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佐藤拳太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐藤 拳太郎 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム さとう けんたろう
ラテン文字 Kentaro Sato
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 400m
所属 富士通陸上競技部
大学 城西大学
生年月日 (1994-11-16) 1994年11月16日(30歳)
出身地 埼玉県
身長 173cm
体重 63kg
成績
世界選手権 4x400mR 予選2組8着(2017年
地域大会決勝 アジア選手権
400m 1位(2023年
国内大会決勝 日本選手権
400m 2位(2015年2017年
4x400mR 4位(2013年)
自己ベスト
200m 20秒70(2023年)
400m 44秒77(2023年)日本記録
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
アジア競技大会
2022 杭州 400m
アジア選手権
2019 ドーハ 4×400mリレー
2023 バンコク 400m
2015 武漢 400m
2019 ドーハ 4×400mリレー混合
ユニバーシアード
2015 光州 4x400mR
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佐藤 拳太郎(さとう けんたろう、1994年11月16日 - )は、埼玉県出身の陸上競技選手。専門は400mで、自己ベストは日本記録の44秒77。男子4×400mリレーリオデジャネイロオリンピック日本代表東京オリンピック日本代表

経歴

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所沢市立狭山ヶ丘中学校、埼玉県立豊岡高等学校城西大学(経営学部)卒業。富士通在籍。

高校生時代まで

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中学時代は野球部に所属し、陸上は高校から始める[1]。当初は天文部に所属していたが、リレー要員の数合わせでいいからと陸上部に誘われ、初めてトラックに足を踏み入れることになった[2]。 高校3年時の4月末には肺気胸のため1週間ほど入院し、インターハイ県大会の出場が危ぶまれた。しかし、無事に出場したインターハイ県大会の200mで優勝、400mで2位に入ってインターハイ北関東大会初出場を決めると、北関東大会でも200mで優勝、400mで2位に入ってインターハイ初出場を決めた[1]インターハイは両種目で準決勝まで進出した。

大学生時代

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2013年 - 2014年

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2013年、城西大学に進学。1年時は主要大会の個人種目で入賞することはできかったが、アンカーを務めた4×400mリレーでは日本インカレで7位、日本選手権リレーで4位という成績を残した。

2014年、5月に関東インカレの400mで5位入賞を果たすと、6月には日本学生個人選手権の400mで2位に入り、全国大会で初の表彰台に上った。シーズン前半は好調だったが、9月に左脚ハムストリングスの肉離れを起こしたため[3]、後半の日本インカレや国民体育大会などを欠場することになった。

2015年

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4月、出雲陸上の300mで3位に入ると、世界リレーの日本代表選考会となった織田記念国際の400mでは46秒21の自己ベスト(当時)で優勝し、主要大会を初めて制した。

5月、世界リレーの4×400mで初めて日本代表を経験。予選で日本チーム(小林直己、佐藤、ウォルシュ・ジュリアン北川貴理)の2走を務め、チーム最速のスプリットタイム(47秒71)を記録する活躍を見せたが、結果は組6着で決勝には進出できなかった[4]。関東インカレでは400mを制して初のインカレタイトルを獲得すると、3走を務めた4×400mリレーでは城西大学初の決勝進出と優勝に貢献した[5]

6月、アジア選手権の400mで国際大会の個人種目に初出場を果たすと、決勝では46秒09の自己ベスト(当時)を記録し、アブドーラ・ハルーン(44秒68)、ユセフ・マスラヒ(45秒14)に次ぐ3位に入り銅メダルを獲得した。4×400mリレーにも出場予定だったが、直前のアップ中に腹痛に襲われ、急遽メンバーから外れた[6]。初出場となった日本選手権の400mでは、予選で自身初の45秒台となる45秒58をマークし、山崎謙吾が持つ46秒00の埼玉県記録を塗り替えた。決勝ではこの種目10連覇中の金丸祐三からリードを奪い、ゴール30m手前あたりで金丸に負けを意識させたが、惜しくもゴール直前にかわされて0秒02差の2位に終わった[7]

7月、ユニバーシアードの400mと4×400mリレーに出場。400mは準決勝敗退に終わったが、4×400mリレーでは日本チーム(ウォルシュ・ジュリアン、加藤修也、北川貴理、佐藤)のアンカーを務めて銀メダルを獲得した(当初は4位だったが、上位2カ国が失格になり2位に繰り上がった)[8]

