不機嫌ハラスメント、20~30代「夫が謝る」特に多く 親密性調査

有料記事

山本悠理 編集委員・岡崎明子
[PR]

 夫婦間で一方が不機嫌になったときに、謝ったりご機嫌を取ったりする傾向は若い男性ほど強い――。そんな実態が、中央大の山田昌弘教授(家族社会学)たちが行った調査から浮かび上がった。パートナーが恒常的に不機嫌になるといった「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」は従来、「夫から妻」が一般的とされてきたが、若い世代では当てはまらなくなってきているのではないかと指摘する。

 山田さんのチームは2023年2月、25~64歳の男女1万305人を対象として「パートナーの親密関係の変容に関する実証研究(親密性調査)」を実施。日常会話の頻度や、外出するときに手をつなぐかなど、夫婦の親密性を測る項目について多岐にわたり尋ねた。

 「相手が不機嫌になった時にどうしますか」という質問で、配偶者がいる人のうち「自分が謝ったり、ご機嫌をとったりする」と答えた割合は、25~34歳の男性が43%と最多だった。同年代の女性は14%で、3倍以上の開きがあった。

 謝ったり、機嫌をとったりする割合が最も少なかったのは45~54歳、55~64歳の女性で7%。同じ年代の男性の24%、22%を大きく下回った。

 山田さんは「フキハラをしているのは夫(男性)側だけではなく、妻(女性)側にも多い実態がわかってきた」と分析する。

通らなくなった「男性のわがまま」

 まず50代以降の夫婦につい…

この記事は有料記事です。残り799文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
山本悠理
デジタル企画報道部
専門・関心分野
現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学
岡崎明子
編集委員|イチ推しストーリー編集長
専門・関心分野
医療、生きづらさ、ジェンダー、働き方
  • commentatorHeader
    濵田真里
    (Stand by Women代表)
    2024年12月22日11時0分 投稿
    【視点】

    「不機嫌になることは、女性側にとって最大限の抵抗の意思表示であり、その結果がデータにあらわれている可能性もある」という山田教授の最後の指摘は非常に重要だと思います。相手に謝ったりご機嫌を取ったりする行為は、相手を不機嫌にさせた回数とも関連し

    …続きを読む