ああ、毎日8時間も眠れない...睡眠不足だな、と感じている方に朗報です。

ネリーナ・ラムラクハン博士によると、睡眠は量より質が大切だとのこと。今回は睡眠の質を高めるコツを紹介します。 

睡眠に悩んでいる人は多く、イギリスでは睡眠薬を使う人が、2009年に2割も使用する人が増えました。最近の睡眠薬は依存性が低くなっているので、医者も処方することが増えているのだとか。

Tired But Wiredという、より良い睡眠のために必要なこと(昼寝やリラックス、運動など)を紹介する本を上梓したラムラクハン博士は、このようなコメントを寄せています。

睡眠についておすすめの本を聞かれても、これという本が見つからなかったので、書くことにしました。自分も睡眠に悩まされた経験があるので、眠れなくて疲れがとれずに起きる朝のつらさが分かります。そこで、睡眠に関する迷信を明らかにして、本当におすすめしたいことをこの本に書きました

ラムラクハン博士によると、一番の迷信は、私たちは1日に7、8時間の睡眠時間が必要で、夜中に目覚めてはならないという考え方だそうです。「明け方に目が覚めるのは普通のことです。それにテストの前日に寝なくても、学生は普通に活動できます。私はプロのサッカー選手にも、大切な試合の前の日に眠れなくても、試合では問題なく動けるので、心配しないで、とアドバイスしています。」

では、睡眠の鍵になることは? これから項目別に紹介します!

 

 

[食べ方]

寝る直前に食べてはいけない、というのは一般的に信じられているほど重要ではありません。より重要なのは、ちゃんと朝食を食べること。ちゃんとした時間に食べることは、体の新陳代謝を整える上でとても大切です。「寝る前に食べないことや、レタスやツナを食べないことが良い睡眠につながるという、間違った考えが広まっていますが、もっと重要なことは、ちゃんと朝食を食べること。朝食を食べると新陳代謝がきちんとした時間に始まり、その後のリラックスの時間や眠るべき時間に体がそう反応してくれます。」(ラムラクハン博士)

[睡眠時間の長さ]

マーガレット・サッチャー元首相は「1日4時間眠れば大丈夫だ」と言っていたというのは、有名な話です。でも、誰かに必要な睡眠時間が自分に必要な時間と同じだとは限りません。ポイントは、その時の状況に応じた必要な睡眠時間に合わせて眠ること。1日に1回練習するプロのサッカー選手は、デスクワークをしている人よりも長く眠る必要があるかもしれないし、同じ人でも、4時間で大丈夫な時もあれば、7、8時間は必要な時もくるかもしれません。大事なのは、自分の体がどのくらいの睡眠時間を必要としているか、感じ取ることです。

[昼寝]

ウィンストン・チャーチル元首相は、睡眠時間をケチるタイプでしたが、昼寝は好きでした。深い眠りに落ちなくても、昼寝をすることはリラックスすることを助け、体を回復させ、必要な時に力を出すことができるようになります

[夢]

夢は、記憶を整理するために重要な役目を果たしています。だから、ひどい悪夢を見た時も、それを受け入れる必要があるのかもしれません。というのは、悪夢は解決する必要がある問題を暗示していると言われているのです。「夢を友達のように思いましょう。42歳から49歳くらいのクライアントで自分の人生の意味について悩んでいる方の多くが、たくさん夢を見ています。それは潜在意識の中で人生の次の道筋を伝えようとしているのです。夢は役立つことがあるのです。」

[場所]

人間は狩猟採集をして生きてきたので、眠る前に安全を確認するようになっています。人によってはホワイトノイズ(すべての周波数成分の大きさが同じノイズ)があるとよく眠れることがあります。また、耳栓なども有効なことがあります。ポイントは、邪魔になる物事をなくして、脳に、その状況が安全なことを伝えることです。

[運動]

適度な運動をおこなうのがポイントです。休みすぎると嗜眠状態(異常に眠い状態または嗜眠の状態)になります。逆に、運動し過ぎると肉離れや極度の疲労状態に陥ってしまう可能性があります。コンピュータのモニターを8時間見続けている状態だと、脳を疲れさせてしまうので、運動することで緊張をほぐし、体を寝る時に寝やすい状態にすることができます。また、運動は気分を明るくする幸福ホルモンを作り出します。「運動は、入眠を助ける効果のあるアデノシンとメラトニンのようなホルモンの複雑な調合を助けます」とラムラクハン博士は述べています。

今回のコツを参考に、質の良い睡眠をとるように心がけましょう!

Don't sleep longer - sleep smarter [The Independent]

Kevin Purdy(原文/訳:阿久津美穂)