どうでも良いですが私は青春小説が好きです。特にスポーツ系の青春小説は大好物。
この作品はリンドブルムという名の機械に意識だけをダイブして動かす、近未来スポーツが登場します。
最初は「SFと青春スポーツものって相性どうなの?」と穿って見ていました……そんな自分を反省しております。
所謂『部活立ち上げ系』でもある本作。
主人公の香月兎羽と彼女に巻き込まれた格好の棋将夜見。そこに操と直美が加わり四人で憑機部(このネーミングセンスも最高!)を設立し、高校リンドブルムのレースへと参入します。
まず、この立ち上げまでもめちゃくちゃ熱いです。青春!という感じです。
さらに部を立ち上げてからもレースの熱気や個性的なライバル、困難な勝利とそれを得るための努力が、一つ一つ丁寧に描かれています…はい最高です。
SFと架空スポーツという事を除けば、ザ・王道の青春小説そのものではないですか!
青春小説好きがコレを読まないのはハッキリ言って損です!読みましょう!そして読者もこの世界にダイブしましょう。
第15話までのレビューとなります。
舞台は全自動AIが仕事の多くに実装された近未来の日本。
高校入学早々、クラスメイトを巻き込んでの新部創設を目指す主人公の兎羽(とわ)が早くもそのポテンシャルを魅せてくれます。
リンドブルム部――通称、憑機部(ひょうきぶ)は近未来で躍動するスポーツを超える芸術として名を馳せる注目のニューフロンティア。
コストと顧問、部室の確保など幾多の困難を乗り越えていく兎羽。
彼女の強い信念と憧憬から沸き起こる実行力と交渉力に思わず目を見張ります。
そこで得られる経験と人脈と達成感――物語の序盤早々から多くの現代人に欠けている精神の在り方の大切さを諭されるようで、胸を貫かれるような衝撃を受けます。
常識が通用しない新進気鋭のスーパーランナー。
絶大なる信頼のおける比類なきメカニック。
そして顧問兼コーチの日本一のサポーター。
よきチームメイトに恵まれて、出場するレースというレースで大いに魅せてくれます。
目指す先は――高邁な理想に燃える彼方に輝く星を思わせる幽玄の境地。
信頼と友情とがゆるぎない絆で紡がれる、至高のSFロマン小説です。