2012年10月17日(水)に発表されたアトウ(ato)の2013年春夏コレクション。「Bright」がテーマで、軽やかな素材や明るい色を使い、ベーシックなアイテムを春夏らしく表現した。今季のテーマに対して、デザイナーの松本与は「日常で使えるような服、フォーマルというよりは軽めのものを提案したかった。カリフォルニアに合うイメージ。ライアン・マッギンレーの写真と雰囲気が合うかなと思った」と語る。
通常よりもさらに短いたけのライトなジャケットや、アセテートを用いたソフトな風合いのライダースジャケットは、ユニセックスな表情をもつ。スーツスタイルも、かっちりと着るのではなく、ルーズにさらりと羽織るようなイメージだ。そして、機能面やディテールにもデザイナーのこだわりが伺える。ウエストゴムのデニムやスラックスはイージーに穿くことができるが、センタープレスが施されフォーマルさもある。着るときにはだけないようにするためのジャケットのストラップは、長めで遊び心あるデザイン。
カラーは、ベージュやネイビー、グレーなどメンズらしい色と、パステルブルーやペールグリーン、イエローなど爽やかで明るい色のコントラストが印象的。シャープな中にもポップさを加えメリハリを強調した。
松本は「そのブランドのものを全部着るというのは今はほとんどないし、コレクションの影響力も前と比べるとなくなってきている。どちらかというと、その人のワードローブに合うように、手助けをしたいなと思う」と語る。着る人の個性に寄り添いながら発展していくように、という思いが込められたコレクションだ。