『バッティングセンター』という単語から想起させられるもの、それは人それぞれ違うのかも知れない。
都会のスポーツ施設のど真ん中であれば賑やかであろうし、田舎の国道沿いであれば地元のおじさんや子どもがちらほらと通う程度の静かな場所であろう。
本エッセイで描かれているのは、間違いなく後者だ。
しかし、訪れる者だけでなく、本作を読む読者をも惹き付ける魅力がそこにはあって――。
自分が体感しているわけではないのに、この文章の背後からは懐かしさがひしひしと近寄ってくる。
目を閉じれば、そこには年季の入ったバッティングマシーンが浮かぶような、そんな魅力のある作品、おすすめです。