コンテンツにスキップ

コミュニケーションカーニバル 夢工場'87

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
夢工場'87から転送)
コミュニケーションカーニバル
夢工場'87
Communication Carnival "Dream Machine '87"
夢工場'87 大阪会場
夢工場'87 大阪会場
イベントの種類 博覧会
通称・略称 夢工場
正式名称 コミュニケーションカーニバル 夢工場'87
開催時期 1987年7月18日 - 8月30日
会場 東京国際見本市会場
大阪国際見本市会場
主催 フジサンケイグループ
フジテレビジョン
関西テレビ放送
ニッポン放送
ラジオ大阪
協賛 NTT
プロデューサー 鹿内春雄
テンプレートを表示

コミュニケーションカーニバル 夢工場'87』(コミュニケーションカーニバル ゆめこうじょう87)は、1987年(昭和62年)7月18日から8月30日まで開催されたフジサンケイグループフジテレビ関西テレビニッポン放送ラジオ大阪主催のイベント[1]東京晴海東京国際見本市会場大阪南港大阪国際見本市会場(インテックス大阪)で開催された。

このイベントの後も、フジテレビはお台場地区などを会場として、ゴールデンウィーク夏休み期間などにイベントを開催している。詳細についてはフジテレビジョンの項を参照のこと。

概要

[編集]

1980年代、鹿内春雄は停滞していたフジテレビに、いわば無軌道な放埒と躁状態を持ち込んで活力とし、結果的に視聴率の飛躍的向上を実現、救世主扱いされる成功談を数年で作り上げた[2]。春雄は84年半ば、グループが進むべき道を提示する長期計画の中で、「夢工場」と名付けた情報通信の未来技術を披瀝する一大イベントを企画する。3年後に東京と大阪で同時開催、予算規模は150億円と民間イベントとしては空前の規模である[3]。そのためには技術面はもちろん、資金を含めて何から何まで電電公社(85年4月以降NTT)の全面協力が必要だった。春雄はNTT社長の真藤恒に協力を迫った結果、NTTは「夢工場」に巨額の協賛金を支出したほか、光ファイバーなど当時の最新技術を提供するなど異例の協力体制を敷いた[4]

成否を左右する宣伝は、グループすべての媒体を駆使して展開[5]。開幕するとメディアの影響力を駆使し、中曽根康弘首相や政府要人、皇族などが次々と訪れ世辞を寄せた[4]。会場の狭さ、順番待ちでろくに見られないといった悪評をよそに、1ヶ月半の会期で「来場者は570万人を記録」、こうしたイベントでは異例の20億円もの黒字化を達成したとし、自らを「大衆の感動を創造するセンセーション・グループ」と規定するほど、春雄と取り巻きにとっては強い成功体験となった[5]。また、このイベントに絡んで、アイドル夢工場というアイドルユニットが結成され、任天堂との共同製作によるゲームソフト夢工場ドキドキパニック』の発売なども展開された。

逸話

[編集]

ひらけ!ポンキッキ』などのプロデューサーを務めた太地恒夫がフジテレビを退社しリオデジャネイロに移住していたところ、フジテレビ会長だった春雄から、阿久悠石ノ森章太郎江本孟紀木原光知子さいとう・たかを萬田久子残間里江子などの友人を連れてリオのカーニバルを見に行きたいとの要望を受けた。太地はこれに応じ、ありきたりの観光コースではなく豪華なヨットをチャーターした船上パーティーをセッティングし、当時13歳であった天才バンドリン奏者のニウジ・カルヴァーリョポルトガル語版のバンドがその場を盛り上げ、参加者一同はブラジルサンバに魅了された。鹿内は夢工場の最終日に太地を招待した際、夢工場の発想はこの時に生まれたものだと語っている。

パビリオン

[編集]
ラジコンカーにCCDカメラを取り付けたアトラクション。操縦はセガのアーケードゲーム、アウトラン筐体を使って行った。横浜博覧会(YES'89)では「セガ・スーパーサーキット」と改名されて出展された。

ライブ

[編集]

テレビ中継

[編集]
7月31日に会場から公開生放送された。
7月20日からの1週間、番組全編を会場から生中継した。

夢工場関連

[編集]

イメージソング

[編集]

作詞:秋元康 作曲:高橋研 編曲:佐藤準

脚注

[編集]
  1. ^ 日本民間放送連盟(編)「放送日誌(62年7月)」『月刊民放』第17巻第10号、日本民間放送連盟、1987年10月1日、52頁、NDLJP:3471022/27 
  2. ^ 中川 2019, p. 180.
  3. ^ 中川 2019, p. 182.
  4. ^ a b 中川 2019, p. 183.
  5. ^ a b 中川 2019, p. 184.

参考文献

[編集]
  • 中川一徳『二重らせん 欲望と喧噪のメディア』講談社、2019年12月。ISBN 978-4065180877 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]