もう、容量制限に怯えなくていい、安心感。
先日、「スマホの2台持ちがやめられるかも」とこちらの記事で紹介した、ぷららの「定額無制限プラン 音声通話プラス」。データ容量無制限、さらに音声通話も付いているSIMサービスです。
簡単におさらいすると、月額3,460円(税抜)で上下3MbpsのLTEデータ通信が使い放題。そして音声通話が30秒20円でできるというプランなのです。
NTTドコモの回線を利用しているので、XiエリアとFOMAエリアに対応。日常生活において、ネットや電話がつながらないという不安はほとんどないと言ってもいいでしょう。
3Mbpsという日常の使用にはほぼ困らないスピードで、データ容量無制限。この記事の執筆を仕事として担当したのですが、正直、個人的に興味津々で契約して使おうかどうか迷っております。仕事柄、外でデータ通信やテザリングを使っての通信をすることが多いため、データ容量の制限は気になるところ。3Mbpsとはいえ、無制限なのはとても気になります。
そんな悶々とした日々を過ごしているとき、NTTぷららさんから検証用にSIMカードをお借りすることができました。ありがとうございます!
実は、このプランを契約したらやりたいことがあったんですよ。それは、「24時間連続データ通信」です。
だってデータ通信無制限だったら、24時間ずーっと大容量ファイルをダウンロードし続けても大丈夫なはずですよね? ということで、さっそく実行してみました。その名も「データ容量無制限はほんとうか? 大容量ファイル24時間連続ダウンロードにチャレンジ!」です(長い)。
24時間連続ダウンロードにチャレンジ
テストは以下のように行いました。
1. 18.9GBのZIPファイルをDropboxにアップロード2. 「定額無制限プラン」のSIMカードをSIMフリーNexus 5にセット
3. PCからテザリング接続を行い、約24時間連続でファイルをダウンロード
4. テスト後、日付が変わってからスピードテスト
データ容量無制限ならば、大量のダウンロードを行っても翌日快適にデータ通信ができるはず。ほんとは1ヶ月くらいずっとダウンロードし続けたかったのですが、さすがにそれはいろいろと難しい面があるので、今回は24時間といたしました。実際の利用を想定してテザリングでテスト開始です。
ということで、その様子をタイプラプス動画にしましたのでご覧ください。
ダウンロード中にトラブルがあった場合に速やかに対応できるよう、2人体制で状況を確認。ギズモードのオフィスに泊まりこんでテストを行いました。
前半と後半で画角が違うのは、前半で使っていたデジカメがシャッターユニットの故障で使用不可となったため(何もこの日に故障しなくても…)。後半は、サブとして撮影していた別角度のカメラ映像に切り替えています。
テストを開始したのは、午後4時50分ごろ。午後11時すぎに、データ通信が遅くなりタイムアウト。この時点で約700MB分をダウンロード。すぐにダウンロードを再開したところ、問題なくリスタート。以後、翌日午後4時までに合計約4.7GB、約DVDメディア1枚分のファイルがダウンロードできました。
さすがに20GBを一度にダウンロードするのは難しかったのですが、ほぼ24時間連続してファイルダウンロードができました。
さて、翌日です。前日までに5GB近いファイルをダウンロードしていますが、どうでしょう。
回線スピードのチェックサイトで計測したところ、下り約2Mbpsという結果に。極端に低速になっている様子もなく、このプランの平均的なデータ通信速度が出ています。
このテストの結果を見ると、やはりデータ容量無制限というのはほんとうのようです。わかってはいましたが、実際に目にすると心強いですね。
格安SIMカード戦国時代に現れた「無制限」SIMカードの秘密
それにしても、月額3,460円でデータ容量無制限を実現するのは、ご苦労も多いことでしょう。そこで、ぷららでサービス設計を担当している田中さんに、いろいろとお話を伺いました。田中さんはいわば、このプランの生みの親です。
