コメダホールディングス本社(写真:YUTAKA/アフロ)

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迷惑行為をする高齢の男性客に対し、カフェチェーン大手「コメダ珈琲店」の店舗の女性店員が毅然とした対応をしていたと、居合わせた客がXで状況を伝え、注目を集めている。

大阪市内の店舗で2024年12月10日昼過ぎのランチタイムにあったことだという。

「外で待てと言うんか?」「皆様お待ち頂いております」

女性店員について、Xで投稿したのは、「劇団黒猫」などで活動している演劇の演出家、佐藤トシオさん(@sugarpot001)だ。

「今日のコメダに勘違いがいたなぁ」。佐藤さんは12月10日、Xでこうつぶやき、その状況を説明した。

それらの投稿や佐藤さんがJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、佐藤さんはこの日、レジ横のカウンターでランチセットを注文して食べていた。ランチタイムだけに、店内は次第に満席になり、外で待つ人たちも増えたが、60〜70代ぐらいの高齢者男性が強引に店内に入ってきて、辺りを見回してからレジ前の荷物置き場にいきなり座った。

「お客様、そこは荷物置きで、お支払いのお客様の邪魔になりますのでお立ち下さい」

女性店員が男性に声をかけると、男性は、「椅子を用意しろ」と要求する。しかし、店員は、「既にお待ちのお客様がいらっしゃいますので、店外でお待ちください」と丁重に断った。

「この寒いのに外で待てと言うんか?」

男性は、こう嫌みを言ったが、店員は、「はい。外で皆様お待ち頂いております」と説明した。これに対し、男性が言い返し、応酬が続いた。

「なんだと!失礼だろうが!」 「はい。皆様外でお待ち頂いております」
「この寒いのに失礼だろうが!」「はい。皆様外でお待ち頂いております」
「わざわざ来てやっているのに失礼だろうが!」 「はい。皆様外でお待ち頂いております」

「御自分が快適であることを優先されたのでは」

こうしたやり取りが数回続いた後、高齢者男性は、無言で店を出て行ったという。

佐藤さんは、「この瞬間、店内全員の心が店員さんへお疲れ様と絶賛に染まった」とX投稿で客らの心情を代弁した。

この投稿は、6万件以上の「いいね」が集まっており、大きな反響を呼んでいる。

「高齢の方は疲れやすく寒さも身にしみやすい」「床にしゃがんでたら席用意してくれたと思うよ」との声も出た一方、「客は神様などでは決してない」「店員さん頑張られましたね」「わけわからん客の対応はこれがベスト!」と店員の対応に理解を示す声が多かった。

佐藤さんは、高齢者男性について、「身体に慮るような部分は見られずしっかりした足取りをされていました」と取材に答え、「このようなことをする方の感覚は私にはわかりかねますが、御自分が快適であることを優先されたのではないかと思います。正直、自己中心的な要求をしていて迷惑でうるさいと感じました」とした。

一方、店員については、X上で「とても落ちついて丁寧に返されてましたよー」「笑顔が眩しいステキ店員さんでした!!」と報告し、取材にも「店員さんは全く問題はなく賞賛に値すると考えています。終始笑顔で穏やかで丁寧に。他の利用客への配慮も忘れずに出来ないことは出来ないとハッキリと伝えておられました」と明かした。

迷惑客に対応した大阪市内の店舗では12月12日、取材に対し、「こちらではお答えできませんので、本部に聞くようお願いします」と答えた。運営会社コメダの担当者は同日、取材に対し、事実関係を確認してから連絡すると説明した。13日17時時点では、まだ連絡が来ておらず、回答が来次第追って伝える。

J-CASTニュース編集部 野口博之)