8月、北京世界選手権の4×400mリレー日本代表に選出されたが、大会では出番なしに終わった。

2016年

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6月、日本選手権の400mは46秒30の5位で表彰台は逃したが、大会後にリオデジャネイロオリンピックの4×400mリレー日本代表候補に選出(日本が出場権を獲得すれば日本代表となる)。日本は最終的に出場権を獲得したため、晴れて日本代表となった[9]

8月、リオデジャネイロオリンピックの4×400mリレーは補欠として出番なしに終わった。

社会人時代

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2017年

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4月、富士通に入社し、同社陸上競技部に入部[10]

6月24日、日本選手権400m決勝では最後の直線でトップに躍り出たが、予選を全体1位(45秒48)で突破した北川貴理にかわされ、45秒95の2位(1位と0秒19差)で初優勝を逃した[11]

2021年

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8月6日、東京オリンピック4×400mリレーに伊東利来也、川端魁人、鈴木碧斗とともに出場し、日本記録に並ぶ3分0秒76のタイムを出したが、予選2組5着となり決勝には進出できなかった[12]

2023年

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7月13日、アジア選手権男子400mで優勝し金メダルを獲得。

8月20日、ブダペスト世界選手権の男子400m予選で高野進(当時東海大学教員)が1991年の日本選手権決勝にてマークした44秒78[注 1]を32年ぶりに更新する44秒77の日本新記録を樹立した[13]

2024年

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8月4日、2024年パリオリンピックの陸上競技男子400メートルの予選1組に出場したが、45秒60で5着となり、上位3着に入れず敗者復活ラウンドに回った[14]。しかし、男子1600メートルリレーに専念するため、男子400メートル予選で上位3着に入れなかった中島佑気ジョセフ佐藤風雅の両選手とともに敗者復活ラウンドのレースは欠場することになった[15]。そして同月11日に行われた男子1600メートルリレーの決勝で2分58秒33のアジア新記録で6位入賞の快挙。[16]

人物・エピソード

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  • 大学1年時は日本インカレと日本ジュニア選手権の200mに出場するなど200mへのこだわりが強かったが、城西大学陸上部コーチの千葉佳裕から勧められ400m専門となった[17]。2015年は「ユニバーシアードに行ければいいな」(千葉佳裕)と言われていた程度だったが[3]、ユニバーシアードはおろか、世界リレーや世界選手権といったシニアの世界大会日本代表に選出されるまでの選手となった。
  • ゲン担ぎとして大会前には100%系のジュースを飲む。座右の銘・好きな言葉は「才能は天から降ってくるものじゃないなら、自分で作れば良い。[18]」「道を選ぶということは、必ずしも歩きやすい道を選ぶという事ではない[19]」。

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
200m 20秒70(−1.0) 2023年9月24日 日本の旗 岐阜市
400m 44秒77 2023年8月20日 ハンガリーの旗 ブダペスト 日本記録

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

国際大会

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2015 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x400mR 予選2組6着 3分06秒38(2走)
アジア選手権 中華人民共和国の旗 武漢 400m 3位 46秒09 自己ベスト
ユニバーシアード (en 大韓民国の旗 光州 400m 準決勝2組3着 46秒36
4x400mR 2位 3分07秒75(4走)
2017 世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 4x400mR 予選2組8着 3分07秒29(1走)
デカネーション フランスの旗 アンジェ 400m 5位 48秒18
2019 アジア選手権 カタールの旗 ドーハ 4×400mリレー 優勝 3分02秒94
4×400mリレー混合 3位 3分20秒73
2023 アジア選手権 タイ王国の旗 バンコク 400m 優勝 45秒00

日本選手権

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4x400mRは日本選手権リレーの成績

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2013 日本選手権 横浜市 4x400mR 4位 3分11秒36(4走)
2015 日本選手権 新潟市 400m 2位 46秒12 予選45秒58:自己ベスト
2016 日本選手権 名古屋市 400m 5位 46秒30
2017 日本選手権 大阪市 400m 2位 45秒95

