率93.2%(全社平均)と開示。
東レ「働く」重要指標。有休消化率や残業時間は、社員の証言を聞く限り、とても実態を表しているとは言いがたい。
東レ史上初の女性取締役が誕生した。滋賀の田舎企業も、グローバル株式市場の圧力には勝てない。(東レ公式サイトより)
職種と勤務地。職種別採用は法務と経理で実施する年もあるが、事務系は基本ガチャ。(2024年度新卒採用募集要項より)
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