「呪い」がキーパーソンの小説。内容もそうだが、文体も言葉一つ一つにどこか泥のような重みがこびり付いている。淡々と書かれていることがこれまた不気味である。 しかし、後半になるにつれて泥は少しずつはがれ落ちていく。あまり言うとネタバレになるので多くは語れないが、内容と文体が連動し、僅かずつではあるがうねりを伴って変化していく。まさに「蛇」のような「呪い」のようなものを言葉たちから感じ取れた。面白かったです!
この作品の感想に対して、言葉はむしろ邪魔に思えました。どこかズレた世界の中で、チラチラと見えては隠れる『狂気』読んでいてずっと背中が寒く感じました。まずは読んでみてください。まさにアナザーワールドへようこそ。
登場人物の現世から外れた感覚、主人公の厭世的だけど現代人らしい繊細さが癖になる作品です。恋愛が主軸ではありますが主人公が消えてしまった少女の謎を追う構成になっている為、ワクワクするような没入感がありますね。読み切るまては時間がかかりそうですが今後も地道に講読していきたいと感じる好ましい文体でした。