その他

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
高校生時代
2012 インターハイ 新潟市 200m 準決勝3組7着 21秒84(+0.5)
400m 準決勝1組5着 48秒21
大学生時代
2013 日本インカレ 東京都 200m 予選5組4着 21秒46(+0.8)
4x400mR 7位 3分11秒03(4走)
日本ジュニア選手権 名古屋市 200m 準決勝2組5着 21秒48(+0.7)
2014 関東インカレ(1部) 熊谷市 400m 5位 47秒85
4x400mR 予選1組5着 3分12秒41(4走)
日本学生個人選手権 平塚市 400m 2位 47秒23 自己ベスト
トワイライト・ゲームス 東京都 400m 決勝2組7着 48秒01
2015 出雲陸上 出雲市 300m 3位 32秒83
織田記念国際 広島市 400m 優勝 46秒21 自己ベスト
関東インカレ(1部) 横浜市 400m 優勝 46秒35
4x400mR 優勝 3分06秒05(4走)
2016 静岡国際 袋井市 400m 3位 46秒77
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 400m 5位 46秒75
関東インカレ(1部) 横浜市 400m 2位 46秒96
4x400mR 4位 3分06秒58(3走)
日本インカレ 熊谷市 400m 予選2組6着 47秒77
4x400mR 予選1組1着 3分07秒90(3走) 決勝進出[注 2]
社会人時代
2017 静岡国際 袋井市 400m 2位 46秒63
東日本実業団選手権 秋田市 400m 優勝 46秒69

脚注

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注釈

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  1. ^ 高野が出した44秒78はその後破更新されることなく、2023年元日時点で陸上競技トラック種目で最古の日本記録となっていた。
  2. ^ 予選のみ出場。決勝の城西大学は3分06秒76で4位。

出典

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  1. ^ a b 「インターハイ地区大会 北関東」『月刊陸上競技』第46巻第9号、講談社、2012年8月号、107頁。 
  2. ^ 【陸上】天文部→400m日本記録保持者へ 感覚派だった佐藤拳太郎が築き上げた“答え””. 日刊スポーツ (2024年6月27日). 2024年7月2日閲覧。
  3. ^ a b 「日本GPシリーズ ホープ躍動④」『月刊陸上競技』第49巻第7号、講談社、2015年6月号、76頁。 
  4. ^ 経営学部佐藤拳太郎君がIAAFワールドリレーズ2015に出場”. 城西大学経営学部 (2015年5月6日). 2015年11月20日閲覧。
  5. ^ 「関東インカレ」『月刊陸上競技』第49巻第8号、講談社、2015年7月号、151頁。 
  6. ^ 陸連時報 2015年8月号(第21回アジア陸上競技選手権大会報告) 日本陸上競技連盟 (PDF, 7.4 MB) 2015年11月20日閲覧
  7. ^ 「日本選手権 男子400m」『月刊陸上競技』第49巻第9号、講談社、2015年8月号、16-17頁。 
  8. ^ 「第28回ユニバーシアード競技大会」『月刊陸上競技』第49巻第10号、講談社、2015年9月号、122-128頁。 
  9. ^ 1600mリレーで日本が出場権 ロシア参加禁止で”. 日刊スポーツ (2016年7月25日). 2016年7月26日閲覧。
  10. ^ 富士通陸上競技部 2017年度新加入選手について”. 富士通 (2017年4月3日). 2017年4月3日閲覧。
  11. ^ 佐藤拳太郎選手競技後コメント/2017日本陸上選手権”. 富士通陸上競技部・ブログ (2017年6月25日). 2017年6月25日閲覧。
  12. ^ “オリンピック 陸上男子1600mリレー 決勝進出ならず”. 日本放送協会. https://web.archive.org/web/20210806124536/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210806/k10013186521000.html 2021年8月6日閲覧。 
  13. ^ "男子主将・佐藤拳太郎が44秒77の日本新! 高野進の記録を32年ぶり0.01秒更新/世界陸上". 月陸ONLINE. 陸上競技社. 2023年8月20日. 2023年11月20日閲覧
  14. ^ “陸上 男子400m 予選 日本3選手は敗者復活ラウンドへ パリ五輪”. NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240805/k10014537101000.html 2024年8月6日閲覧。 
  15. ^ “陸上 男子400m 日本3選手は敗者復活欠場 リレー専念 パリ五輪”. NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240805/k10014537961000.html 2024年8月6日閲覧。 
  16. ^ 【陸上】マイルリレー侍、2分58秒33のアジア記録で6位 レース直前北口榛花の金が追い風に(日刊スポーツ)”. Yahoo!ニュース. 2024年8月10日閲覧。
  17. ^ 「Heat Up Athletes」『陸上競技マガジン』第65巻第11号、ベースボール・マガジン社、2015年6月号、22-23頁。 
  18. ^ 第15回世界陸上競技選手権 選手からのメッセージ”. 日本陸上競技連盟 (2015年). 2015年11月21日閲覧。
  19. ^ 第31回リオデジャネイロオリンピック 選手からのメッセージ”. 日本陸上競技連盟 (2016年). 2016年9月5日閲覧。

外部リンク

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