それがぼくには楽しかったから
それがぼくには楽しかったから Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary | ||
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著者 | リーナス・トーバルズ、デイヴィッド・ダイアモンド | |
訳者 | 風見潤(翻訳)、中島洋(監修) | |
ジャンル | 自伝 | |
コード | ISBN 0-06-662072-4 | |
ウィキポータル FLOSS | ||
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『それがぼくには楽しかったから』(原題:Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary、「ただ楽しみのため: 意図せず生まれた革命(家)の物語」の意)とは、Linuxカーネルの生みの親である開発者リーナス・トーバルズに関する自伝である。共著者はデイヴィッド・ダイアモンド。作品はフリーソフトウェア運動やLinux開発に関してのリーナス自身の視点で描かれている。
オペレーティングシステム(OS)の中核を担うカーネルである"Linux"を開発したリーナス自身に焦点を当て、その内面を描いている。Linux誕生前の時代とその後の状況に分けることができ、Linux誕生前については、彼がIntel 80386マシンを入手した前後から、とりわけMINIXやのちにLinuxが知名度を大いに上げるにつれて名称論争を引き起こしたGNUプロジェクト[1]についても言及されている。後者のように、多くの傘下組織のもと数百もの別々のプロジェクトによってOS全体が書き上げるということが当時標準的とされた中、それらとは全く異なる開発形態("伽藍とバザール")を持つLinuxを作り出した彼の「動機」について、本書は独自の極めて平易な言葉でまとめている。本書はコンピュータ書とも言われるが、技術的な事柄はほとんど書かれていない。
本書は様々な言語に翻訳されており、その中にはリーナスの母国の公用語、フィンランド語や、そののち、彼自身の第一言語であるスウェーデン語も含まれている(彼はフィンランドのスウェーデン語を話す少数民族に属す)。ただ楽しむためだけに彼が始めた(そして未だ維持管理を行う)カーネルは今や、6千万以上の人々のPCデスクトップやそれ以上の台数のウェブサーバのOSの一部として稼動している(記事"Linux"参照)[2]。
履歴
[編集]- ISBN 0-06-662072-4: Hardcover (2001)
- ISBN 0-06-662073-2: Paperback (2002)
- ISBN 0-694-52539-1: Audio Cassette (abridged) (2001)
- ISBN 0-694-52544-8: Audio CD (abridged) (2001)
- ISBN 978-4796880015: それがぼくには楽しかったから(翻訳: 風見潤、監修: 中島洋、2001年)
出典
[編集]- ^
Torvalds, Linus. “Notes for linux release 0.01”. www.kernel.org. 2011年8月3日閲覧。 “Sadly, a kernel by itself gets you nowhere. To get a working system you need a shell, compilers, a library etc. These are separate parts and may be under a stricter (or even looser) copyright. Most of the tools used with linux are GNU software...
(参考訳: 悲しいことに、カーネルだけでは何もできない。システムを動かすには、シェル、コンパイラ、ライブラリなどが必要だ。これらはばらばらに存在し、場合によっては制限のより厳しい、もしくは、より緩い著作権の縛りのもと利用できた。linuxで利用されているツールの大部分はGNUのソフトウェアだ。)” - ^ Abramson, Ronna (2004年12月15日). “Linux Looms Larger Than Thought”. TheStreet.com, Inc.. 2011年8月3日閲覧。[リンク切れ]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Just for fun - インターネットアーカイブ内のオープンライブラリ
- Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary - Goodreads
- それがぼくには楽しかったから - Pub DB 出版書誌データベース