1年に1度のPerlの祭典「YAPC::Asia」が2010年も開催される。5回目となるYAPC::Asia Tokyo 2010の見所はどこか。イベント運営を統括しているライブドアの櫛井優介氏に聞いた。
その前に、そもそもYAPCとは何か簡単に説明しておく。元々O'Reillyが「Perl Conference」という技術系カンファレンスを開催していたが、参加費用が高額で、誰もが気軽に参加できるというものではなかった。そこでエンジニア達が草の根的に立ち上げたのが“もう1つ”のPerl Conference、つまり「Yet Another Perl Conference=YAPC」だ。
YAPCはまず米国で開催され、その後に欧州の「YAPC::EU」に広がり、日本開催の「YAPC::Asia」、南米開催の「YAPC::SA」(South America)などに伝播した。
実は世界最大のYAPCはYAPC::Asiaである。各地のYAPCは約300人程度が集まる規模だが、YAPC::Asiaには毎回600人近くが参加しているという。多くの予算をかけた大規模イベントとは性格が異なり、主にエンジニアの横のつながりだけで人が集まる点もYAPC::Asiaの特徴的な点だ。
YAPC::Asia Tokyo 2010の会場は東京工業大学 大岡山キャンパス。イベント日程は以下のとおり。チケット購入はこちらから。
今回は「Welcome Perl」です。Perlの創始者であるLarry Wall氏、現在のPerl5の開発責任者であるJesse Vincent氏、そして日本のPerl Hackerでその名を知らぬ者はいないと言われる宮川達彦氏をゲストスピーカーとして迎え、Perlの過去、現在、未来について触れられるものにします。
Perl初心者(Perl Casual)の皆さんにご協力いただき、「新人さんいらっしゃい」という2時間の枠も取っていますので、新たにPerlを学びたいという方や、これからさらにステップアップしたいと考えている方向けのプログラムも充実しています。
元々、YAPC::Asiaは著名なPerl Hackerである宮川さんが始められたイベントで、2009年は本人にフラリと立ち寄っていただきました。今回はゲストスピーカーとして宮川さんをお呼びするという「逆輸入」な仕込みをしています(笑)。
日本の著名なウェブ企業で働いている最先端の方々が一堂に会するということもあって、すべてが見所ではありますが、国内で大規模なソーシャルアプリケーションプラットフォームを提供している、ミクシィ、ディー・エヌ・エー、グリーがそれぞれどのようなプレゼンを見せてくるのかという点は非常に楽しみなところです。
あとはやはり、みんな大好き宮川さんのセッションでしょうか(笑)。リアルタイムで見たことないのでミーハー丸出しですが個人的にかなり期待しています。また、これも初めての試みですが、技術評論社さんとの共同企画で、地方で開催されているPerlユーザーグループ(Perl Mongers)の代表の方々に登壇いただき、地方ならではの特色などについてパネルディスカッションをしていただく予定です。
はい、今回から導入しようと考えているのが「トーク投票制度」というものです。YAPCのスポンサーさんから協賛金をいただくからには何か形に残るものを参加者に還元したいと考えて投票制度を企画しました。
まだシステムを作成している段階なのであくまで予定ですが、参加者の皆さんに「Tech」と「fun」という2票を持ってもらい、1日ごとにスピーカーに投票してもらいます。投票が1番多かった「ベストトーク賞」や、YAPC::Asiaで初めて話す方の中から「ベスト新人賞」を選び、豪華景品を進呈する予定です。景品はメモリを8Gバイトに増量してあるMacBook ProやiPadなどです。
実際に会場に来ていただいてコミュニケーションしてほしいという思いから、後日すべてのセッションを動画配信する予定ではありますが、Ustreamでのリアルタイムな配信は行いません。今回は2日目を土曜日開催にしていますので、「Perlに興味はあるけど実務で使っていないので平日参加が難しい」という方も参加しやすいようになっています。
Perlの技術者の皆さんは話してみるとすごく気さくで楽しい方ばかりなので、ぜひ会場に遊びにきてください。
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