Inc.優れたリーダーにとって、最も重要な資質は何でしょうか。「それは大した謎ではない」と、著書『WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う』やTEDでの講演でも有名なサイモン・シネック氏は、世界ビジネス・フォーラム(World Business Forum)で述べています。

人のやる気を引き出す講演者かつ著者として、講演で語っているように、その資質は「無欲さ」「共感」「チームの不安を管理する能力」の3つに要約できます。以下、各資質について説明し、それらの資質を養うことが重要である理由を見ていきます。

1. 無欲さ

人は、信頼する人々が周囲にいてくれることを好みます。「人は常に周囲の人々や組織を評価しており、自分勝手だなと感じれば安全な距離を保とうとするのです」とシネック氏は述べています。

一方で、無私無欲な人やブランドと関係を持ちたがる傾向もあります。そのような人との絆を築き、信頼を構築することは重要なのですが、時間もかかります。シネック氏は「その傾向を決める責任は自分にあることを忘れないでください」と警告しています。

「リーダーが自分を犠牲にしているような環境では、人々も自分を犠牲にして応えようとします。リーダーであるということは、ライフスタイルを決定することです。それは人の世話をしようという気持ちがあるということでしょう」

2. 共感

他人の面倒を見るということについて言えば、「お互いのために良いことをすればするほど、ますます良いことをしたくなるものです」とシネック氏。彼は、ある男性の鞄から、書類がすべり落ちてバラバラになったのを拾ってあげた時のことを詳しく語ってくれました。シネック氏は男性から感謝されましたが、それにとどまりませんでした。シネック氏の行動は、それを見た人にも、親切なことをしたくなる気持ちを与えたのです。親切は親切を生みます。誰かのためにドアを押さえておく、ポットでコーヒーを沸かす、自分のレーンに他の車を入れてあげるというようなこともそうです。

シネック氏は言います。「自分のことよりも他人を優先する。これがリーダーシップの訓練なのです。」

3. 苦しくても優雅に

ストレスや不安は、人から誠実さを奪い、職場においても効率を下げる十分な要因となります。体内にコルチゾールをはじめ、その他の不安を生成する化学物質が蓄積すれば、「生物学的に共感や信頼を低下させてしまうことになる」とシネック氏は言います。

そのようなリーダーにはならないでください。自分の部下に恐怖と不安を起こさせるようでは、信頼を得ることなど到底できないでしょう。解決法は明確です。自分自身のストレス管理に取り組み、理想のリーダーになるよう努力することです。チームのみんなから感謝されるに違いありません。

Simon Sinek: These Are the 3 Most Valuable Leadership Traits | Inc.com

Jill Krasny(訳:Conyac

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