ギズモード編集部(以下ギズ):「定額無制限プラン」は、データ容量無制限で通信ができるというのが最大の特長だと思います。3Mbpsという速度は、どういう根拠に基づいた数字なのでしょうか。田中さん:定額無制限プランは、VODやストリーミングなどの動画サービスを、容量を気にせず使っていただきたいというところから始まりました。ただし、LTE規格の速度で無制限を実現するとなると、設備的に逼迫してしまいます。しかし、通常のインターネットの使い方や動画のストリーミング再生などは、LTEの最高速度は必要ありません。どのあたりが落とし所になるだろうと実験を繰り返した結果、3Mbpsで問題なく使えたので、3Mbpsでの無制限を実現しました。たとえば、弊社のVODサービス「ひかりTV」のHD画質は、3Mbpsで充分視聴できます。通常、モバイルデバイスの高画質というのは、2Mbpsくらいを想定しています。そのため、3MbpsあればスマホやタブレットPCでの動画視聴はまったく問題ありません。
ギズ:3Mbpsと聞くと遅いと思いがちですが、実用には充分な速度なんですね。田中さん:我々は、回線速度を低く抑える代わりに反応速度を上げるように調整しています。具体的にはpingという値です。これはサーバからのレスポンス速度を数値化したもので、この数値が小さいほど、サーバからの反応が速いということになります。ping値を上げれば、サーバからの最初のレスポンスが速くなり体感速度が上がります。そのため、3Mbpsでもそれほど遅いとは感じない、というわけです。ギズ:なるほど。サービス開始後の反響はいかがでしょうか。田中さん:当初、3Mbpsという速度は必要充分ということで我々は自信があったのですが、きちんとお客様にその部分を伝えきれるのかという不安はありました。それがふたを開けてみたら、発売後2日でSIMカードが売り切れるという事態になりまして、お客様にはご迷惑をかけてしまいました。それから、ひとつ特徴的なのは、定額無制限プランのSIMカードを購入してくださるのは、固定回線の分布図とは違って地方の方が多いことです。データ容量が無制限ということと、NTTドコモの回線を利用していることで日本全国つながりやすいという、2つの安心感が決め手となり選んでいただいている方も多いと思います。
ギズ:安心感というのがキーワードなんですね。田中さん:あと、2台持ちしている方にとっては、データ容量無制限のSIMカードが1枚あるとかなり安心感が高まるようなんです。片方のスマホのデータ容量が上限になってしまったときに、ぷららのSIMカードを使って月末まで過ごすという方もいらっしゃるようですね。それから音声通話ができるということで、ギズさんで紹介していただいたように2台持ちから1台に切り替える人も多かったのではないでしょうか。ギズ:ぷららさんでは、データ通信のみの「定額無制限プラン」もご用意されていますが、こちらを購入されているユーザーさんはスマホやタブレットとPC、どちらが多いのでしょうか。田中さん:実はルーターとのセット販売が多いんです。この無制限SIMカード1枚で、スマホもタブレットも、全部ネットに接続するという層が多いようです。スマホやタブレットとのセット販売も用意されているが、ルーターとのセット販売が人気。「無制限」というメリットを最大限に活かすことができる使い方ともいえる。ギズ:なるほど。データ容量無制限ですから、ずっとつなぎっぱなしにしていても制限が気になりませんね。田中さん:現在は、BluetoothでテザリングができるNECのAtermのルーターとセット販売をしていまして、それが一番売れています。Bluetoothならば接続も簡単ですし、ルーターを使えばスマホやタブレット本体のバッテリーを気にしなくてもよくなります。ギズ:これまでは、データ容量で料金を区切っていたわけですが、ぷららさんの場合は回線速度で料金を変えていくという新しいビジネスモデルを行っているとも考えられますね。「定額無制限プラン」は「今」のニーズにぴったり
「定額無制限プラン 音声通話プラス」は、どうしてもデータ容量無制限の部分ばかりに注目してしまいがちです。しかし、今回のデータ容量無制限チャレンジ、そしてNTTぷらら田中さんのお話を伺うと、3Mbpsという回線速度の実用性と、ストレスのない反応速度の実現という、NTTぷららならではのこだわりがあることがわかりました。
24時間連続ダウンロードなんていうちょっと意地悪なテストも涼しい顔でこなし、普段使いはもちろん、動画視聴でもストレスなく使え、その上日本全国でつながるという安心感。
まさに、「今」求められているSIMカードと言えるのではないでしょうか。
うーん、この記事を書いていたら、「定額無制限プラン 音声通話プラス」を契約したい度がさらにアップしてしまいました。あ、「定額無制限プラン」とルーターの組み合わせもいいなー。
あなたなら、どっちの無制限にしますか?
source: ぷららモバイルLTE
(三浦一紀)