自己主張が苦手な主人公が、ある意味主張能力は高いアバターを使ってゲームを攻略していくSF作品です。
主人公の暮らす世界は、現代から大きく発展を遂げた未来。
惑星のテラフォーミングは簡単に行えてしまい、星間通信技術すらも確立している世界です。
当然VR技術も発達しており、友人からの勧めに乗って、主人公はとあるゲームに手を出します。
キャラクターメイキングのタイミングになって、主人公が求めたのは自分らしさ。
けれども、表現があいまいだったせいか、できあがったキャラクターは思わぬ方向へ。
自己主張が激しくなってしまったキャラクターを操る主人公は、ダークファンタジー世界でどんな行動を起こすのか。
ぜひ読んでみてください。
アバターを自由にデザインできる VRMMO に没入して、エロい肢体をさらけ出す。それは数多くある話です。
本作が意外なのは、裏返っているんですよ。よ~く読むと、小さくとも決定的な叙述トリックをしかけています。なるほど、こう来るかぁ……
仕掛けに気づくとニヤニヤしてきます。そりゃあ主人公は自分自身の肉体と容姿に劣等感を覚えるはずです。
劣等感が強い女子が力を手に入れて自信を取り戻す、その道筋は現実で行えば顰蹙ですが、実現するために VRMMO は存在するのです。そして、その情景を描くことは小説の存在理由の一つです。
楽しさと背徳はコインの裏表。禁断の味は甘いのです。
「あーあ、夏ってやだなー」🌞🌊🍉
物語は地球型惑星アーススリーに人類が入植して数世代が過ぎた未来から始まります。
特別行政区ニュージャパンシティーに暑い夏が訪れ、地球に似た環境の中で人々が生活しています。
主人公のカスガ・シズネは、夏休み前日の学校で大きくため息をつきます。
彼女は海が嫌いで、夏の暑さや汗をかくことに不満を抱いています。
友人のサンジョウ・シズカと共に、夏休みの計画について話し合いますが、シズネは引きこもりたい気持ちを隠せません。
シズカは、そんなシズネを最新のVRMMOゲーム「ヘルゲートアヴァロン」に誘います――それでいいのか?女子高生!