コンテンツにスキップ

京都高速道路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルート図(2008年時点)

京都高速道路(きょうとこうそくどうろ、Kyoto Expressway)は京都府京都市内で供用または計画されている都市高速道路地域高規格道路の計画路線に指定された自動車専用道路である。

概要

[編集]

5つの路線が計画されている。このうち、新十条通および油小路線(後述)については阪神高速道路公団により事業化され、京都市などから公団への出資も得て[1]建設がおこなわれた。なお、2005年10月1日の同公団民営化により事業主体が阪神高速道路株式会社に移行しているほか、民営化にあたって上下分離方式がとられたことにより、インフラ部分の保有および債務は日本高速道路保有・債務返済機構に承継されている。

事業見直し

[編集]

未供用の久世橋線、堀川線、西大路線については、都市計画決定以降の社会変化などを理由に、抜本的な見直しに向けて検討が行われてきた[2]。京都市役所では、京都高速道路検証専門委員会が2012年10月4日2013年2月1日2014年1月7日と重ねられた後、2016年5月19日に意見書が作成され、これら3路線の整備の効果は限定的であることが示された。他方で、同意見書では堀川通のJR線との交差部分がボトルネック状態となっていることが指摘され、南北交通について3路線の整備以外の枠組みでの道路整備が模索される。

堀川通の整備はこの後、高規格道路として計画段階評価着手に向けた調査の対象となり[3]、国会議員と地方議員による堀川バイパス整備促進議員連盟が設立された[4]

路線

[編集]
既開通区間の様子(油小路線、下り線城南宮北出入口付近)

新十条通

[編集]

稲荷山の直下を稲荷山トンネルでつらぬき、京都盆地山科盆地を直結する。1995年に着工され、2008年に全線が阪神高速8号京都線の一部として供用を開始した。2019年4月1日に阪神高速道路株式会社から京都市に管理が移管され、無料開放された。なお、この路線に直結する一般道路にも「新十条通」の愛称がもちいられている。

油小路線

[編集]

新十条通から接続し、伏見区を南北方向にほぼ直線状に通過し第二京阪道路に接続する。2008年に斜久世橋区間以外の区間(上鳥羽出入口 - 第二京阪道路接続部)が、2011年に斜久世橋区間(鴨川東出入口 - 上鳥羽出入口)がそれぞれ阪神高速8号京都線の一部として供用を開始した。2019年4月1日に阪神高速道路株式会社から西日本高速道路株式会社に管理が移管され、第二京阪道路の一部として編入された。

久世橋線

[編集]

構想では、南区で油小路線(阪神高速8号京都線(上鳥羽付近))から分岐し、同区久世橋付近の国道171号にいたるとされている[5]。京都市西部から各地への交通をになうとともに、当道路の西大路線と各路線を接続する役割ももつ。事業化はなされておらず事業主体も決定していない。

久世橋線からさらに地域高規格道路候補路線京阪連絡道路として大阪の阪神高速5号湾岸線中島PA付近までつなげる構想もあった[6]

堀川線

[編集]

構想では、下京区五条通堀川通付近から南下し、南区で油小路線・久世橋線(上鳥羽付近)にいたるとされている[5]。南行一方通行として計画されており、西大路線とあわせて京都市街地から同市南部および各接続道路への交通をになう。全線地下構造での建設が構想されているが、事業化はなされておらず事業主体も決定していない。

西大路線

[編集]

構想では、南区で久世橋線(吉祥院付近)から分岐し、中京区五条通および右京区西大路通付近に至るとされている[5]。北行一方通行として計画されており、堀川線とあわせて京都市街地から同市南部および各接続道路への交通をになう。全線地下構造での建設が構想されているが、事業化はなされておらず事業主体も決定していない。

沿革

[編集]
  • 1987年8月 - 新十条通の都市計画が決定する。
  • 1993年
    • 3月 - 油小路線・久世橋線・堀川線・西大路線の都市計画が決定する[7]
    • 10月 - 新十条通の事業主体に阪神高速道路公団が決定される。
  • 1995年3月 - 新十条通が着工される。
  • 1999年10月 - 油小路線の事業主体に阪神高速道路公団が決定される。
  • 2000年1月 - 油小路線のうち斜久世橋区間以外の区間が着工される。
  • 2006年3月 - 油小路線のうち斜久世橋区間の事業区分が見直され、京都市との合併施行方式に変更される。
  • 2007年8月 - 新十条通・油小路線の営業路線名称および出入口名称が決定する。
  • 2008年
    • 1月19日 - 油小路線のうち斜久世橋区間以外の区間が、阪神高速8号京都線として供用を開始する。
    • 6月1日 - 新十条通の全線が、阪神高速8号京都線として供用を開始する。
    • 11月 - 油小路線のうち斜久世橋区間が着工される。
  • 2011年3月27日 - 油小路線のうち斜久世橋区間が、阪神高速8号京都線として供用を開始する。

脚注

[編集]
  1. ^ 阪神高速道路公団出資金 (PDF) (事務事業評価票)2004年度 No.2607002 - 京都市(2011年5月12日閲覧)
  2. ^ 「はばたけ未来へ! 京プラン」実施計画(IV 改革編) (PDF, 3.1MB)第1回 京都市京都高速道路検証専門委員会 資料-1 (PDF, 1.0MB)
  3. ^ 社会資本整備審議会 道路分科会 第61回国土幹線道路部会 配布資料 国土交通省
  4. ^ 市長の動き(令和6年8月) 京都市
  5. ^ a b c 京都高速道路 油小路線斜久世橋区間 (PDF, 3.0MB) (斜久世橋区間パンフレット) - 阪神高速道路(2009年7月発行、2010年10月5日閲覧)
  6. ^ 阪神高速なのに「京都線」なぜ? 「飛び地」状態、NEXCO移管と一部無料化で変化へ - 乗りものニュース(2019年3月8日閲覧)
  7. ^ 京都市の交通に関わる年表 - 京都民報社(2011年5月13日閲覧)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]